まるぞう備忘録

無題のドキュメント

お金を頂くことの本質。

2016-04-13 10:19:38 | まるぞう経営学

お金を稼ぐ意味は人それぞれでありましょう。この記事は私の会社の仕事における個人的な感想です。

それは、私がこのIT業界に入った頃の話です。検索プログラムをうちのお客さんのシステムに導入することになりました。その頃はうちの会社はデザイナー数人だけでプログラマはおりません。そのため検索プログラムを作ってくれる人を探していました。そして運良くあるプログラマさんと知り合いました。彼は個人のフリーランスのプログラマでした。

彼の検索プログラムは無料で公開されていました。Googleなどとはまた異なるある特殊用途に特化したプログラムでした。
彼に、その検索プログラムをうちの会社に使わせて貰いたい。と頼みました。彼は快諾してくれました。ソースコードとともに50万円でいい。といいました。その頃の私でもソースコードの開示がどれだけの意味を持つか知っていました。
ええ?そんなに安くていいのですか。
はい。50万でいいです。好きに改変して商売に使ってくれていいです。ただサポートなしです。サポートするなら500万円です。

私は初めてプログラムのサポート費用というのが本当は高額であることを知りました。この天才肌のプログラマにとって、自分の好きな新しいプログラムを開発するのは趣味であり楽しみであります。ですから過去の作品を売るのは別にお小遣い稼ぎで充分なのでした。しかしサポートは別です。それは苦行にしか過ぎません。彼は受けたくないので法外な価格を提示したのでした。



現在うちの会社においても毎日たくさんの問い合わせを受けます。このユーザーサポートとは半分はクレーム処理です。毎日たくさんのクレーム処理をさばいていると、時々上記の彼のことを思い出します。モノを創るのは苦労もあるが楽しい仕事だな。しかし売ったあとのクレーム処理やサポート処理は本当に大変だ。彼が自分のソースコードの10倍の値段を付けたわけだ。

しかしまた同時にこうも思います。このサポートやクレーム処理にこそうちの会社がお金を稼げるポイントがあるのではないだろうか。
なぜなら同業の仲間たちに聞くとみなこのような答えが返ってくるからです。
本当サポート処理クレーム処理こそが一番のお荷物だよ。この間うちのサポート部門に問い合わせ棚卸しをしたら、3割が無回答のまま放置されていたよ。みんなやりたがらないでたらい回しになる。



新商品新サービスの立ち上げは華やかです。しかしクレーム処理は地味な仕事です。手間ばかりかかって、すぐにはお金に結びつかないのでどの会社も敬遠しがちです。クレーム処理の大変な点はその本質が怒りの伝播であるからです。お客さんの怒りを解いて放すのがサポート部門であるため、この仕事が大変なのでした。

誰もやりたがらない仕事、他人の怒りを受けて解いて放す仕事。ということはそれはお客さんからお金を払う価値のある仕事であるということです。
かつてCoCo壱番屋の社長は、毎朝五時に出社して、午前中かけて全国から寄せられた苦情ハガキを読むのが日課だったそうです。苦労人の彼は知っていたのでした。誰もが敬遠するお客さんからの苦情にこそ、自分が人様からお金を頂ける商売のヒントがあることを。

昨日のブラック企業の件もそうです。本日のクレーム・サポートの件もそうです。それらの仕事に共通する本質は、他者から自分に向けられる恐怖や怒りを受け止めて解いて放つことであるかもしれません。ということはお金儲けのルールとは、魂の修行の本質と非常に重なっているようにおもわれます。そして偶然ではないかもしれません。



おひさま、ありがとうございます。



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1 コメント

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お金を頂くこと (あさまる)
2016-04-13 11:17:26
初めてコメント致します、いつも面白い記事ありがとうございます。
私は飲食業に携わっているのですが
以前のまるぞう様の記事を読んで以来
バナナの果肉についた白い筋をむくとき、この手間こそが大切で価値があるんだよなぁ~としみじみ思いつつムキムキしてます(^_^)
最近のロボット反射の記事も、改めて自分の日々の腹立ちの原因を見つめると
ほぼ10割ロボット反射でした……トホホ。
お仕事忙しいところ日々の更新ありがとうございますm(_ _)m季節の変わり目お身体ご自愛下さいね。

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