小田原周辺のマイナースポットや些細な出来事を少しずつ
小田原の端々



地震発生時に気象庁が震度情報を発表する際に活用している観測点は、全国で約4200地点。観測点は気象庁の他、都道府県等地方公共団体や防災科学技術研究所により整備・運営されている。小田原市内にも10ヶ所以上の観測点があるが、気象庁の観測点は久野地区にある1ヶ所のみ。先日、気象庁の地震計が設置されている小田原観測局に出かけた。気象庁の観測点は以前、小田原市荻窪と久野の2ヶ所に設置されていたが、荻窪の観測点が2004年に観測を終了。久野の観測点は和留沢地区に設置されている。船原地区の上河原橋から久野川沿いの和留沢農道で和留沢地区へ向かう。上河原橋から和留沢農道を直進すること約3km。和留沢農道と日向林道が合流するあたりに脇道が2本ある。そのうちの一本の脇道の入口。道路脇の草むらにポールが設置されていた。ポールの高さは4mほど。制御盤のような装置とポール上部にはアンテナらしき機器が取り付けられている。制御盤のようなボックスに取り付けられたプレートによると「津波地震早期検知網観測局衛星通信装置」と記載されている。この周辺が気象庁の観測点だ。ポール上部のアンテナにはドコモのロゴマーク。どうやら観測された震度データはドコモの衛星電話サービスのワイドスターⅡ経由で気象庁に伝送されているようだ。衛星通信装置のポールから5mほど進んだ道路沿いの藪の中に観測局らしき設備を発見。フェンスで囲まれた中には観測機器のようなものが設置されている。電線も引き込まれており電気も供給されていた。フェンスに取り付けられたプレートを見る。気象庁津波地震検知網小田原観測局の表記。ここで小田原の震度を観測している。すいぶんと市街地から離れた場所に設置されていたので少しビックリ。フェンス内には3つの機器が設置されていた。気象庁のホームページによるとデジタル式の95型震度計がこの場所に設置されており、計測震度は衛星電話と電話回線の二つの経路で冗長化して気象庁に伝送され、地震速報の震度として発表されている。震度情報の発表の際に気象庁が活用している全国約4200地点の観測点のうち、気象庁直轄のデジタル強震波形観測施設は約600ヶ所ほど。小田原市内ではこの久野の小田原観測局のみとなっている。前々から体感する震度と発表される小田原の震度の差に少し違和感を感じていたが、市街地から遠く離れたこの小田原観測局を訪れて納得できた。

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