のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.1357

2017-12-26 00:10:59 | 新しい子猫たち 

洋太郎からの指摘と調査機関の紹介を受けて、アメリカの会社の責任者は 日本のカヨコファイナンシャルを調査する事にした


 


オッサンは カヨコファイナンシャルの執行部に対して、話も始めた。執行部の連中と 一対一で話もした。このオッサンが本気と知って、調査機関からの報告が出る前に、そういえば あそこに隠した、ここにこういう風に金があるとか 役員の連中は話始めた


 


加代子が危惧して このオッサンもそうかもと思っていた、役員連中の横流しとか自分がチェロまかすという事はほとんどなかった。多少の事は このオッサンは気にしなかった。むしろ 日本のカヨコファイナンシャルの連中は 真面目にしていると思った程だった


 


このオッサンは、日本のカヨコファイナンシャルの海外資産の全貌を知って驚いた。加代子がアメリカから神三郎の病院建設のためとごっそりと 日本に移した モトモトの金の総額の倍以上あった。表に出ている金ですら、加代子が移動させた金を超えているのに。


 


加代子にも報告したが加代子はまったく驚かなかった。神之助と神子の運用力を加代子は知っていたのだ。あの二人に運用を依頼していたのだから 何の不思議でもないと思っているようだった


 


結局、ジブと同一歩調を取る事にした。それだけではなかった。それぞれのタックスヘイブンについての医療援助を独自の視点でする事にした。日本のエンゼルホープ病院との連絡を取り、医師の教育派遣とか、患者を日本のエンゼルホープ病院で治療する事も始めて、この事は各国で話題になって、カヨコファイナンシャルの現地会社、単なる資産管理会社の筈だったのに、いつの間にか、医療補助の財団とも見られるようになって、各国政府は最大限の配慮をしてくれるようになった


 


今までの運営をしていた組織もジブに一本化した、法律事務所も一部の従来の担当弁護士は吸収した。この担当弁護士は、今までの運営していた弁護士法人の残る カヨコファイナンシャルに係る全部の書類を消去する事を要求した、弁護士法人は更新時期も近づいていたので、記録システムの更新を行う事を決め、この金はカヨコファイナンシャルも一部は負担した。以前の記録媒体は叩き壊した。ジブ系の現地弁護士法人も大層なと笑っていた。担当弁護士はジブ系列の弁護士法人に移行してきて、通信のガードが天と地である事に気が付いて、あんな所に記録を置くのは路上に置くようなものとホンマに思っていた。


新しい子猫たち No.1356

2017-12-25 00:07:31 | 新しい子猫たち 

加代子の会社の責任者は、組織運営では有能だった。洋太郎も自分に得にならないアホのために時間を潰す人ではなく、このアメリカの会社の責任者を使った。紡績の運用部門がアメリカの会社の責任者の紹介で、アメリカのカヨコファイナンシャルの債権部門の運用を委託したり、その他の紡績の仕事を香奈ファイナンシャルやジブとの仕事の調整、共同事業なんぞもしていた。勿論 それなりのゼニは取った。このオッサンもゼニの亡者の一面はあった。この斡旋をこのオッサンはした。このオッサンも自分が日本にいるので アメリカのカヨコファイナンシャルの子会社を日本に作り、そこそこの人材も集めていた。


 


アメリカの会社の責任者はゼニの亡者ではあるが人材育成、その人材を有効に使う事に優れていた。若い、有能な人材を見つけ、育成する事に、ゼニを儲けられるようにするのには優れていたのを 洋太郎も感じていた。洋太郎も紡績にとっては伝説上の人であるのには理由があったのだ。単に誠実一路のジイサンでは、勿論洋太郎ではなかった。


 


アメリカの会社の責任者はそれなりに忙しかったのだ。たいしてゼニも残っていないと このオッサンが思っていた、日本のカヨコファイナンシャルについて時間を潰す事はないと感じていた。元々病院の維持管理運営するための法人と思っていた。アメリカのカヨコファイナンシャル全体の事を考え、自分の日本での事業を考えるだけでも時間は足りない程だった。


新しい子猫たち No.1355

2017-12-24 00:03:37 | 新しい子猫たち 

加代子のアメリカの会社の責任者は、加代子の天才的な運用の秘密を知りたくて、カヨコファイナンシャルに入った。元々相場では有名な人だった。加代子の天才的な運用の裏には何かある。人間とは思えない運用だ、その秘密を知りたかった。ただ結局 本当に加代子が、神のような天才だと判った。加代子は コイツを優遇して責任者まで引き上げた。加代子は香奈にも似ている一面があって、有能な人を一瞬で見抜く、特に相場関係についての観察は鋭いものがあった。ただ 加代子以外にも このアメリカの会社の責任者の有能さを見抜いた人がいた。それが香奈だった。香奈はこうした運用をする組織の責任者としての コイツの有能さを会って、一瞬で見抜いていた。


 


その話は 香奈が管理の常務に 漏らし、管理の常務は、正子にもいい、正子は加代子にアイツは大事にしな と言っていた。そうした背景はあった


 


アメリカの会社の責任者は、そうした鋭さと天衣無縫な一面もある加代子に惹かれ、日本の敷地内の加代子の家にいるようになって、子供もいなくて寂しい アイツの奥さんまで敷地内の加代子の家にいるようになった。アイツのアメリカの家は豪壮な邸宅だったのに、いくら広い家とは言え、所詮は日本の家、オマケに子供が溢れている家だった、加代子の家にいるようになった。香奈は見かねて、ジブ関連の幹部用のマンションの一室を貸した、そこは家具の置き場所となって、結局はアメリカの会社の責任者と奥さんは、加代子の家の部屋の一つにいる事が多かった。アメリカの会社の責任者は加代子を過大視する癖が抜けなかった


 


一方 加代子はジブには神之助とか神子のような相場の天才、神のような人たちがいるとちゃんと知っていた。神之助の配慮で、カヨコファイナンシャルの一部と云うかかなりの資産が運用委託されたと聞いて、その資産が増えるのは確信していた


 


加代子がヤタラと儲けだした時も、神之助や神子も同様に儲けだしている事は加代子も薄々知っていた。


 


アメリカの会社の責任者は、こんな神のような儲け方は加代子しか出来ないと思っていたのと違う点だった。


 


加代子はごっそりと減らしたアメリカでの資産を短期間で元通り、いやもっと増やした。これにはアメリカの会社の責任者は心底驚いた。まるでゼニ儲けの神様と本当に思った。


 


湯水のように エンゼルホープ病院は金を使い、加代子教までに金を出していたのを知っていた、加代子のアメリカの会社の責任者は金など残る筈がないと直感的に感じ、税務プロ、会計ブロの書いた作為に満ちた書類を斜め読みしていたのでは、カヨコファイナンシャルがどれだけ金を持っているのかを判る筈もなかった。


 


書類を見ていた筈なのに、アメリカのカヨコファイナンシャルから資金を融通してやる事も可能だよと言って、日本のカヨコファイナンシャルの奴らは、書類を見てないのかと思った程だった。金を隠すのに苦労しているのに、いやナントカなりますと答えながら、このオッサンは経理書類をしっかりとは見てないと思った。


新しい子猫たち No.1354

2017-12-23 00:00:05 | 新しい子猫たち 

本当は、日本のカヨコファイナンシャルは、アメリカの会社の責任者が作ったような会社だった。加代子が今までの運用で儲けた自分の資産を神三郎の病院建設のために、ごっそりと日本に移動させて作ったのを管理運営するための会社と云えた


 


神三郎も初めから大病院を作ろうとしたものでもなかったし、大体 金を取らず、寄付だけに頼る治療が上手くいくという自信もなかった。この損失補填のために 日本のカヨコファイナンシャルが出来たと言っても過言でもなかった。加代子が日本に移動させようとした金額は莫大で、神之助が待ったをかけて、必要な分はこちらで手配するからと言って段階的に移動させて、当座に必要ない金額は、神之助と神子への運用委託とした。


 


本来 ジブは他人の資金を運営する事はなかった。自己資金だけで運営していると云ってもよかったが、例外として社員有志からの資金とか、例外的に運用を受けいれた。この例外の中に加代子が日本のカヨコファイナンシャルも入った


 


運用に自信があった 神之助 そして神子のグループがこの運用を担当していた


 


ただ加代子からの運用を受け入れた時を前後として、加代子、神之助そして神子の運用は突然と神のように儲けだした。運用資金の何割儲けたというレベルではなく、一年に何倍にもなった。ジブが突然と急拡大していく時期でもあった。


 


神三郎のエンゼルホープ病院も ジブシティーの引退した高名な医師たちを受け入れて、医学研究所を作った。この時点では単なるご意見番の積りだったが、ところがこの長老たちは元気を取り戻して、その後輩たちが頼りだした。神三郎も加代子から励まされ、病院を大きくしていく決意を固めた。近在の救急もこの病院を頼りにしてきた


 


腕自慢の医師は、神三郎だけではなかった。この病院はその治療が経費が掛かるとかはまったく気にしない、元々患者負担させる気もないので、高額の医療も自由に出来た。報酬も高い。益々病院の評価は上がり、寄付を呉れる人たちも増えてきた。


 


九州に病院を作る話が先にあって、神三郎もその気になっていて建設を進めている時に神之助が大儲けをして焦ったカヨコファイナンシャルが病院の大増設を進めて、神三郎は九州に視察もいけず、マチコジブ記念病院に病院の骨格から運営まで任せた、これで九州病院は内科主体の病院となって、アジアから中東までの高所得者相手の高級病院の素地が出来た。医療費を取らず、寄付だけが建前だった筈が救貧対策病院ではなくなった。加代子教も出来て、元々のタダ治療もしたが加代子教そのものがヤタラと大きくなって、資金的な問題も消えた。


 


最後に遺伝子研究所が出来て、遺伝子治療も出来るようになって、世界各地から遺伝子解析の依頼が来るようになった。遺伝子分析と遺伝子治療は正確迅速には、この病院でしか出来ないと言われるようになって、ゼニ儲けとしてしている積りはなかった筈がごっそりとゼニも入ってきた。


 


確かに莫大な投資はしたが、元々加代子が神三郎の病院建設にために移動しようとしていた金は結果として そっくりと残り、いやそれどころか何倍にも膨れ上がっていたのが実態だった


 


オマケに 加代子が神三郎の九州への視察の時に、別荘の積りで作ったホテルは 結局治部ホテルに運営を委託したが、このホテルには加代子は自分の別荘のような積りで、集めていた、美術品、骨董品もそこに集めていて、世界でも有名な高級ホテルと変わっていた。


 


ナンダカンダとカヨコファイナンシャルは節税対策で事業を拡げ、それが時間はかかったが、全て利益が出るようになって、ごっそりと利益を出すのを恐れた、カヨコファナンシャルがリーズナブルな料金にしたために、かえって事業は拡大。エンゼルホープ病院や加代子教が落ち着くと、待っていたかのように、嵐のような 神之助と神子の儲けも落ち着いてきた。結局 薬局 全てが収まると 金は増え、エンゼルホープ病院は大きくなり加代子教も安定し、その上 九州でのナンダカンダの資がオマケになったのだった。


 


ただ病院の規模は大きくなって経費も高い、いつも寄付が入ってくるとは限らないといって、万一の時に必要な金額は増えていた。ただ寄付は減るどころか増えていたのが実態と云えた。


 


ただその過程の中で、タックスヘイブンに置いた資産は、運用受け入れ窓口の神之助や神子側の要請もあり、カヨコファイナンシャルはタックスヘイブンに資産管理会社を作り、ここからの運用としていた所為もあって、ここの資産は増えた。一方 上手くいく筈がなかった、エンゼルホープ病院も安定し、加代子教まで安定し、ついでに九州の他の事業まで安定し、普通に考えて上手くいく筈もない筈で 損失補填しなければいけなくなる筈の まさかの時は 来なかった


 


 


 


新しい子猫たち No.1353

2017-12-22 00:52:45 | 新しい子猫たち 

二人の間の話では


 


むしろカヨコファイナンシャルの現執行部が、自分たちの私利に走っていたのかについての話が中心であった。


 


洋太郎は


 


あまり仲のよくない、会計ゴロとか税務ゴロとかを集めたと君は言ったね。それなら、それはあるまい。親しい奴らを集めるとそれはあり得るが、仲がよくないとそれは難しいだろう。その辺はウチの親しい調査機関で確認させてやろう、ただ実際には多分みんな疑心暗鬼になっているだけだろう


 


二郎もこうした会計ゴロとか税務ゴロも法律ゴロたちも 仲の良くない奴らを集めて意見を聞くようにしていると言っている。アイツ等は頭は切れるが信望は案外少ないのだよ


 


ただ その辺はある程度クリアにしておく方が彼らにとってもいいと思うよ。君が言えば案外簡単に彼らも協力してくれる筈だよ