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ふ、この満足感、この充足感はなんだろう。他愛ないが、畑に出て、農作業をしたことで、満たされたのである。金になった作業でもない。取るに足らないことなのである。それで、「ああ、今日は働いたぞ」に行き着いたのである。これだけ働いたのなら、夕食をおいしく食べる権利ができた、とすら思ってしまうのである。たぶん、一段落目に、夕暮れになったということが、それをそうせしめる雰囲気を醸し出したのだろう。どうして、しかし、こんなにも簡単にこの落ち着きへ辿り着いたのだろう。分からない。日頃いかなる種類の貢献をもしていない老人の、その場限りの逆上(のぼ)せなのかもしれない。
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