ホルモン屋徒然草~珍しホルブロだ

新米ホルモン屋の親爺の日々。ホルモンのこと、店の出来事、周辺の自然や話題。

「値上げの春」

2014-01-22 12:47:20 | をかしら屋
昨日、酒屋さんから梅酒の値上げの見積もりが来ました。
一般の日本酒も小幅ながら値上げするようです。

円高、異常気象による作物の収穫および先物市場への影響、中国などの成長力の高い中後進国の食生活の変化による需給の流動性など、ここ数年続いている食品の値上げは安倍さんがデフレ脱却を唱える前から続いています。

 (飲食店は仕入れがインフレ、売値がデフレ!?)

4月には消費税が8%になりますし、ここ数カ月は値上げラッシュとなりそうです。

アベノミクスで賃上げが実現すればいいですが、実質所得が落ちないように祈るだけです。

寒さが身に沁みる昨今。
春は待ち遠しいのですが、「値上げの春」は御免こうむりたいです。


・・対策も必要なんだけど、なんかね、自分に合わない気がして
・・などといっているからダメなんだと相方や取引先の小言がきこえそうです。

S一家倉庫軟禁事件

2014-01-22 09:13:50 | をかしら屋
食料はあと何日持つのだろう。
3ヶ月もすれば、「不明のS一家、倉庫でミイラ化発見される」みたいな記事が新聞に載るのだろうか。

しばし、頭の中は混乱した。

定休日の日曜日。
新倉庫兼事務所の何日目かの整理と決算業務の為に我がS一家は早朝に花巻をたって盛岡・松園に向かった。

ワタシと娘はPCに向かい、相方が結露の激しいドアに「プチプチ」を断熱材として貼っていると、その相方が困った顔をして「新事務所(倉庫の中の一角)」の入口カーテンを開けた。

「ドアが開かない」

ドアには事務所らしく上下2つの鍵があり、上も壊れかけているが、下は全く錠がきかない状況であったことは特に彼女には言っていなかった。
その下のドアノブを触ったらしい。
ここのところ、なぜか錠が少し出た状態で、ドアの開閉の邪魔にはなっていた。
それが完全に出て、錠がかかったまま引っ込まない状態になったのだ。

最初は笑っていたが、なかなか、いや全くびくともせず開かない状況を確認すると、少し焦りと怒りと絶望感が漂ってきた。

ペンチやパイプレンチで固いドアノブを回したら、、
バカになってくるくる回りだしたが、しかし錠は引っ込まない。
倉庫は3階にあり、窓はすべて外に向かっている。
積雪があるから飛び下りても少しのけがで済むかもしれないが、足腰の悪い中年男と華奢な女二人にその勇気はない。

救急隊を呼んだ。

松園に住む知人は幸い彼の事務所にいた。
実際は顔が引き攣りながらも「笑い話」として救出をお願いした。

救急隊若干一名は、大事な愛犬の散歩を後回しにして、すぐさま駆けつけてくれた。
幸いビルの階段の踊り場側に高窓があり、ドアの鍵に長い紐をつけて外に降ろした。

しかし、彼が何度も解錠しようとしてもやはり開かない。
錆ではないかと錆取りを要求されるが、あらゆるものが混在してあちこち山のようになっている倉庫に、しかし、欲しいものはない。

しばらく外は静かになった。
あとはドアのガラスを破って出るしかないとあきらめていたところに、

カチリ。

しばし静かだった救急隊長の声が。
「やっと開きました」。

さすがに元帝大出である。
ワタシには思いつかない発想であった。

錠をライターでしばらくあっためていたらしい。

彼の推測では、錆はもちろん、この結露と氷結の繰り返しで、普段使用していなかった下段の錠の中で出来た氷が大きくなり押し出したまま引っ込まなかったのではないか。
ライターで温まり、氷が融けて錠が戻ったのだと。

素晴らしい分析と使命を終えた救急隊長は蓄えた髭の合間に笑顔を見せて、さっそうと愛犬の散歩に帰った。

ドアを開けたまま、ワタシは魂が抜けたようにしばしたたずんだ。

あとは錠の受け手の穴を木の端材でふさぎ、二度と閉じ込められないように祈った。

しかし、一抹の不安は残った。
このビルの二階に事務所があったときもそうだったが、冬の間に数回、結露が氷結し鉄枠のドアが開かないときがあった。
あの時よりこの「新倉庫兼事務所」の3階は結露が多い。
まだ氷点下9℃ですんでいるが、例年のように二桁になったらどうなるか。

店から帰って入れないならあきらめればいい。
問題は一番寒い朝方、今回のように中から外へ出れない場合だ。

物事に頓着しない相方は、コチラから連絡しないと一週間、音沙汰なしだ。
倉庫にある食料が尽きたら、
ひょっとして凍ったまま力尽きた姿で発見されるワタシがいるのかもしれない。

あらら、それなら、客を待ちわびて店内で凍死しているワタシもいる可能性が高いのである。
昨夜みたいに、ね。


つまらぬ長話。
自分の記録として残しました。
万が一のためにね。

凍死しないように、たまには店に顔を出してください。
それでは、、