ホルモン屋徒然草~珍しホルブロだ

新米ホルモン屋の親爺の日々。ホルモンのこと、店の出来事、周辺の自然や話題。

「マンガ百花繚乱 -いわての漫画家50の表現- 展」 そして273㎞の旅

2009-08-22 13:45:10 | 第1紀 生きる
久々のお盆休暇、三日目。

娘のたっての希望である、「マンガ百花繚乱展」の開催されている東和町、岩手町の二つの美術館を巡る、日帰り小旅行にたつ。

今日は、この日のテーマの前段を。

東和町の「萬鉄五郎記念館」は年に何回か行く。
小さいながら明確なテーマに基づいた見応えのある企画展示が多いことと、毎年秋に行われる街角美術館のついでという事もある。

今は行政的には花巻市と一緒になったが、ワタシタチの年代は「東和町」。
その中心部のやはり旧村名なのだろう土沢の商店街は、これは見事に昔の風情を残しているから、ここを歩くとタイムスリップした気分となる。

さて、珍しく早起きした娘と、先ずは萬記念館へ。



さっそく、記念撮影である。
ここにいつも企画展の大きな看板が立つ。



こちらはパンフレット。

ワタシがわかる漫画家の名前は少ない。

吉田戦車、さいとうたかお(岩手出身ではないが、現在、石鳥谷に在住とか)、馬場のぼる(青森出身、高校が岩手)くらいしか、わからんな~。

池野恋、つづき春、七草セリ、にざかな(かな)・・・、なんて名前を見てもよくわからん。

ああ、このパンフレットのPDF版は「ここクリック」。

マンガ好きなら、たまらんのだろう。

ちなみにワタシは、馬場のぼるの絵本を一冊購入。
「をかしら屋松園東黒石野店」に置いています。

・・はっきりいって、おもしろい、とりこになるって感じ。
ココロのどこかに幼心が眠っていて、この絵本でゆりかごから起こされたように思う。

そして、毎回見ているのだが萬鉄五郎の学生時代の作品に新しい発見をする。

(ああ、彼の芸大の卒業所々の名前の前に、「岩手県 平民」とあった。・・そんな時代に生きた、萬)


さて、萬鉄五郎をあとにして、その東和町土沢界隈を車で散策。

気になっていたパン屋を発見。
なんだこんなわかりやすい場所にあったのか!!



東和町バイパスの角の大きなレストラン。

その一方の入口らしいところに、あらっ!!、古い看板が。

「ハウスカレー」。

社史か、もう退社して数十年立つ我々、OB・OGにも定期的におくってくれる社内報でしか見れないあの看板が。

ワタシの母も小さい万屋をやっていたので、このホウロウ看板はいくつかあるが、カレーはボンカレーくらいしかない。

ああ、いいもの発見。

そして、その横の水車小屋に目当てのパン屋、「こなひきのゴーシュ」の看板があった。



正直、信号待ちで止まっていたその前を右折してはいる車が無かったら、この店を発見できなかったと思う。

そんな感じの地元の方が、毎日来ているよってな普段着、野良姿でやってくる。
これが、とてもいい。

その、水車小屋の奥の、本当に昔の姿の煙草屋か万屋みたいな間口二間ほど、客が立つのは奥行き半間で、すぐ目の前に結構な種類のあるパンが所狭しと並んでいて、元気な若いおばちゃん(どんな表現じゃ??)がいる厨房に続く。

楽しい。
この空間はとても楽しい。

岩女(がんじょ)、下の橋近くにある「穀」に似た雰囲気だといえば、盛岡のパン好きにはわかっていただけるだろうか。

そして、本当はいろいろかいたかったんだけど、道中の車内の暑さも考え、ブタ二匹購入。

(絵を見てください。)





パン以外にも店内にブタさんが、あちこち。
この若いおばちゃんも、ブタにとりつかれた一人なのだろう。

そして、親娘道中は、初めて東和からの高速道、70㎞制限、片側一車線に入っていくのだ。


(休憩)


滝沢インターで降りて(ETCって奴は恐いもんだ、すぐ高速に入りたがる)、しばし国道4号線を北上し、これも大好きな岩手町の道の駅につく。

まずは、ソフトクリームだ。
疲れをいやす、「春なんとか」というキャベツのソフトクリーム。

ただ、食券を買ってソフトを求めるってのが、あまり好きになれないアナログ人間。
窓口一つ、中のおばちゃん(はいっ、正当なおばちゃん!?)一人でも、やはりソフトクリームなどという乳製品を扱うには、衛生上、食券機があったほうが、いいんだ!! ネ。・・当然だな~。

などといいながら、ゆっくり食べる(本人は、「しっかり味わう」と表現する)娘と、冷たいものの早食い競争なら誰にも負けんぞ!! というお父さん、つまりワタシは娘を残して産直へ。
先ずは下見である。



そして産直とレストランの間から、「マンガ百花繚乱展」のもう一館、「岩手町立 石神の丘美術館」へ入る。
ここは山を登りながら、いくつもの彫刻を見れるのだが、暑い!! から今日は室内だけ拝観。

新しい。
ピカピカ。

でも、広さは萬記念館より少し狭い。


この美術館のテーマは、やはり屋外の彫刻にあるのだから、室内美術館はこれくらいでいいのだと思う。

やはり、まだ夏休みの学生たちが熱心に見ている。

大きく、手前、中、奥の、本当に狭い三ヶ所に分かれる館内の奥の方から声が・・。

どうやら学芸員がどなたかに説明しているらしい。

狭い通路をすれ違いざまに拝見すると、知事だった。
付き添いが町長らしき人と、FM放送あがりの地元の長身の作家。

ご苦労さまですな。

けっこうお堅く見える真面目な知事だから、この手はどんなんだろう。
学芸員の丁寧な説明を、彼らしく真摯に聴く姿が好ましかったのだが、ひょうっとしてワタシみたいにこのサブカル、特に今どきの作家たちには不案内だったりして。
などと、無理やり知事をこちら側に引きつけて考える、娘の付き添いだけのPTAでした。

娘の見たい作家は、萬さんの方ではなく、こちら側にあったようで、とても喜んでいた、と思う(静かなんだなぁ~、娘は)。

パンフレットにもあるが、代表的な漫画家たちの画に、セリフ(?)を書き込める空白があって、娘はその紙を窓口から頂いたらしい。
ロビーの壁には、その紙が何枚も掲示されてあって、それを見るのもまた一興であった。

帰りの産直。
目当てのものを探しに行くと、また農家の方が新しいトレタテ野菜を運んでくる。

そのかごの中に値札のついていないブルーベリーを見つけ、値段を聴くと、一つしかないから、アゲル と言う。

ありがたく頂く。
母が目にいいからといって、このブルーベリーを欲しがる。
ちょうどいいお土産になった。

ブルーベリーは母に、あの農家の方の優しい気分に浸ったうれしさの記憶はワタシに。


そして、旅は重要な「ランチタイム」を経て、葛巻と続く。

親娘日帰り273㎞の旅は、後半へと続く。


PS:さて、前回の続きですが、両店とも従業員急募です。求める人の「やりがい」だけは充分にありますヨ。ぜひ、ご連絡を。