朗らかに徹して茄子の実が太る

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朗らかに徹して茄子の実が太る

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これはこのお爺さんが、新聞の読者文芸欄に投稿した俳句。今朝の新聞を開いたら、この句が入選していた。入選なんて滅多に滅多にないことなので、にたりにたりした。

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いろいろいろいろあるけど、でも、でも、朗らかにしている。さまざまな条件をクリアーして、朗らかにしようとしている茄子の植物。

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夏の太陽が照りつける。お爺さんは、照りつける太陽を避けてしまうが、茄子はこれをじっと受け止める。そして太る。青紫色を深く豊かにする。それを嬉しがって、いまにも笑い出しそうにしている。

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朗らかに生きることができる。植物の茄子には敵わないと思う。

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朗らかにいきられる条件が満ちているから、だから、朗らかにして生きているのかもしれないけれど、そうではなくて、われわれ人間界と同様に、条件が整わないことだってあるのかもしれないのに。それでも。

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しかし、植物界の茄子が畑で朗らかに健康にしているというだけで、この世に生きるわれわれも勇気が湧いてくる。