ロマンスが咲きます桜トンネルに
山鳩暮風
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すみません、いつもの落選の投稿作品です。
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桜が咲き出すとそこが長い長い桜トンネルになります。明るいほんのりした光の中を歩きます。
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途中にベンチが置かれています。そこに腰掛けます。休憩をします。花蜜を吸いに来た小鳥の声を聞きます。
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わたしは此処でロマンスを咲かせます。咲かせるだけの条件は整っています。うつくしい女の人がやさしい眼差しをして、そこにいてくれれば万事目出度く完了します。
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空想でいいのです。ほんものは面倒です。「あなたは美しい」を言うのは面倒です。わたしはただじっとして見詰めていればいいのです。そうすればわたしはほのかな麗しいロマンスに満たされます。
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讃美して讃美して生きていられることの幸福。桜を讃美して、桜のトンネルを讃美して、美しい空想のロマンスをしていられることを讃美して、廻って来た春を讃美します。これでももう十分です。
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