まるぞう備忘録

無題のドキュメント

なぜ最悪の想定が難しいのか。

2016-04-28 10:30:40 | まるぞう経営学

また今日もうちの会社のお話をちょこっとしたいと思います。先日うちのwebシステムをある会社さんのサーバに導入する仕事がありました。作業するのは新人の見習いくんです。開発のマネージャーさん立会いのもと仕事をします。
しかし残念ながら接続はうまくいかず、作業は日延べになってしまいました。うまくいかなかったのはあちらのサーバの問題です。そう見習いくんは言います。

わかったからログのデータ頂戴。と私は見習いくんに言いました。
ログとはプログラムの実行した履歴が詳細に残っているデータのことです。不具合があってもそのログを解析すれば大体のことがわかるのです。私たちIT業者からするとログとはお宝の山であるといえます。

ログはとって来ませんでした。見習いくんはいいます。

ふうむ。なぜ?

なぜってあちらの問題だからうちのログは必要ないと思いました。

ではなぜうちの問題じゃないと思ったの?

それはちゃんとこちらが設定したのに動かないからです。あちらが問題であるに決まっています。

ふうむ。と私はマネージャーさんにも聞きました。
なんでログを取らなかったんでしょうか?開通しなかった時は必ずログを取るルールですよね?

すみません。私もうちの問題じゃないと思ったので。必要ないと思ったのです。

ふうむ。あなたたち二人は随分楽観的ですね。自分たちの強運を信じて疑わないのですね。一番幸運な想定は、全てあちらの問題でうちは問題ない。ということです。あちらが直してくれればWebは開通するのですね。
では最悪の想定はどうでしょう。うちのプログラムにバグがあって、相手の問題じゃないことですね。場合によっては相手のシステムを壊すことも最悪想定ですね。
しかしもしログがあればうちのプログラムに本当に問題がないかは確認できます。問題があれば直す方法もわかります。しかしログがなければ何もわかりません。
あなたたちは最悪の想定をせず、自分たちの最良の幸運だけを期待して仕事の途中で帰ってきたのです。
ふうむ。



私はなぜ多くの人が(私を含め)最悪想定が苦手なのかをずっと疑問に思っていました。そしてその答えの一つは、人は手間をかけるのが面倒くさいと思う生き物だったからなのでした。だから多くの人は一方的に自分の強運を信じて人生の用意の手を抜きたがる傾向があるのでした。

見習いくんにとってログを取る作業は少々手間であります。できればやりたくありません。きっと相手のサーバの問題だよな。相手に原因があって欲しい。前も相手が原因で繋がらないことがあったし。きっとそうだよ。あっちが原因だからログを取る必要はないよ。もうこのまま帰っていいはずだよ。終わらせて帰りたいよ。そういう彼の心の声が聴こえてくるようです。


最悪の想定は面倒な手間です。たとえば直下型地震の想定も準備は手間です。お金もかかります。だから多くの人は、そこまで備えなくてもいいよな。今までなくても問題なかったし、これからも大丈夫だよ。手を抜きたいがために、根拠なく自分の強運を信じるのでした。


ギャンブルにハマった人が、根拠なく自分の強運を勝手に信じ負けを重ねるのと似ているように思います。自分の強運に頼る判断は、実は自分の幸運貯金を食い潰しているのでした。
しかし逆に用心深く備えを積み重ねる行為は、幸運貯金を積み立てているのでした。備えの行為の積み重ねが、自分の幸運貯金を貯めている因子であったとは。



おひさま、ありがとうございます。
(本日は中潮で、過ぎ越しの祭りですね)



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企業のニオイ。

2016-04-27 10:14:19 | まるぞう経営学

私のように小さな会社を経営していますと、自分の考えや行為とその反射が経営状態にダイレクトに影響するのでとても興味深いです。

一番ダイレクトに効くのは、私の傲慢さ。でありましょうか。私のような傲慢な人間は、自分が傲慢であることに気づくのはなかなか大変であります。しかしうちのような小さな会社の場合、会社経営者の傲慢さは、売り上げが落ちるという数字で示されますので、本当に役に立ちます。

逆にお客さんへの誠意という態度で努力していきますと、いつの間にかどこからか発注が入ることとなります。新しいお客さんに売ろう売ろうとしゃかりきになっている間は、なかなか新しい案件を取ることは出来ませんでした。

しかし既存のお客さんを大切にしていると、なぜかどこからか新しい仕事の話が舞い込んで来るのでした。本当に不思議です。

そしていつもの悪い癖で、私が傲慢になると、必ずガツンと頭を叩かれることになるのでした。必ずトラブルが発生し、傲慢で見下していた相手に頭を下げることとなります。そして順調にいっていたはずの幾つかの案件は、いつの間にかキャンセルされたり、無期の日延べとなって消えていくのでした。

まるでそれは経営者が発するニオイのようです。既存のお客さんへの誠意の努力が、良い匂いとなって、新しいお客さんや新しい案件を引きつけて来るようです。

あるいは、経営者の傲慢さは悪臭となって周りに広がり、今まで集まって来ていたお客さんや案件が知らないうちに離れていってしまいます。



これからの経営学として一番重要なのは、実はその企業が醸し出すニオイである。そういう時代が来るかもしれませんね。ニオイは誤魔化したり嘘をつくことが難しいです。その会社の経営者や社員たちが、見えないところででもお客さんへの誠意の努力を行なっているのか、あるいは表面上の愛想笑いの陰で、傲慢な態度をしているのか。私たちはその企業のニオイとして無意識のうちに知ることとなるのだと思います。



おひさま、ありがとうございます。
(本日は月の最遠日より5日。中潮。過ぎ越しの祭。)



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胸騒ぎアンテナについての備忘録。後編。

2016-04-24 11:18:54 | まるぞう経営学

Appleの証明書問題の続きです。私は胸騒ぎ後すぐにうちの会社の技術メンターさんに連絡を取りました。そしてうちの部下が彼の指示通り、証明書サーバを構築しなおしたら、すぐに証明書のプログラムが動きだしました。
うちのメンバーが3日かかっても目処が立たなかったところが、彼に相談したところ、半日でプログラムが動き出し、証明書の更新もあっけなく終了しました。
しかもその作業でわかったことですが、実は証明書はその日の水曜で切れていたのでしたが、部下が勘違いで金曜に切れると思っていたのでした。

もし私の胸騒ぎがなければ、これがどれだけ炎上になっていたかわかりません。本当に「胸騒ぎアンテナ」からの声無き警告は無視できないと改めて痛感しました。今回の案件は、相手の会社は大企業で、証明書の期限が切れると数百名のユーザが一斉に接続できなくなってしまうのです。一歩間違えれば訴訟問題になったかもしれません。



今回私が非常に興味深く思ったことは、私のこの胸騒ぎは一体どういうメカニズムで発生したのだろう。ということです。なぜ私は胸騒ぎが起きたのに部下は呑気でいられたのあろうか。ということです。

この世で無事に生きていくためには、最悪を想定して胸騒ぎのアンテナの感度を高くするスキルはとても重要なようです。でもそれは難しく、最悪を想定しないまま甘い考えのまま、アンテナ感度の低いまま、世の中を渡って、大失敗をしてしまうことが多いです。
仕事の失敗で始末書くらいまだなら良いです。甘い想定は、自分や家族の命の危機に晒すこともあります。国民が甘い想定だと国が滅びることもあります。

もし次の人類というものがあるのなら、その新しい人類は、最悪想定と胸騒ぎのアンテナの感度が高いために生き残ることができる遺伝子の人たちかもしれません。



今回のエピソードを通して、私は胸騒ぎアンテナの重要な要素3つあるように思いました。

1,まずそれは「失敗経験とその悔しさ」の積み重ね。であろうと思います。しかしながら、それは「失敗を他人のせい」にする限りは、いくら悔しくても経験値はあまりあがらないようです。

社会に出てもたくさん失敗することは良いことであり、財産になる。と多くの先人達が言っております。これは正しいことだと思います。ただしそれは他人のせいにせず、その悔しさが自分に向けられた場合。という条件になります。



2,またもし仕事に対して胸騒ぎアンテナを磨くには、その仕事に対して自分のエネルギーを注いでることも重要な要素のように思います。なぜなら自分がエネルギーを注いだ対象について、自分の「心の毛細血管」が、空間を超えてその事象に張り巡らされるからです。そしてその毛細血管はたとえば関係者の周りにも張り巡らされます。

関係者がどういうように考えているか。今のように判断しているか。そういう意思の動きが、私の心の毛細血管を通じて感じられるようです。空間を超えて相手の考えていることが伝わるというのはテレパシーのようですが、自分がエネルギーを注いだもの対象は、自分の心の毛細血管が張り巡らされていくのです。そして毛細血管を通してそれは直ぐ側の自分のことのように感じられます。

母親が子供の危機を遠隔でも胸騒ぎで知ることができるのも同じ原理であると思います。



3,そして重要なのが最悪の想定の手段を知っていることです。
今回の証明書問題は、私は最悪の事態であっても、メンターさんに緊急相談すればいいということを知っていました。だから今がその時だと判断することができました。
しかし部下のようにただひたすら迷った森を歩き続けなければならないという状況では、最悪を想定し判断することが難しいということでした。思考が停止するからです。

もし森にに迷っても、緊急発信器を持っていればいざというときにそれを使うことができます。最悪の事態を想定して、その前に緊急発進をすることができます。しかしうろいろ歩きまわるしか手段がない人は思考がストップして最悪を想定できないのです。

私たちの人生においても最悪想定が難しいのは、うろうろ歩きまわるしか選択肢がないからかもしれません。

私のような小さな会社の経営者は、会社が潰れたときの清算方法、社員の手当、その後の自分の生活の手段などいつでも想定して置かなければなりません。会社の経営だけでなく、個人的な人生の環境についても常に最悪に備えた選択をしなければならない。ということと密接な関係があるように思います。

私達が毎日暮らせている幸運な幸せは、いつ消えるかもしれません。いつでも裸一貫になってたった一人でゼロからスタートすることになるかわかりません。その覚悟があれば、胸騒ぎアンテナの回路の起動と関係があるように思います。失うことはイヤ。という気持ちはわかりますが、それが最悪想定胸騒ぎアンテナの回路を思考停止させます。



最悪を想定した胸騒ぎアンテナの感度は私にとって重要な興味課題であります。現在は上記の3つの仮説でありますが、引き続き試行錯誤していきたと考えております。



おひさま、ありがとうございます。
(本日は過ぎ越しの祭ですね)



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ブラック企業鎮魂歌。後編。

2016-04-23 11:20:39 | まるぞう経営学

結局そのB社さんとは新規の案件についてはお互い受けないことということになりました。最大の理由はB社さんからの支払い延滞が何回か続いたからでした。それは私の中では超えては行けない一線でした。

まあ、C課長になり現場の空気が殺伐としてきたこともあり、支払いの延滞が続いたことは丁度良い引け際かな。と感じたのでした。

支払い延滞の件はA部長が動いてくれて、最終的には無事入金されたのでしたが、新しい案件はしばらく様子をみさせてもらいたいという相談をA部長にしました。

A部長は意外そうでした。結局支払われたのだから問題ないでしょう。という感じでした。もしまた支払い延滞があったら自分が動くから大丈夫ですよ。という答えでした。そこには彼らとは埋められない溝を感じました。



私の中では会社を経営するにあたり明確なルールがあります。
その一つはお金の支払いだけはきちんと守る。ということです。それは社員たちの給料でもそうですし、我々の仕事を手伝ってくれる職人さんたちへの支払いもそうです。どうしても資金が足りなくなって、入金までの数ヶ月間、私が個人ローンでお金を借りてでもです。
もう一つは社員にサービス残業はさせない、ということです。だからうちの会社はIT業界には珍しく、みな夜には早く帰宅します。

この二つはゼロかイチなのです。もし支払い延滞を、たった一日でも意図的に行えば、それはいつのまにか二日でも大丈夫になり、一週間でも大丈夫になり一ヶ月でも大丈夫になるのです。
サービス残業もそうです。気づかないうちに夜中までただで仕事させても平気になるのです。



実は、これは私が大学を出て最初に入社した電器メーカー系で教わったことでした。このメーカーは次の3つのルールが徹底されていました。

1,問題が起きたら「問題を起こした人」を責めるのではなく「問題を起こした業務フロー」を見なおせ。
2.下請けメーカーさんへの口頭発注の厳格な禁止。
3,社員へのサービス残業の厳格な禁止。

もうこれは徹底していて、上記を守らないマネージャーは降格されるぐらい厳しいルールでした。



自分で会社を起こ身になって改めて思うのは、社会に出て10~20年ほどの期間に、この会社でこれらの公正なルールを肌で教わることができて本当に良かったということでした。

そして自分が起業していろいろな会社さんとお付き合いする中で、確かにB社さんのようにブラックな体質の企業もありますが、私が最初に入社したような公正な企業もたくさんあることを知りました。



そしてこれからブラックな体質が多い企業ほど自滅する傾向が出る世界になっていくかもしれません。と妄想いたします。もともと日本人は公正な人が多い人達であります。公正な企業が人々から支援されるのは当然であろうと思います。



おひさま、ありがとうございます。
(本日は過ぎ越しの祭ですね)



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ブラック企業鎮魂歌。前編。

2016-04-22 10:16:50 | まるぞう経営学

AさんはIT企業グループのB社の部長さんです。Aさんはまるぞう株式会社の初期の頃からのお得意様でありました。その頃はAさんも役職は課長さんで、良く私と現場に足を運んでいました。大手さんに納品したうちのWebサイトが問題を起こした時も、一緒にお客さんのところに謝りに行ったことも何度もあります。当時うちのWeb技術を買ってくれていた数少ないうちのファンでした。

そんな彼が部長さんに昇格したのは数年前です。大きな出世のようでした。Aさんは以前のように現場に顔を出さなくなりました。

しかしその頃から私はB社が本当はブラック企業であることに気づき始めました。実はAさんが社内のブラック体質から私たちを守ってくれていたのでした。私はAさんを少々ブラックな人だなと思っていたのは実は誤解で、彼の背後が更にブラックで彼は我々に対して堰き止めていたのでした。



Aさんの後任のC課長が、まるぞう会社の担当となりました。この人こそが典型なブラックマンでありました。ババ抜きが上手で出世するタイプでした。一番弱いものに責任を押し付けて後ろから斬り捨てる方法でのし上がってきたタイプです。一見親分肌に見えますが、部下を斬り捨てるのに躊躇しないタイプです。

C課長に変わってからB社さん案件のトラブルが続出しました。なぜならB社の現場の担当者たちが機能しなくなったからです。現場の人たちからうちの会社にメールの返信が来るのが午前1時2時過ぎるのは当たり前です。彼らの仕事量が一気に増大しました。驚いたのは、土曜は徹夜でX社のサーバ構築をしたあと、寝る間もなく日曜の朝からY社のサーバ構築に行くというスケジュールでした。これではトラブルが起きない方がおかしいと言えます。



そもそもブラック企業の共通点は事前の段取り不足という社風であります。炎上してから現場が徹夜で対応すればいいという社風です。特にC課長に変わってからは、彼は部下を庇うことはしません。サディスティックに部下を攻撃するだけです。炎上を徹夜で対応させ後ろから撃つタイプでした。彼はこうして今までやってきたのでした。

うちの会社に対するB社担当の人たちのメールの内容がクレームチックになってきたのもその頃からです。B社の案件は全体の2割程度ですが、クレームの量は6割を超えます。炎上してから借り出されるのでいつもおおごとです。以前は柔和だった担当者さんのメールの口調が、サディスクティックな文体になり始めているのは、背後にそれを書かせているC課長のことを感じました。



久々にAさんから電話がかかってきます。
まるぞうさん、どうしたの?最近ずいぶんトラブルが多いじゃない。しっかりしてよ~。困りますよ~。

私は一つづつそれらのトラブルの経緯を話しました。私が話したことは、どれも彼が初耳のことだらけでした。部長さんの報告は全部まるぞう会社の不手際で起きたということになっていました。いかにもC課長らしいです。また現場もC課長には都合の悪いことを隠すようになっていたのでしょう。



ブラック企業の最大の特徴は、都合が悪い情報がトップに上がって来なくなることです。
そして会社にとって最大のリスクとは、まさにこの現場の都合の悪い情報がトップに上がって来なくなることです。ときどき社会問題となる設計偽装やテスト結果偽装などその会社がひっくり返る危機は、部下から都合の悪い情報が上がらなくなる社風に根があります。そしてそれは仕事の失敗を部下に押し付けて、そして部下を叱る時は彼の人格を否定する攻撃をする社風から始まります。



会社の上司が部下を叱って良いときは次の3つだけです。
1,部下が決められた手順を行わなかったとき。
2,部下が都合の悪いことを報告連絡相談をしなかったとき。
3,部下がお客さんの視点で考えなかったとき。

しかしブラック企業は、
1,仕事に問題が「発生したこと」を怒る。
2,怒るときは部下の人格を否定する。
という正反対のことを行います。



業務で問題炎上が起きるときは、組織の業務の進ませ方に原因があることがほとんどです。問題が起きたときは、「その人が」原因なのではなく、「そのフローが」原因なのです。だから人を責めてはダメなのです。二度あることは三度ある。



つづく
(証明書問題の解決編も近日投稿させて頂きます。もう少しお待ちください。)



おひさま、ありがとうございます。
(本日は満月大潮。月の最遠日。422ですね。)



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土の災い。水の災い。火の災い。

2016-04-20 11:08:00 | 防災情報。

私たちが防災の備えを行う時に意識しておくべきことは、その土地が
火の災いの土地なのか
水の災いの土地なのか
土の災いの土地なのか
ということです。

それぞれ想定する災害が異なります。今回の熊本大地震では車中泊によるエコノミー症候群が問題になっています。これから車を購入購入検討する場合にはフルフラットにできるタイプが良さそうですね。しかしこれは土の災いの地域での話です。今回のような活断層や土砂災害が発生する地域の話です。


水の災いの地域は津波の地域であり、海底で大地震があった時は「津波てんでんこ」のルールで全員が人に構わず高台に逃げなければなりません。車で避難することは止めた方がいいケースも多いようにと思います。渋滞に巻き込まれるなら走った方が早いです。この地域に住んでいる人は、車どころか家も全て水に返されてしまう覚悟が必要な厳しい土地です。
また内陸部であっても鬼怒川のように古来から暴れ川であったり、荒川のように低地に人工的に造成した河川沿いも水の災いの地域といえます。


火の災いの地域は、車は更に足手まといになる可能性が高いといえます。それどころか避難で車に乗っちゃあいかん。とさえ言えます。
火の災いの土地の代表格といえば江戸時代以前に湿地だった23区内の住宅密集地です。あと他地域でも阪神地域などの木造住宅密集地です。この地域は車で避難は避けるべきです。自分たちの命が危険に晒されるだけでなく、渋滞は公共の救助活動を妨げるからです。311で判明したように大震災時は徒歩以外は使えません。
関東で言うならば、隅田川と荒川に挟まれた下町地域および環状六号線7号線に挟まれた木造密集地域の人々は、直下型の震災のあとは、徒歩で出来るだけこれらの木造密集地域から離れて避難することが必要です。


土の災いの地域の人々は、土地が激しく揺れる、土砂が流れてくるという災難です。しかも土の災いの地震は夜から未明にかけてが多いように思われます。多くの人が寝静まった時に起こる可能性が高いです。大勢の人の意識が自然災害の発生に大きな影響を与えることと関係があるように思えます。土の災いを想定するならば、多くの人が寝静まる(無防備の)時間帯の想定が重要であると思います。例えば木造住宅の場合は、寝室シェルターの備えのように。
このように、土の災いの備えは、火や水の災いと異なりある程度自分の家に対策を施せます。この点は火や水の災いの地域とは異なります。
阪神淡路大震災や今回の熊本大分大地震のように活断層の地域、山間部の地域は土の災いを想定した準備と心構えが必要であると思います。



おひさま、ありがとうございます。
(本日は中潮ですね)



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改めて。寝室防災チェック項目。

2016-04-17 09:57:08 | 防災情報。


熊本の地震はこの3日間で震度5強以上が6回も発生しました。しかも5回は夜でした。311の時の東京で震度5強でしたからあのクラス以上の揺れが夜中に多発するのですから、その恐怖はいかばかりであったと思います。

15日
21:26 震度5強
22:07 震度7
24:03 震度6弱
16日
01:25 震度6強
01:45 震度6強
09:48 震度6弱
(震度4以上は本日のこの記事執筆時までで、56回!です)

いつ揺れるかもしれない。いつ建物が潰れるかもしれない。その不安が夜中続くわけです。特に親族に亡くなられたり負傷されたりした方の心配はいかほどでしょう。元の生活に戻れるのだろうか。というこれから先の長い不安も重なります。本当にその心配はいかばかりでしょう。心よりお見舞い申し上げたいと思います。

そして読者の皆様もそのようにお感じになっている方も多いと思いますが、熊本の災害は決して他人事ではなく、明日は自分たちが住んでいるここで、起きることなのでした。もうこれから日本はどこが大きく揺れてもおかしくない時期であると覚悟する必要があると思います。
そしてこの地震が与える災害はその土地によって全く異なる様相を呈するということのようです。

関東平野の地震は火でした。
太平洋側(東北~東海~南海)の地震は水でした。
内陸の活断層の地震は土でした。

しかし多くの人が「自分の地域に大きな地震が来る」と覚悟して備えることで、その地域の地震は避けられるか小さなものになると思います。本日は熊本の教訓にならい、本日は寝室の防災対策の備忘録としてその情報を記載いたします。



1,タンスの配置
寝室にタンスがある場合は、タンスが倒れても人の上に倒れてこない配置が重要です。





2,タンスの補強
部屋の都合でタンスのレイアウトが変更できない場合は、タンスが倒れてこない工夫が必要です。見逃しがちなのは2段重ねのタンスです。上下が分割できるタイプははずれて倒れる可能性があります。





3,ピアノ
アップライトピアノは地震時に凶器となります。寝室にピアノを置いている場合は、対策が必要です。

東日本大震災級の震度でも転倒しない「ピアノ転倒防止装置」


「阪神大震災の時、ピアノは約3秒で転倒。逃げることなど不可能でした・・・。」


4,ガラスもの

ガラスものは倒れて粉々になるのが前提です。絵や賞状などの額は寝室に飾らない。


照明はぶら下げタイプではなく埋め込みのもの。




薄型テレビの転倒防止が必要です。




5,シェルター

今回の熊本地震の惨状を見て、木造の1階に寝る場合は、やはりシェルターは有用であると思いました。数十万円で対策できますから、該当する方は検討する価値はあると思います。寝室対策は、今回の熊本地震で私達が教訓とすべき対策であろうと思います。



東京都防災ポータル寝室シェルター製品一覧



備えあれば憂いなしですね。



おひさま、ありがとうございます。




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胸騒ぎアンテナについての備忘録。中編。

2016-04-16 12:02:01 | まるぞう経営学

嫌な予感という言葉があります。私はふと思い出したA社さんのことが急に心配になり部下に確認させました。
本来なら火曜に終わる仕事が水曜の今日まだ準備さえ終わってないということでした。今一生懸命やっているから仕方ないという報告でした。道に迷って森の中をグルグルしています。一生懸命歩いているから仕方ないという理論でした。

私はある知人に連絡を取りました。彼はこのまるぞう株式会社の隠れたメンターでありました。私のノートパソコンのメッセージアプリで彼に送信します。このメッセージIDだけが彼との唯一の連絡方法です。

「すみません。至急相談にのってください。金曜に切れるアップルの証明書の入れ替え動作確認、終わる見込が全くないです。」

私は彼がどこにいるのかは知らないのです。先週は大阪だったはず。その前は東南アジアでした。来月からアメリカだと言っていました。このメッセージもいつ返事が来るかわかりませんが、とにかく今はこの手しかありません。

彼はITの技術に非常に造詣が深いのでした。彼に相談して解決しないことは一度もありませんでした。彼自身はあるオープンソースの創業メンバーの一人でありますがそれはお金にならないので、いくつかのIT会社の技術顧問をして生活費をかせいでいます。

彼に相談して解決しなかった問題はありませんでした。これだけの技術力があれば、GoogleだってAppleだって入れると思いますが、とにかく会社勤めと表に出ることを極端に嫌います。

私が「うちの会社は技術力がある!」と豪語でしていられるのは、実は彼のおかげでした。しかし彼のコンサル料はとても法外に高いのでした。うちのような中小企業が頻繁に依頼できる金額ではありません。年数回、これは、という案件だけ彼に依頼するのが精一杯です。
しかし今日はもうそんなこと言ってられません。私は彼に「メッセージ」を送ったあと、部下にすぐ会社に帰るように言いました。

「午後の打ち合わせは私一人でいいから、あなたは事務所に戻ってください。メンターさんにメッセージを打っておきましたから、彼からの連絡を待って、指示通りに動いてください。」

「はい。わかりました。」

彼はそういって事務所に戻りました。その直後、メンターさんからメッセージの返信がありました。

「いちからテストサーバを構築するのではなく、今稼働している証明書のサーバをコピーすべし」

そのメッセージの返信をみて、ああ、今回も間に合いそうだと直感しました。



つづく



おひさま、ありがとうございます。




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三角形に逃げること。

2016-04-15 10:22:42 | 防災情報。

昨夜熊本で大きな地震が発生いたしました。被害に遭われた方々にお見舞い申し上げます。
あの熊本の地震の少し前に、東京で小さい規模でしたが直下型の地震がありました。この地図を見ると、中央構造線の西端である熊本が大きく揺れる直前に、東端の関東が揺れていたのでした。まるでこれから大きく揺れる直前の「タメ」のように。



中央構造線というプレートの境目が活性化しているということは、まだ大きな地震が構造線上の他の地域でで動き始める可能性も高いかもしれません。昨日の地震は、本震ではなく、前震かもしれません。



昨晩東京が揺れた後、ヨメが、言いした。

地震の時はドアや窓を開けておかないと出られなくなるのよね。

いいや。実は最近はそれは正しくはないんだよ。とにかく揺れたら丈夫なものの陰に隠れること。三角形ポイントに身を潜めること。もうこれだけなんだよ。揺れ始めたら、火を消しに行くこともダメだと言われているんだよ。とにかく三角形ポイントに屈むこと。






ええ?火も消しちゃいけないの?


そうだよ。結局同じことなんだよ。中規模の地震だとするだろ?そうすると、あなたは揺れの中で玄関まで歩けいてドアを開けられるだろう。あるいは台所まで行って火を消せるだろう。しかしどちらにしろ、その規模の地震では、戸口が歪んで出られなくなったり、台所のコンロが倒れたりして出火したりしない。

そして、玄関のドアが歪んだり、コンロから出火するぐらいの大きい規模の地震であったなら、とてもウロウロ歩けないし、たとえ歩けたとしても、家の中で様々なものが倒れて潰される危険性の方がもっともっと高い。

もちろんあなたがコンロの目の前に立っているなら、火を消すのはいいことだよ。でも一番危ないのは、揺れたら玄関に行かなきゃとか、台所に火を消しに行かなきゃと思い込んで、反射的に揺れてる最中に家の中をウロウロする「条件付け」を自分の意識に刷り込んじゃうことだよ。
そんなことより、とにかく揺れたら大きく頑丈なものの三角形の陰に身を潜めること。中規模の地震であっても身を潜める自分の中の「条件付け」が、生き延びるのに必要なんだよ。






火を消さなくてもいいの?


万が一揺れで出火しても、揺れがおさまってから充分消せるんだよ。炎が天上に達するまでは我々でも消せるから。だから揺れたらまず三角形への避難。
(参考サイト)
1,「地震だ火を消せ!」から、今は「地震だ身を守れ!」
2,地震発生時の行動マニュアル|東京都防災ホームページ

だいたい歩いても大丈夫な揺れの規模なら、玄関だって台所だって大丈夫だよ。そして本当にドア歪んだりコンロが倒れ落ちるような大きい規模地震だったら、そもそも本人が棚やタンスなどの大型家具に潰されちゃう危険の方がずっと高い。





そもそも、中規模なら立って歩いて玄関や台所まで行こう(行っても意味ないけど)。大規模だったら身を潜めよう。と使い分けられるほど人間の咄嗟の判断は器用じゃない。

阪神淡路大震災でも東日本大震災でも、ドアが歪んで出られなくなって閉じ込められて亡くなったなんて聞いたことあるかい?僕もいろいろたくさんの地震の記事を読んでいるけど、そんな話聞いたことない。戦前の木造家屋ならそういうこともあったのかしらん。
それに火事だって一番危ないのは、地震から何時間もたって、停電が復旧した時のこと漏電。あるいは家人が潰されて、倒れたストーブを消す人がいない場合。つまり人は潰されさえしなければ、揺れがおさまったあと火を消しに行けるんだよ。潰されさえしなければ。

避難経路の確保も火の始末ももちろん大切さ。それは否定していない。しかしそれらは2番めに重要なことで1番じゃあない。1番大切なのは、人が潰されないこと。なぜなら潰されなければその後避難経路を確保したり火を消すことはできるから。問題なのは2番目を優先してしまうことで、自分が潰されるリスクを増してしまうこと。とにかく揺れ始めてから揺れが収まるまでの数十秒は第一優先で三角形!!



そういう会話を東端でしていた20分後、西の端が大きく揺れたのでした。本当に地面の揺れとは、忘れた頃にやって来るのでした。
改めて被害に遭われた方々にお見舞い申し上げます。


おひさま、ありがとうございます。


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胸騒ぎアンテナについての備忘録。前編。

2016-04-14 10:15:46 | まるぞう経営学

危機察知についての備忘録です。

今週の月曜の社内会議で私はAppleの証明書問題はどうなっているか担当者に聞きました。担当者は、もう証明書の発行もできていますから今日明日中には差し替えられます。と報告します。そうか、火曜に上がるなら何とか間に合うな。私はホッとしました。

ある特殊なiPhoneアプリだとApple契約と一年毎に契約した証明書が必要です。本当はもっと複雑でサーバの証明書の設定やら間に入る他の会社やらあるのですが、この記事では端折ります。正確に言うといろいろ違うのですが、簡単に言うと、そのAppleの証明書が切れると、まるぞう会社と契約している数百名のユーザーが、突然うちのiPhoneアプリが使えなくなってしまうのでした。

そしてこの証明書は期限切れになる1ヶ月前に管理者である私に通知が来ます。今回は初めての更新であったので担当者に確認するのですが、誰にきいても要領が得ません。それはAさんです。いやいやB社のCさんです。じゃなくてDさんが更新権限持ってます。ようやく新しい証明書を発行するのに3週間かかりました。証明書差し替えにあと一週間しかありません。

このお客さんは実は数週間前から小さな問題が散発していました。どれも軽度な問題だったので誰も問題にしていませんでしたが、私は漠然としたきな臭さを感じていました。日頃地震が起きない地域で小さな群発地震が多発しているきな臭さです。

さて水曜のお昼です。私は公園でお弁当を食べながらふとこの証明書の問題が気になりました。オフィス街のこの公園は、お弁当を食べるサラリーマンやOLがお昼休みを過ごしています。
私は曇り空の下で、証明書のことを考えていました。月曜の報告では昨日の火曜で差し替えが終了しているはずだよな。でも完了報告きてないな。お弁当を食べ終わると私はお弁当箱をリュックにしまい公園を後にしました。
午後一は 別のプロジェクトで違うお客さんの会社で打ち合わせです。私の部下とビルの下で待ち合わせです。私は彼に進捗を聞きました。部下は答えます。

まるぞうさん、それがですねえ。まだ終わってないのですよ。
ええ?でも火曜に終わるはずでしょ。
はい、それがまだサーバもうまく動いてなくて。
え?だってそのサーバってもううちじゃ何十回もやった作業なんでしょ?普通なら一日で終わる作業でしょ?
はい。
月曜に終わる作業、最悪でも火曜に終わるはずの作業、それが水曜の今、まだ前提のサーバさえ立ってないってどうして報告しないのさ~。
すみません、でもおそらく今日中にはできると思います。
違うでしょ。あなたが言ってるのは準備が整うのが今日中ってことで、一番問題でうちの会社でだれもまだやったことのない、証明書差し替えの試行錯誤は、まだそれからやるってことでしょ。
はい。
じゃあさ、聞くけど今回のこの作業の最悪想定って何さ。
それは練習なくぶっつけ本番の差し替え作業になることです。
違うよ~。一番の最悪は結局うちの作業が失敗して、お得意さんの数百人が一週間以上うちのアプリが使えなくなることだよ~!

私があまりにも大声を出したので、ビルの前を行き来する人たちが私たちをジロジロ見ます。
これはプログラマなりIT技術者の陥りやすい罠でした。左官工事なら工事の進捗が進んでいないのは誰でもわかります。しかしITの仕事は、傍目には進捗がわかりづらいのです。技術者が夜遅くまでパソコンに向かっていることしか見えません。そして技術者はプライドがあるため、自分が同じ場所を堂々めぐりしていることを上司に隠そうとします。もう一周、一巡したら、ひょっとしたら正しい道がひょっこり出てくるかも。そういう淡い期待のもと、同じ場所をグルグル回る傾向があります。何時間でも。何日でも。それは遭難者の心理と同じです。

そして技術者たちの行き詰まりを見抜いて、彼らをサルベージするのが私の役割です。果たして今回は間に合うのでしょうか。

私が今置かれている状況で、知っているのは、今自分達が樹海にいることだけでした。予定では昨日、目的地に着いているはずが、まだ森からすら抜けていないということでした。
部下に、いつも森から出られるの?と聞くと、
もう3日も迷ってますからねえ。もうそろそろ出られると想うんですけどねえ。と答えます。
きちんと期日までに目的地にたどり着けるの?と聞くと、
そうですねえ。まあ、森から抜けられたらあとはそんなに時間がかからないと思うんですけど。と答えます。
期日に間に合わなあったらどうするの?
そうですねえ。流石に月曜から迷ってるわけですから、金曜には着かないといけないですねえ。

そういう問答です。
いくつかの兆候がありながら、それを見落として遭難まっしぐらの未来が観えます。人生の災難とは突然やってくるものは実は少ないかもしれません。その多くはきちんとサインを私達に示してくれているのではないでしょうか。



つづく



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お金を頂くことの本質。

2016-04-13 10:19:38 | まるぞう経営学

お金を稼ぐ意味は人それぞれでありましょう。この記事は私の会社の仕事における個人的な感想です。

それは、私がこのIT業界に入った頃の話です。検索プログラムをうちのお客さんのシステムに導入することになりました。その頃はうちの会社はデザイナー数人だけでプログラマはおりません。そのため検索プログラムを作ってくれる人を探していました。そして運良くあるプログラマさんと知り合いました。彼は個人のフリーランスのプログラマでした。

彼の検索プログラムは無料で公開されていました。Googleなどとはまた異なるある特殊用途に特化したプログラムでした。
彼に、その検索プログラムをうちの会社に使わせて貰いたい。と頼みました。彼は快諾してくれました。ソースコードとともに50万円でいい。といいました。その頃の私でもソースコードの開示がどれだけの意味を持つか知っていました。
ええ?そんなに安くていいのですか。
はい。50万でいいです。好きに改変して商売に使ってくれていいです。ただサポートなしです。サポートするなら500万円です。

私は初めてプログラムのサポート費用というのが本当は高額であることを知りました。この天才肌のプログラマにとって、自分の好きな新しいプログラムを開発するのは趣味であり楽しみであります。ですから過去の作品を売るのは別にお小遣い稼ぎで充分なのでした。しかしサポートは別です。それは苦行にしか過ぎません。彼は受けたくないので法外な価格を提示したのでした。



現在うちの会社においても毎日たくさんの問い合わせを受けます。このユーザーサポートとは半分はクレーム処理です。毎日たくさんのクレーム処理をさばいていると、時々上記の彼のことを思い出します。モノを創るのは苦労もあるが楽しい仕事だな。しかし売ったあとのクレーム処理やサポート処理は本当に大変だ。彼が自分のソースコードの10倍の値段を付けたわけだ。

しかしまた同時にこうも思います。このサポートやクレーム処理にこそうちの会社がお金を稼げるポイントがあるのではないだろうか。
なぜなら同業の仲間たちに聞くとみなこのような答えが返ってくるからです。
本当サポート処理クレーム処理こそが一番のお荷物だよ。この間うちのサポート部門に問い合わせ棚卸しをしたら、3割が無回答のまま放置されていたよ。みんなやりたがらないでたらい回しになる。



新商品新サービスの立ち上げは華やかです。しかしクレーム処理は地味な仕事です。手間ばかりかかって、すぐにはお金に結びつかないのでどの会社も敬遠しがちです。クレーム処理の大変な点はその本質が怒りの伝播であるからです。お客さんの怒りを解いて放すのがサポート部門であるため、この仕事が大変なのでした。

誰もやりたがらない仕事、他人の怒りを受けて解いて放す仕事。ということはそれはお客さんからお金を払う価値のある仕事であるということです。
かつてCoCo壱番屋の社長は、毎朝五時に出社して、午前中かけて全国から寄せられた苦情ハガキを読むのが日課だったそうです。苦労人の彼は知っていたのでした。誰もが敬遠するお客さんからの苦情にこそ、自分が人様からお金を頂ける商売のヒントがあることを。

昨日のブラック企業の件もそうです。本日のクレーム・サポートの件もそうです。それらの仕事に共通する本質は、他者から自分に向けられる恐怖や怒りを受け止めて解いて放つことであるかもしれません。ということはお金儲けのルールとは、魂の修行の本質と非常に重なっているようにおもわれます。そして偶然ではないかもしれません。



おひさま、ありがとうございます。



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あの会社はなぜブラックになるのか。後編。

2016-04-12 09:54:01 | まるぞう経営学

私の大学時代の後輩はブラック営業に就職しました。毎月月末は営業マンは一列に並べられて、成績の悪い営業マンはグーで殴られる社風だったそうです。しかし彼は数ヶ月でその会社を辞めてしまいました。入社して数ヶ月でありましたが、別の会社に引きぬかれたのでした。ブラック会社とは縁があるうちは逃げよう逃げようとしても逃げられませんが、縁がない場合はこのようにあっさりと離れられるものなのかもしれません。

私もいろいろな社会経験を通して感じますのは、ブラック会社の根底にあるのは恐怖の支配であるということです。とにかく会社側は、社員が営業ノルマを達成しないと暴力やパワハラで圧力をかけます。そしてその圧力が非常に強いので、多くの社員を乞食営業にさせてしまうのです。



しかしながら営業とは、その本質は「与える」ことです。乞食とは正反対真逆です。その会社のプロフェッショナルな仕事や、その営業マンの知識。そしてプロの誠意。困っている人にアドバイスしてあげたいという思いやり。そういう「与える」という姿勢が、本人の営業マンという土壌を耕していきます。
優秀な営業マンとは、人を「この人と仕事したい」と思わせる空気を持ちます。その空気とはなんぞや。それは「与える」空気でありました。本人がブラックのプレッシャーを乗り切り、人に与えることができる意志力の蓄積が、本人にそういう空気をまとわせているのでした。

そう、ブラックな企業ではその「与える」空気の醸成が難しいのです。そもそも上司たちは自分がそのようなブラック企業で生き残って来ました。だから部下たちもそのように育てます。営業の売り上げが悪いのは自分のプレッシャーのかけ方が悪いと思い、自分がかつてやられたように圧力をかけます。あるい受注したプロジェクトにおいても事前に準備したり調査することが軽んじられる土壌です。取り敢えずぶっつけ本番で臨み、炎上してから徹夜で乗り切るスタイルです。毎日毎日、炎上案件の徹夜火消しでありますから、次のプロジェクトは事前に準備する時間はありません。こうして負のスパイラルにはまっていきます。心の余裕のなさがその会社全体をますますブラックにして行きます。
営業マンは身を守るために、そして会社は会社を守るために、各案件のプロジェクトにおいても最悪を想定することが第一の仕事になるべきです。しかしブラック会社が社員たちを徹夜で仕事させる火消しが仕事と勘違いしておりますから、事前に調査想定することがないがしろにされているように思われます。みなが締め切りにに追われているなんておかしいです。それは事前の準備を誰もしていないぶっつけ本番ばかりの仕事のやり方なのかもしれません。
ブラック会社は営業の売上ノルマも段取りの悪さも、全て会社からの恐怖心でカバーさせるという会社のことです。



もちろんこれらのブラック企業の場合、暴力が行われたり度を過ぎた違法行為を強制する場合は、労働基準局への相談をすべきと思います。しかし、自分の中で昇華するべきものが残っている限りは、その会社で頑張る必要があることも多いように思います。

その昇華とは。営業さんの場合は、恐怖の圧力に打ち勝って、相手に与えられる姿勢を持てるか。という労力が昇華です。
私も経営者の端くれなので、最大の恐怖はやはり資金ショートです。夜でも嫌な冷や汗で眠れないこともしばしばです。そんな恐怖ではもう心は負けて奴隷営業でも何でもしたくなります。欲しい、欲しい、頂戴、頂戴。お金くれるのなら何でもします。値引きします。あの仕事もこの仕事もタダでします。支払いは半年後でも構いません。土下座します。靴舐めます。何でもいいからお金ください。発注してください。そういう奴隷になってしまいます。

しかし私もわかったことがあります。この奴隷根性は営業では逆効果だということです。自分が奴隷になるほどにお客は逆に警戒して離れます。あるいは奪われないようにという警戒本能から、更に厳しい条件を突きつけてくるだけです。

だから営業マンはどんなに恐怖に晒されても決して自分自身を奴隷にしてはいけないのでした。自分自身は、お客さんにどういうプロフェッショナルを与えることができるか。それは恐怖心に打ち勝つ自分自身との闘いでありました。結局。



上司や会社が自分に突きつけてくる恐怖から逃げるのではなく、あああのコワモテの上司も内心は怖いのだ怯えているのだ。そのように理解し、腹を括って丸呑みしたあと、自分はお客さんに与えられるかどうか。今この瞬間。この場所が、結局自分にとって一番最適な勝負場所ということでありました。

そしてこの場所でこの勝負(昇華)をクリアしたならば、自然と別の土俵へと移ることになります。また次の土俵で、また別の自分との勝負に挑戦することになります。

おわり



おひさま、ありがとうございます。
(本日は中潮ですね)



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なぜその会社はブラックになるのか。中編。

2016-04-11 09:48:37 | まるぞう経営学

このブラック販売代理店A社さんを経由する案件は、後で揉めるケースがとても多いのでした。揉めて私が直接お客さんのところで話を聞くと結局それはそれほど大きな問題ではありません。しかしA社の営業さんを経由すると、お客さんはカンカンに怒ってる。だから値段を半額にしろ。そのように我々に伝わってきます。

なぜA社の営業さんたちを経由すると、なぜ案件がブラック化してしまうのか。よくよく観察すると彼らがお客さんから「得よう」「得よう」としているからでした。え~と言葉は悪いのですが、彼らが乞食根性(A社営業さんたちゴメンね)で仕事をしていたからでした。
人間とは必ず行為が相手に反射します。乞食でめぐんでめぐんでと接してくれば、相手はとたんに惜しくなります。そういう反射になります。

なぜA社営業さんたちの案件が、クレーマー案件、不払い案件になるかというと、彼らの乞食根性(ゴメンね)が原因でした。そしてその乞食根性の原因は、目先の厳しい営業ノルマにありました。彼らのそういう社風が営業マンを乞食にしていたのでした。



人からお金を頂くというのは、こちらのプロフェッショナルな技をお客さんに提供する結果であります。ああ、あの会社にお願いしたら、きっと今困っていることを解決してくれるだろうな。これから困ることがあっても解決してくれるだろうな。そう思った時、私たちお客はその会社にお金を払います。

私の会社は無名でありますがWebの技術に関しては業界トップである自信があります。もしうちの会社に相談してくれれば、ああいう解決も提供できます。こういう対応も提供できます。どうしますか?契約いたしますか?こちらは、もちろん契約して頂けるととても嬉しいですが、でもどちらでも良いですよ。ただ私の技術はどこにもひけをとることはありません。

その態度がお客さんを惹きつけるんじゃないかと思います。私たちもようやく最近それがわかってきました。
そして私たちは自分たちの技術だけでなく、既存のお客さんに対する誠意にも自信があります。自分の良心にウソをつけないのと同様に、既存のお客さんへの誠意も自分の中で誤魔化せません。目先に儲かるではなく、目の前の困っているお客さんを再優先で手助けできるか。その自信が私たちの周囲の空気となっています。その空気がお客さんに安心を与えます。ということらしいので、そこが頑張りどころなのでありました。
もしお客さんが必要としてる一番良い解決方法が、他社製品であるのなら、残念ではありますが、その場合は他社製品がおそらく一番良い解決方法だと思います。と告げます。自分の会社の製品を売ることより、相手への一番の解決方法を提案できるかが、(私の心の中の)本当の営業道ではそれが優先されるからです。一見遠回りのようですが、それが自分自身の空気(雰囲気=自信)を耕していることになります。



しかし残念ながらA社営業さんは違います。うちを買って頂いても、他所を選んで頂いても結構ですよ。という自信に満ちた態度がとれません。それはなぜか。それは彼自身がお客さんに与えるものが圧倒的に少ないからです。彼らの本心がそれを知っているからです。自分は与えるものは少ない。しかし相手からたくさん貰いたい。その心根が自分自身を乞食におとしめてしまうのです。

自分はお客さんに与えているものがたくさんある。という自信があれば、乞食にはなりません。それは見せかけの表面上の態度や営業テクニックなんかではなく、その人その営業マンの日頃の日常生活のストイックな生き方の集大成なのでした。
本当の成績の良い営業マンほど、一見話下手で朴訥としている人が多い理由であるかもしれません。


つづく



おひさま、ありがとうございます。
(本日な中潮ですね)



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なぜその会社はブラックになるのか。前編。

2016-04-10 11:05:20 | まるぞう経営学

ブラック企業という言葉があります。うちのまるぞう株式会社がお付き合いしているA社さんは、間違いなくブラック企業に入るでしょう。
IT業界であっても、うちの会社がお付き合いしているB社さんC社さんなどなどを見ても、紳士的な企業も多いですよ。しかしA社さんだけは残念ながらそうではありません。

なぜA社がブラックかというと、A社の仕事の仕方が(言葉は悪いのですが)奴隷商売であるからです。
奴隷商売とは、売るためにはお客さんの言うことは全て言うことを聞かなければならない。という営業スタイルのことです。
A社さんは奴隷商売が会社全体の社風となっているのでした。残念ながら。

営業とはお客さんに誠意を見せることです。その誠意に対してお客さんがお金を払おう。と思ってもらえることです。なぜなら誠意(真心)を見せられるというのは誰でも嬉しいものです。だからその誠意の対価として、その真心の対価としてお金を払おうと思うのです。

しかし営業の仕事とは乞食ではありませんから、一線を超えるとお客さんに対してきちんと「NO」と言えなければなりません。最大の誠意は見せながら、きちんと「NO」と言えること。
営業を体験した方ならこれが結構難しいことはおわかりになるかと思います。そしてその線引きはどこにあるのでしょう。


私は学生時代にカーディーラーのアルバイトをしたことがあります。主にお客さんの車を洗車したり、商談中のお客さんにお茶を運んだりします。ノルマのない気楽なアルバイトでした。
しかし先輩営業マンたちは厳しいノルマを抱えて、大変な仕事でした。
月末は夜営業店に帰って来れない営業マンも何名もおります。今月のノルマは5台とします。まだ2台しか売れません。31日の今日一日で3台売れるなんてことはありえません。朝からお客さんを回っても売れません。そしてもう時間は夜9時を過ぎています。こんなに遅くなってはもう回るお客さんもいません。
本人も諦めているのですが、店長が残っている間はお店には帰りづらいです。営業所の灯りが消えたら、こっそり戻ろうと、営業店の回りをグルグル回ります。しかし店長も絶対に帰りません。
店長も今日一日で彼が3台も売れるとは思っていません。彼が店長を逃げているのを知っています。
だから店長も残っています。深夜遅くまで。毎月月末はこの根比べが続きます。営業ノルマのプレッシャーとはかくのごとく厳しいものです。


そう。営業のノルマは本当に厳しいです。もうこのノルマを果たすためなら、何だってしてもいいと思います。土下座して売れるなら安いものです。お客さんの靴を舐めて売れるなら簡単です。そのように営業マンは追いつめられいくのです。

そしてこれが奴隷営業の始まりとなります。上司たちが奴隷営業の成功体験しかないと、その会社の営業社風がそのようになってしまいます。俺たちは奴隷でノルマをこなしてきた。だからお前たちも奴隷になれ~。


奴隷営業が間違っているのは、それが人間の尊厳を踏み潰すからです。そしてなぜそんなことが起きるかと観察していくと、ノルマの厳しさに負けて、営業マンが近視的にお客さんから「もらおう」「うばおう」とすることしか考えなくなってしまうからです。


つづく
(本日は中潮ですね)



おひさま、ありがとうございます。




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分岐点。後編。

2016-04-07 10:11:19 | まるぞう経営学

このA社への対応でどうするか。私には二つの未来が観えました。(ただしそれは予知能力という見えない世界の力ではなく、私の苦い人生経験の蓄積が生み出した脳内妄想のお話です。)

一つの未来はこうでした。私はもう完全にへそを曲げてしまってますから、打ち合わせにはごねて出席しません。あるいは部下に出席させて自分は出席しません。A社との仕事も義務的に意地悪く進めます。もともと社内の風通しも段取りも悪いA社です。責任を取ったが負けという社風です。人に押し付けた方が勝ちという社風です。大企業であってもメインから外れた部署はそうなることは良くあります。珍しいことではありません。そんな相手にこちらも正論を通してゴネれば、プロジェクトは滞るでしょう。誰も泥を被ろうとしないのですから。A社が泥をかぶらない限り、私だって泥をかぶりません。そう決めた私がいます。

この未来の続きも観えました。マンションのオーナー会社◯ビルさんが結局一番困ることとなっていました。それは、まるぞう会社を買ってくれていた担当者さんの落胆するシーンでした。◯◯建設と□□設計事務所の担当者が、まるぞうがへそを曲げてプロジェクトが滞っている。という報告をしています。
私はA社が悪いから、進まないんだと主張してゴネていたのですが、報告がお客さんのところに届くころは、私が問題児になっていました。私を一番信頼していた人を落胆することになっていました。
その未来の私は気づいていませんでした。なぜ◯ビルさんが無名のまるぞう会社を気に入ってくれていたか。それは、技術力のある親分や職人たちがフットワーク良く動いてくれていたからでした。そうですか、しょうがないなあ、分かりました。来週頭には仕上げましょう。とうちの会社が請けあってくれたからでした。うちの会社は、◯ビルさんが今まで付き合っていた大手の建設会社とは全く異なっておりました。だからうちを贔屓にしてくれていたのでした。
しかしいまや、まるぞう会社も他の大手の建設会社と同じで、責任を相手に引かせるババ抜きしています。そんな会社なら他にもたくさんあります。別にまるぞう会社でなくても良いです。

さてその続きの未来も観えます。はっきりしているのは、◯ビルさんの落胆とその後の契約の自然消滅でした。駐車場の防犯プロジェクトは、大幅に工期が遅れ、追加予算も発生した上、結局当初の予定の半分の性能も実現できませんでした。もし私が泥をかぶれば、すべて対応できていたことでした。
そして契約済みの保守契約期間が終了したあと◯ビルからの更新はありませんでした。

それに続く未来は、あまり書きたくありません。それはやはり再度の資金繰り難の未来に繋がっています。資金難は◯ビルさんの保守更新の打ち切りだけではありません。その時点で進めていた複数の大型案件が消えてしまっていたからでした。消えた理由はさまざまです。プロジェクト凍結、または来期に延期、または競合他社に負けて失注。それぞれの事情は異なりますが、頼みの綱としていた案件が消えていました。それと同時に既存のお客さんからのクレーム処理に追われる自分や社員たちも観えます。
うちの会社は、創業期からそうなのですが、私が傲慢になると、半年から一年で資金難になります。それは不思議です。小さい会社だからでしょうか。反射がとても早いのです。同じ危機は何回目でしょう。なぜまるぞうは同じ失敗を繰り返しながら学ばないのでしょうか。



さて現在の分岐点から、もう一つの未来も観えます。もう一つの未来とは、根気強くA社のたらい回しに付き合う私でした。しかし不思議なことに、その未来では、その後A社の対応が変化していたことでした。
不思議ですがA社とのトラブルは前回が最後でした。彼らのたらい回し無責任対応を、もう受けるしかないな。と腹を括った次の未来は、なぜかもうA社とのトラブルは未来には観えないのです。相手が変わったのかこちらが変わったのか、それは等価なので区別がつつかないということです。ただA社とのトラブルは未来では起きていないのでした。

それに続く未来は、この駐車場防犯プロジェクトのあとも、しょうがないなあ。分かりました。と、◯ビルさんの次のプロジェクトの図面を嬉々として描いている私の姿でした。他のお客さんからも、小さい案件ですが途切れていないようで、忙しいながらも会社の資金は何とか回っているようでした。

それに続く未来は楽しみです。他の大手のビルにまるぞう会社の防犯システムが全国的に採用されています。商品名は今と違いますから、多分5年とか10年先のようです。あの◯ビルの担当者さんが、セミナーみたいな会場で、大勢の聴衆を前に講演しています。後ろの関係者席に私も座っているので、うちの無名のアイデアが、いろいろなところで採用されているみたいです。



さて今私は分岐点にいます。私はロボットでありましたから、それがわかっていても99%の確率で前者の「今までと同じパターンの人生」を選んでしまうのでした。何回同じ失敗しても、やはり脊髄反射をしてまた同じ境遇を作り出してしまうのでした。


人生のどの瞬間においても、この瞬間が、まさに分岐点なのでありました。と、このブログの記事は私に伝えます。


おわり。




おひさま、ありがとうございます。
(本日は新月週間ですね)



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