終日よく降った。雨が降り続いた。
家の中に籠っているしかなかった。長い一日になった。
それでよかった。老人である。もともと、どんな活躍もしていない。
ぐうたらぐうたらの一日だった。昼寝もした。
あとは、本を読むしかなかった。
花は一年に一度しか開花しない。開花にすべての努力が凝縮されている。だから、開花しているときはしっかりとその美貌を見ておくことにする。
開花が終われば次の開花の時まではひたすらに忍ぶ。次の開花の時を待って、準備を続けて行く。
開花も重要だけど、そこに至るまでの堅忍も同じだけ重要なんだろう、きっと。ともあれ全期間に亘って、開花を促し続ける草花の堅固な意志を思う。
今朝は庭の芍薬が開花。このときを待って待っていた。庭に5カ所にある。大輪になるのもあれば、そうでないのもある。それぞれで美しい。見ているとこころが和む。
花は泣き顔をしていない。怒った顔もしていない。憎しみを見せていない。暗い目もしていない。明るい。終始、朗らかにしている。僕とは違う。偉いなあと思う。
今日は一日雨になるらしい。しかも大雨に。9時前20分現在では降っていない。曇り空。風もあるようだ。庭の木々の枝葉がざわざわしている。
雨が降ると畑の土が水を得て潤うから、これは歓迎だ。畑の作物も元気を出すことになる。
