小田原周辺のマイナースポットや些細な出来事を少しずつ
小田原の端々



1月の催事で一番楽しみにしているのが前川地区で第二日曜日を中心に行われる道祖神まつりで、このブログを始めてからは毎年欠かさずに写真を撮っている。今年は開催日が変則的だったが13日の夕方に出かけた。小田原市内各所では道祖神にまつわる祭事が各地区で行われているが、前川の道祖神まつりは毎年趣向をこらした人形飾りの山車がお披露目される。その他にも提灯で飾り付けされたトラックなども国道沿いに設置されてなかなかユニーク。最初に訪れたのは一番東側の向原道祖神。向原道祖神の飾りつけは例年「勤勉」「実直」「道徳」などのテーマが多いが、今年は「悲運な女城主・おつやの方」。昨年の大河ドラマはおんな城主直虎だったが、こちらの女城主は岩村城のおつやの方。人形飾りは武田信玄の重臣であった秋山虎繁が女城主のおつやの方に求愛しているシーン。よく見ると秋山虎繁の手にはバラの花が握られていて、背景の石垣の上では電飾が点灯していて今年は少しシュールな感じで面白い。続いて訪れたのはJA横の駐車場が祭り会場の中道祖神。今年の飾り付けは「木下藤吉郎(割り普請)」。織田信長の居城清洲が台風により壁や石垣が損傷し、信長が軽口をたたいていた木下藤吉郎に城の修理を命じるシーン。背景の石垣の書割や、小さな城の模型には電飾が仕込んであってなかなか手が込んでいる。木下藤吉郎の横には崩れかけた壁が再現されていて結構リアルな感じの装飾で良かった。中道祖神の祭り会場には昭和55年から昨年までの道祖神祭りでの山車飾りの写真が展示されていてそれも興味深い。一番最後に訪れたのが新聞販売店の駐車場が会場になっている西道祖神。今年の飾り付けは「酔いどれ小藤次」。大酒飲みの老武士 赤目小藤次が若妻である北村おりょうとの花見のシーン。西道祖神の飾り付けの見所は書割の背景画。昨年は陣幕で覆われていて寂しかったが、今年は満開の桜と菜の花に富士山と鮮やかな色合い。西道祖神はトラックに飾り付けが行われていて、裏面にも趣向をこらした壁画が描かれている。昨年はシンプルな劇画調だったが、今年の裏側の壁画は華やか。写真を撮っていると絵を担当したO画伯がやって来て色々と話を伺うことができた。昨年は制作途中でインフルエンザに罹ってしまい、途中で絵を仕上げるのを断念したとのことだった。今年は昨年の反省をもとに制作方法を変えて仕上げたとのことで、裏面の人物はかなり表情豊かで迫力がある。色々と話を伺い、最後にほろ酔い加減の画伯と握手を交わして帰路へとついた。今年の前川の道祖神祭りもユニークな飾りつけを見ることが出来て楽しかった。

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