大宝律令では二官八省といって天皇の下に二官(太政官・神祇官)八省(中務省・式部省・治部省・民部省・大蔵省・刑部省・宮内省・兵部省)。
源氏物語はロシアでもよく読まれている人類史上初の女性作家による文学です。
主役の光源氏は太政大臣にまで上り詰めた男ですから、今で言うなら総理大臣のようなものです。
ところが、”源氏物語”には政に関しては何もでてこないんですね。一国の行政の長がやってることときたら女の尻追っかけているだけで、これで国が成り立ったんだから、まさに平安時代だったんですね。
”女性が書いた物語だから”と言うなかれ、紫式部は式部職の官僚。政に関わっていないはずもありません。
菅原道真が遣唐使を廃止して「脱中華」したのが894年。源氏物語が書かれたといわれるのは1017年。外敵がないというのはこういう時代を作ったんですね。エネルギーの全てを繁殖に向けられた?
光源氏は母親の面影を求めて藤壺(帝の后、つまり自分の義理の母)と不義を犯してしまう、今で言うならマザコン願望や、幼い少女の頃から自分の思うような女性に育てようとするロリコン願望など日本男性のルーツここにありという一面があります。
浮名を流した光源氏ですが、それでも安泰ではありません。通い夫の時代ですから手を抜けば寝取られてしまいます。若妻、女三宮が浮気して不義の子供を産んでしまうし、心から惚れた妻、紫上には先立たれ最後は出家してしまいます。
その後は光源氏の子供、孫の恋物語ですが、考えてみればすごい小説だなぁと今頃になって感心してしまいます。