洋太郎からの指摘と調査機関の紹介を受けて、アメリカの会社の責任者は 日本のカヨコファイナンシャルを調査する事にした
オッサンは カヨコファイナンシャルの執行部に対して、話も始めた。執行部の連中と 一対一で話もした。このオッサンが本気と知って、調査機関からの報告が出る前に、そういえば あそこに隠した、ここにこういう風に金があるとか 役員の連中は話始めた
加代子が危惧して このオッサンもそうかもと思っていた、役員連中の横流しとか自分がチェロまかすという事はほとんどなかった。多少の事は このオッサンは気にしなかった。むしろ 日本のカヨコファイナンシャルの連中は 真面目にしていると思った程だった
このオッサンは、日本のカヨコファイナンシャルの海外資産の全貌を知って驚いた。加代子がアメリカから神三郎の病院建設のためとごっそりと 日本に移した モトモトの金の総額の倍以上あった。表に出ている金ですら、加代子が移動させた金を超えているのに。
加代子にも報告したが加代子はまったく驚かなかった。神之助と神子の運用力を加代子は知っていたのだ。あの二人に運用を依頼していたのだから 何の不思議でもないと思っているようだった
結局、ジブと同一歩調を取る事にした。それだけではなかった。それぞれのタックスヘイブンについての医療援助を独自の視点でする事にした。日本のエンゼルホープ病院との連絡を取り、医師の教育派遣とか、患者を日本のエンゼルホープ病院で治療する事も始めて、この事は各国で話題になって、カヨコファイナンシャルの現地会社、単なる資産管理会社の筈だったのに、いつの間にか、医療補助の財団とも見られるようになって、各国政府は最大限の配慮をしてくれるようになった
今までの運営をしていた組織もジブに一本化した、法律事務所も一部の従来の担当弁護士は吸収した。この担当弁護士は、今までの運営していた弁護士法人の残る カヨコファイナンシャルに係る全部の書類を消去する事を要求した、弁護士法人は更新時期も近づいていたので、記録システムの更新を行う事を決め、この金はカヨコファイナンシャルも一部は負担した。以前の記録媒体は叩き壊した。ジブ系の現地弁護士法人も大層なと笑っていた。担当弁護士はジブ系列の弁護士法人に移行してきて、通信のガードが天と地である事に気が付いて、あんな所に記録を置くのは路上に置くようなものとホンマに思っていた。