さて塩漬けが一週間過ぎました。
いよいよ塩抜き→風乾→燻製と一気に進みます。
塩漬け肉はタライにお水をはって一晩(6~8時間)置きます。
このとき水道のお水をほんの少しだけチョロチョロ流します。
水の音が気になる人は蛇口からヒモをたらして水を添わせるなど工夫してください。
燻製は3時間かかるので休日に行う作業となります。
そうすると塩抜きは休日の前の晩ということになります。
しかし休日の前の晩は飲み会があることが多く、しょっしゅう塩抜きを忘れて酔っ払って寝てしまいます。^^;
塩抜き自体は簡単な工程ですが、寝る前に仕込むのを忘れてないようにすることが難しいです。^^;
休日前に塩抜きを忘れると、燻製は平日できないので、また一週間塩漬けが延長となります。^^;
こんな一晩かけて塩抜きするくらいなら、最初から塩漬けの塩の量を減らせばいいじゃないか。そのように思う方もいるかもしれません。
しかし少ない塩の量だとお肉ブロックの中まで塩が行き渡らないのです。
時間をかけて少しずつお塩をお肉の中まで染み渡らせたあと、今度は時間をかけて少しずつ不要な塩を抜くという工程がどうしても必要なのです。
翌朝、塩抜きが終わったブロック肉はキッチンペーパーで良く水気をきって乾かします。
お肉に竹串をさしてその竹串を洗濯バサミで挟みます。
直射日光があたらない風通しの良い場所で数時間~半日。
燻製は3時間かかりますから、台所を占拠できる時間から逆算します。
我が家の場合は夕方6時からは夕飯の用意をしなくてはなりませんから、ガスコンロを開けなければなりません。
そうなると燻製時間は午後3時~午後6時くらいとなります。
従って朝から午後3時くらいまでが風乾の時間帯ですね。
洗濯物と同じです。
お肉を触って表面が乾燥した感じであれば結構です。
お天気が悪い場合は、冷蔵庫に入れて乾燥させても良いです。
この間にスモークチップを用意します。
我が家は子供が小さい頃はアウトドアでバーベーキューをしていました。
その頃は薪として河原の桜の枝を良く拾っていました。
このため我が家には桜の枯れ枝が一ケースほどあるのです。
もう最近はバーベーキューもめっきりしなくなったため、何年も物置に保管されたままです。
この桜の古枝をスモークチップとして使っています。
といっても単純に鉋(かんな)をひっくり返してかつお節のように削るだけです。
この古枝はもう5年以上前のものですから311の以前に拾ったものです。
ですから今の時期に古枝を拾ってお使いになる方は、空気公害をさけるため表面の木の皮は鉋で剥いてお使い頂いた方が良いかもしれません。
もちろんこんな面倒くさいことをしないでお店で買ったスモークチップを使って頂いて結構です。
お待たせしました。
これが自家製燻製器です。
中華鍋にスモークチップをスプーン大盛り3杯(軽く手のひら一杯)ほど入れます。
(アルミホイルを敷いておくとお掃除が楽です)
その上に魚焼き網を載せます。
次に乾燥させた塩漬け豚バラブロックを網に載せます。
そしてステンレスのボウルをひっくり返して蓋をします。
この燻製器では別に密閉する必要はありません。
低温ローストチキンでも説明しましたが、お肉料理に最適なのは70℃で長時間じっくり調理することです。
この燻製もそうです。
ステンレスのボウルと網と中華鍋の間に隙間があるので、ボウルの中は常に70℃前後に保たれるということが重要です。
さて火加減はだいたい弱火くらいです。
5分~10分するとスモークチップに火がつき始めます。
しかし中華鍋には酸素が少ないので(二酸化炭素の方が重いので下に沈むためです)焚き火のようにはボウボウとは燃えはじめません。
お線香のように赤い点の炎が何箇所かポツポツと現れはじめます。
そして煙がモクモクと出てステンレスボウルから少しはみ出しはじめます。
この状態が最高の状態です。
当然コンロの上の換気扇はフル回転です。
この換気扇のおかげで部屋の中で燻製を行っているにもかかわらず匂いはこもらずにすみます。
さて煙の量とチップの残りとボウルの温度を観察しながら、火加減をこまめに調整します。
コンロの前に3時間張り付いている必要はありませんが、火を付けながら長時間部屋から出ることは厳禁です。
万が一のことがありますからね。
ステンレスのボウルをちょんちょんと触ってみてください。
あちち、というくらいの温度なら大丈夫です。
しかしもし触っていられるぐらいなら温度が低いです。
お肉の中心が70℃になりません。
その場合はコンロの火を少しだけ強めてください。
逆に煙がもくもく大量に出ているときは火が強すぎるかもしれません。
ボウルからはみ出た煙は燻製には役に立たないのです。
大量の煙はやはり部屋にこもりますし、チップが無駄に消費してもったいないです。
その場合はコンロの火を少しだけ弱めてください。
このようにステンレスのボウルの熱さと煙の量でコンロの火加減を微妙に調整します。
さて30分くらいするとステンレスボウルは充分熱いのに、もう中華鍋から煙が出ないという状態になります。
これはチップが全部燃え尽きたということです。
ここでまたチップをスプーン3杯ほど中華鍋に足します。
チップをこまめに足すには理由があります。
それは、いっぺんに大量のチップをいれると煙の量も大量になるからです。
ですから30分おきくらいの間隔で少しずつチップを補充するのが一番良いバランスのようです。
まああまり神経質になる必要はありません。
いつも少しずつチョロチョロと煙がステンレスボウルからはみ出てくるバランスが保てるように試行錯誤してみてください。
塩漬けして風乾したブロック肉です。
スモークがなくても70℃で3時間温燻しただけで保存食として美味しいです。
スモークの部分は風味づけですから、煙の調整は楽しんで行ってください。
しばらくするとブロック肉から脂がチップに垂れ始めます。
お鍋からジュウッ、ジュウッ、と音がします。
余分な脂がいぶされて落ちる音です。
この音が聞こえると、美味しいベーコンが出来始めていますよ。という合図です。(^^)
そうそう、3時間のうち1回くらいはブロック肉の上下を入れ替えてください。
煙がまんべんなくお肉に回るようにです。
こうして煙に燻され塩漬けお肉がベーコンになりました。
味が落ち着くのに一晩ほどおいてください。
無添加手作りの健康ベーコンが仕上がりました。
噛みしめるとスモークの香りと豚肉の旨味が口に広がります。
おわり
追伸
今年も読者の皆様に支えられた一年でありました。
ありがとうございます。
みなさまも、良いお年をお迎えください。
上記は静止衛星軌道上で観測される太陽からの電子密度グラフです。急な変動がある場合は地震や事故に備えて防災意識を心掛けましょう。特に注意が必要な期間は、メールやTwitterで防災意識リマインダーを受け取ることができます。詳しくはこちら。
おひさま、ありがとうございます。