友人がひょいと尋ねて来た。中学校時代の仲間だ。さっそく上がってもらった。元気にしている仲間、病気をしている仲間の話になった。朝、焼き上げた焼き芋を食べてもらった。この芋がほっそりしているのである。お店に出ているような立派な物とはほど遠い。しかし、それでも捨てきれないのである。育てていると愛情が湧いているから、基準以下だからといってやたらと捨てられないのである。中身は基準以上と同じくらい甘くておいしい。我が家で食べる分はこれですます。人様に上げる分はこうはいかない。基準以下では失礼になるからだ。でも、今日の場合はしようがない。彼は、「捨てられて当然のようなこんな粗末なものを食べているのか、ここでは」と思ったことであろう。彼はその痩せ細った芋を1箇食べてくれ、蜜柑を2箇食べてくれた。友人だから、仲間だからそこを理解してくれるに違いないと踏んだが、身勝手だったかもしれない。「温泉にでも行こうじゃないか、たまには」と誘ってくれたが、さぶろうは誘いに乗らなかった。好意を無にしたことを詫びた。いっときして彼は辞去して行った。
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