形見とて何か残さむ 春は花夏ほととぎす秋はもみじ葉
良寛禅師 辞世の歌。
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わたしがここに生きていたことを残しておきたい気持ちが動くけれども、詮無いことだなあ。
わたしがこの世に残すものなんて何もない。なくていいんだろう。わたしが力まなくともよかったんだ。安心した。
わたしがわたしを残さなくとも、春には美しい花が美しく咲いて地上を飾る。
夏にはホトトギスが戻って来て賑わいを取り戻す。秋になれば全山が紅葉して、うっとりうっとり赤くなる。
地上は仏国土のままだ。これ以上を人が求めることもなかろう。
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