のら猫の三文小説

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純子の挑戦 No.12

2012-12-29 01:12:09 | 純子の挑戦
やがて、恵子も亡くなった。 



恵子は、鉄一の急死で、もめた事もあり、純子と話し合い、製薬会社の多くは幸之助と知子が相続し、純子は一部を持ち、逆に紡績、商会、鉄鋼は純子がかなりの出資名義を相続していた。安倍不動産は三分の一つづ分けた。料理店は、鉄一の部分も引き取っていたので純子と幸之助と知子が各店単位で相続するようになった。現金の多くは幸之助と知子が受け取っていた。純子は恵子が持っていた鉄平の郊外の屋敷と農園も相続した。安倍鉄鋼は、鉄一の死後、相続問題で、他の会社の名義を恵子や純子に書き換えて、安倍製薬がグループの中核になり、今度は安倍紡績もそれに加わる形になった。



純子は、休みをよく取るようになった。



洋介「純子、会社は忙しいのじゃないの。こんなに休み取って大丈夫か?」

純子「私も随分働いてきたし、みんなちゃんとやってるしね。それにもう私の会社というより、みんなの会社だ。みんながやっていく方が良いんだよ。」

洋介「私も真弓さんや妙子に任せる事が多いよ。妙子は、お前のように、やる事が好きだけど、外科医としては、今一番脂が乗っている所だろう。父がやりたがっていた手術も出来るようになった。」

純子「堅い竹内の家で、大丈夫かなと思っていたら、ついに諦められた。宏さんも忙しいのに、朝の光の中でやった。良かった。朝やるのも楽しいと言っているよ。」

洋介「でもここに良く来てるけど。」

純子「私は家にいる事が増えたし。私とは同類だから話しやすいんだよ。時々子どもと宏さんつれて、泊まり込むだろう。私、妙子と真弓さんで話すと、何でも言える。よそでこんな話できないと言ってるよ。」

洋介「あれは凄いね。私も近づきにくい。玲子や慶子は、お前や妙子みたいになると心配しているよ。」
純子「私と暮らして、不満だったの。」

洋介「そんな事はない。私は十分楽しんで来たよ。ただ子どもの前で、舐め方や舌の使い方だ、体位や腰の使い方なんか話している母親や祖母はいないよ。」

純子「良いじゃないの。妙子も真弓さんも医者なんだし、変な所で間違った事を知るよりも。」

洋介「美子さんや知子さんも来てるでしょう。幸之助くん、ぼやいていたよ。変な知恵つけるから、美子さんが迫るようになったと。」

純子「幸之助は努力が足りないよ。あれも仕事も。」

洋介「洋一はどうしてるの。あんまり家には、こないけど。」

純子「あの子は、私が苦手みたいだよ。仕事してる時の私は、話しやすいけど、家ではやりたいだけの馬鹿女の顔をしていると思ってるみたい。どちらも私なのに。ここの家に、京子さんつれてくると大変と逃げているのさ。仕事はちゃんとやっているようよ。鉄造さんや鉄二郎さんも、少し変わってきたし。」

洋介「洋一には、お前の裸をみせたから、怖がっているじゅないの。」

純子「それは妙子だよ。あいつ平気で、洋一や洋次郎の前でも、平気で裸になる女だから。着替えするのに、洋一や洋次郎に、そこの帯取ってとか、裸で言ってたし。」

洋介「洋一は、本当に日本人形みたいなお淑やかな京子さんと結婚して、子どもも女の子が二人だから、ここは化け物屋敷で、教育に悪いと思っているのかもしれないね。」

純子「化け物とは何よ。でも京子さんは、おとなしい人だから、無理に連れてくる事はないよ。京子さんは、時々電話くれるし、真智子や清美とも、会ってもいるのよ。私は、結構京子さんと話している。洋一がね。京子さんに変な事言わないでと言うの。女を喜ばして綺麗にするのが、男の甲斐性。女房愛せない男が、仕事できるものか。お前はもう少し京子さんとやらないと、お前も大きくなれないと言ってやった。」

洋介「凄い姑だね。」

純子「まだたつでしょう。しゃぶってあげるから。」

洋介「私も年だから」

純子「大きくなったでしょう。いくつになってもやっていこうね。」


洋介は思っていた。
こいつは本当に化け物だと洋介は思っていた。こいつは年取らないし、まだこんなに綺麗。こんな化け物に出会って、私は幸せだった。


妙子は、思っていた。


お祖父さんの言ってた、心臓の手術は、まだ難しい。でも多くの臓器では、かなりやれるようになってきた。いくつかの症例を詰め重ねていけば、もっと多くの事ができるだろう。お祖父さんのやった手術は、偶然と決死の覚悟そして神のような医者が必要だった。やがては、心臓の手術も安全にやれるようになるかもしれない。それは玲子や宏一の時代かも知れないし、もっと先かも知れないが、いつかはきっとやれるだろう。 真弓さんは綺麗になった。どこか醒めた疲れたような影はなくなった。患者にも優しく接している。洋次郎は何の取り柄もない子だと思っていたら、あんなに女を変える事が出来た。

 

宏は大変だった。

仕事は順調だし、やりがいもある。大学を離れるのは、不安だったが、お義母さんの援助や協力で、銀行も大きくなった。でも妙子は化け物だ。私と洋次郎くんとは、年も離れているのに、競争されられる。この間なんて、朝からやらされた。確かに朝の光の中で、あえいでいる裸の妙子は綺麗だった。妙子とやるのは楽しい。しかし回数が多すぎる。あいつは何回してもすっきりしたと元気よく出かける。翌日休暇を取って、あいつが朝、腰をふらついて病院へ出勤させようと、念入りに準備して3回もやった。指でも何回も逝かした。痙攣するまでついてやった。それでも凄かったといいながら、寝て、朝になったら、今朝はお腹空くのよといいながら、ご飯を一杯食べて、足取り軽く出勤した。私は腰が重かった。帰ってきたら、今日も頑張ってくれるのと聞く。お義父さんが大変と言っていた意味がよく分かった。真弓さんが、綺麗で、輝くような人になった。洋次郎くんは頑張りすぎている。でも私も妙子は好きだ。妙子を愛し、もっと綺麗で輝く人にするのだ。


真弓は幸せだった
洋次郎は優しい。私が変態だと言っても、去っていかなかった。私の中に精を入れてくれた。私は洋次郎の純粋さで蘇る事ができた。由美子のままでは、本当にどぶの中であえいで、身も心も汚れて、くだらない男たちに愛される事もなく、殴られたり、引き付き回されたりしながら、あえぎ、感じて、そしてやがて、愛のない暴力に疲れ、また違う男の玩具となり、枕のような女になっていただろう。それが私の人生だと諦めていた。私の中の由美子も最近出てこない。例え出てきても洋次郎の愛があれば、私は守られる。由美子は残念そうに、去っていくしかない。慶子は大丈夫だろうか。私の血は、洋次郎の血で浄化したのだ。大丈夫だきっと。それにお義母さんや妙子さんは、自由にどんな話もしてくれる。私も自由になんでも言える。愛されて、洋次郎の精を入れて貰える。お義母さんも妙子さんも、それを喜んでくれている。



洋次郎は楽しかった
由美子さんは、私の憧れだった。敵わぬ夢と諦めようとしても、見てるだけでも思いながら、酒場にも後を追った。今は私の妻だ。どんなに疲れていても、私の求めを受けてくれる。子どもを作らないようにしていた時は、悲しかった。ただ私は、由美子さんがいればいいと思って、諦めようとしていた。

それでも由美子さんいや真弓を愛し続けた。いつしか真弓は、私の精を身体の奥で、受けてくれるようになり、三人も子どもができた。父は、長男に伝説の医者と言われる次平の名前を付けてくれた。功一おじさんやみどりおばさんにも、新しい次平がきっと出来ると口説いたらしい。大切に育てよう。慶子も可愛い。真弓は、自分の血を恐れている。少し虐められて喜ぶ所はあるが、みどりおばさんにも聞いたら、みどりおばさんは、笑っていた。
それは、献身的な人が、愛情不足になった時に起きやすい。洋介も少しは分かっているのよ。お前は、大きな可能性を育てているのよ。私のお父さんの次平そして、鉄平おじさんや香さん、恵子さん、純子さんそして真弓さん。そうした人たちの思いがお前の子供たちの中に宿っている。お前の子どもたちは、きっと素晴らしい人になるわ。お前は、真弓さんと三人の子どもたちに、愛情を注ぎなさい。それがお前に出来る事よと言ってくれた。

私は、お母さんや姉や兄とは違い、それほどの才もない気がして、悲しい気持ちになる時もあった。しかし私は真弓を手に入れた。私の宝物だ。お母さんは、「お前は、純粋な気持ちで人に接する事が出来る。賢く立ち回ろうとしたら、駄目だよ。お前の良さがなくなる。純粋な気持ちで努力し、人の意見を聞き、自分の出来る範囲で人を助けなさい。お前は真弓さんと一緒になれた。それはお前が、純粋に真弓さんを愛したからでしょう。お前はいつまでもその気持ちを持ち続けなさい。そうすれば道は自ずと開ける。慢心したり、一時の大儲けを夢みたら、やがてすべてを失うわ。真弓さんは、お前には幸運の女神だったのよ。いつまでも愛し続けなさい。」と言ってくれた。私にはそれしか生きる道がない。今日は真弓が早く帰ると言っていた。家に帰るのが、楽しい。



純子は、商会では、才能溢れる人や純粋な人そして熱心で正直な人たちをそれぞれ副社長として、多くの事を任せた。自分が作った複雑な規則も変更してもいいと言った。純子個人の資産と会社の資産も分離していくようにした。純子の個人資産で、行っていた社員への貸付も、会社シートして行うように変更した。今まで貸付を行っていた個人資産の一部を商会に寄贈して、多くの資産は引き上げた。商会ではみんな高給だったし、純子の資産から借りる事に抵抗もあり、それほど貸付もなかった。



一方、紡績では、純子の紡績で得た個人資産と会社資産は、帳簿では別れているが、実際には一体化していた。純子の個人資産は増えていたし、裁縫や織物などの働いている人もよく利用していた。純子は紡績の母とも神様とも思われていた。神様からお金を借りると全て順調に行った。家を建てる時も純子からお金を借りると全て順調に進むと云う伝説まであった。借りたお金も直ぐに返せた。借すお金も多かったが、返してもらうお金も多かった。神様からのお金は直ぐに返せるのも不思議だった。

それでも、毎年積み上げていた純子の資産は大きくなって、まったく使用していない個人資産が半分以上あったので、半分だけ引き上げた。紡績では、準備金での操作で、賃金の変動は少ないものの、会社の挙げた利益は、出資金、働いている人、留保に等分に分けていたので、賃金は多少変動していた。純子は、ここでは、自分が死ぬまで、このやり方を通すつもりだった。長時間の労働は嫌っていたし、自分も含めて自分の時間が必要だと思っていた。そして才能溢れる人も重視したが、熱心で純粋な人も必ず加えていた。

そして、純粋な洋次郎が、人の意見を聞きながらも運営を助けていた。洋次郎には、常にいっていた。才能や天分溢れる人を見付け、可能性を引き出しなさい。一方、正直な人や熱心な人なども、同じように重用しなさい。常に議論していくようにしなさい。大儲けは不治の病の始まりよ。儲けは程々がいいのよ。ここの会社は、働く機会を人に与え、世の中に役に立つ為に作った会社なのよ。利益は、会社が続けていくためには、必要だけど、それが目的ではないよ。今は宏さんが、経済の動向などを研究して教えてくれる。人の意見を聞きなさい。細かい事には目をつぶり、人に任せなさい。人を信用しない人は、人には信用されないわよ。法律家など多様な人の意見を聞きなさい。人を助けない人は、助けられる事はないのよ。不正な事したり、ずる賢く立ち回ると、お前は、何の取り柄もない男になるよ。

洋次郎は、頑固なまでにそれを守っていた。商売や会社の運営は、純子の育てた人が各部門に散らばっていた。洋次郎はそうした人たちの意見を素直に聞いた。洋次郎の才能は、人を信じ、人を愛する事だ、信じられ愛された人がお前を助けてくれると純子に言われ、洋次郎はそれを信じていた。



純子の挑戦 No.11

2012-12-28 00:27:26 | 純子の挑戦

時代は過ぎていった。



やがて功一が亡くなり、後を追うように、珠代も亡くなった。一平も亡くなった。

恵子「一平さんも死んでしまった。次ぎは、私の番だ。」

純子「私は、なんとか乗り切れそうだし、そろそろ引退したいと思っているのだけど、でもなかなか辞めさしてくれないの。商会も、ほとんど人に任せているの。」

恵子「紡績は、洋次郎がやっているの。」

純子「洋次郎は子どもが出来たし、現場も知ってるから。ただあの子は営業なんか得意じゃないれど、色々な人の意見真剣に聞いて、人に任せているよ。洋次郎はあれでいいよ。会社は儲けるためじゃなく、人に働く場を与え、人の役に立つことをするのよ。ただそれを続けるためには利益が必要なだけよと言ったら、本当に守っているよ。才ない子だと思っていたら、あれが、洋次郎の才能なのよ。ここは、幸之助は才もあり、しっかりしているけど。」

恵子「幸之助に聞かせておくよ。お前は天分に溢れて、才に溺れると危惧していたけど、違ったね。幸之助は大した才もないくせに、自惚れる所があるから、お前も時々注意してやってね。それに、純子、ついに鉄造の会社助けてくれた。お父さんも安心してるわ。」

純子「実は、あれは宏さんの銀行に援助求めてきた会社があって、調べてみると内容はいいけど、投資が多すぎていたの。でも鉄造さんの会社にないものだったし、鉄造さんもいいと言うから、合併する事にしたの。でも鉄造さんの会社は、人材が少なくて、不安だというし、洋一も手伝うというから、私も出資金を追加したの。だから鉄造さんらの出資も少なくなっているわ。」

恵子「そんな事に拘っていると、会社自体がなくなっていく時代かも知れないね。でもそれはお父さんも昔言ってたよ。幸之助もこの頃多少、人に任せるようになってきたし。それでいいのかもしれない。」

純子「正直に言うと、今回の混乱でね、かなりのいい企業が困って、幾つかは、かなり安い価格で買い取ったの、紡績に。それに宏さんの銀行もいくつかの銀行を吸収したし、大変だったけど、会社としては大きくなった。商会も、少しは可能性ある所を吸収した。知子は、知ってるよ。」

恵子「お前は、何でも焼け太りする奴だからね。でも恨みをかうような事は、やってないだろうね。」

純子「それは勿論だよ。合併の形にしてるし、紡績の出資も一部渡しているよ。」

恵子「それは信じてるよ。お前が本気で、ずる賢く振る舞えば、もっと金も入ってだろうが、もう落ちていたかもしれない。私は幸之助には、この会社が何でこんなに長く続いたと思うと、聞いたの。幸之助は、私が賢明だったからと言った。私は言ったよ。違うよ、鉄平お父さんが、多くの人を助けたからだ。私も少しは助けたけど。馬鹿にならず、慢心せずに、お前も人を助ければ、会社は続くよ。どんなに賢く、狡く金を儲けても、それは一時の事だ。人を助けない奴は、やがては落ちていくよ。純子は天分にも恵まれ、お前の何倍も賢いよ。だが会社が大きくなっているのは、人も助けたからだよ。その人に助けられて大きくなったのよと言っているよ。

純子「なんでそこで私が出てくるの。でも確かに私は、色々な人から助けられた。」 


純子の挑戦 No.10

2012-12-27 01:02:48 | 純子の挑戦

純子、雨の日を恐れる




純子は、宏と話す機会が増えてきた。銀行といっても投資銀行に近いもので会ったので、普段は閑散としていた。普通の人からの預金は限られていた。ただ経済には、晴もあれば雨もある。ただ天気とは違い、政策で制御できるが、大きな波はどうしてもある。純子には、まだ経済的な意味で、雨にあってなかったが、それを気にしていた。今のやり方では、どこかで行き詰まるのではないかと思っていた。



手を広げていた純子であったが、投資は抑え気味になっていた。最低限の投資になっていた。ただまだ純子の危惧とは異なり、内部保留は増えていっていたし、純子の個人貸し付けもそんなに増えていなかった。 



純子は、恵子と話していた。一平も恵子も、家でのんびりしていた。

純子「さすがにお母さんも、年とったね。」

恵子「お前もね。」

純子「知子も結婚して、男の子が出来て良かったね。鉄平と名付けて、元紀くんも婿養子にして、お母さんもなかなかやるよ。」

恵子「知子はお前に似て、遊ぶ娘だし、私はむしろ早く結婚して良かったと思っているよ。元紀さんは学生だし、知子は手元に置くために、製薬会社で働かせているよ。あいつもお前も家で、のんびりする女じゃない。」

純子「私じゃないよ、お母さんに似たの。でも早かったね。」、

恵子「元紀くんが長くて太く、奥に入れると感じるかなら、奥に入れてたみたいだ。馬鹿だよ。お前みたいに、最後に腰を動かせないのね。まあお前みたいに遊ばれるようもましだと慰めているの。」

純子「でも結局、お母さんは得したじゃない。知子も家にいるし、元紀くんも家に入れて。幸之助もしっかりしているよ。これで製薬会社は安心ね」

一平「そうでもないよ。まだハラハラしているよ。純子も役員だから、しっかりみてやって。」

純子「ここは、経済がおかしくなっても影響は少ないと宏くんも言ってるよ。病人が少なくなる事もないしね。」

恵子「そうでもないよ。やはり影響はあるよ。鉄一には意見しようと思っていたけど、言う前に死んでしまった。鉄造や鉄二郎では無理かな。」

純子「鉄一おじさんや鉄造さんにも、何回も言ったけど、独自製品が少ないの。結構優秀な人多かったのに、なぜ作らなかったのだろう。お金は一杯あるし、まだ儲かってると言ってね。」

恵子「鉄一ね、妾いたのよ。女は、直感でわかる。照代さん冷たかったろう。葬式の時も。」

純子「鉄二郎さんにもいるよ。」

恵子「知っていたの。それに子どもまで作ってるのよ。まだ鉄一の遺産について長い間もめて、その内照代さんまで若いのに死んで、又もめて、春江は鉄鋼とは縁を切りたいと言い出して、私が、お前と話して、商会、紡績、製薬と機械の鉄造と鉄二郎分を買い取ったけど、春江に渡しても足りず、私が鉄鋼の春江分をお前にも少し協力して貰って、買い取った。鉄鋼はもう全然他への影響はなくなってしまった。春江は金できて、旦那とは離れて暮らしている。」

純子「春江さんは鉄一おじさんの遺産も入って離婚して、小さい海運会社を貰って、商会と手を組んでやってるよ。もう男はコリゴリといってる。」

恵子「春江は、鉄平を形だけでも養子にくれと言ってる。鉄鋼はあの二人ならいずれ危なくなるから、安倍は、絶えるといってね。知子も二人目も出来たので、知子と元紀くんと話して、そうしたよ。」

純子「安倍鉄平と治部次平が又できたね。」

恵子「お前が仕組んだだろう。」

純子「春江さんとは一緒に仕事しているわよ。次平の名前も復活したし。春江さんは、男は遊び相手で、結婚はこりごりと言ってたから、こういう考えもあるよと言っただけだよ。私はね、この頃不安なの。」

恵子「商会も紡績も調子いいだろう。なにが不安なの。」

純子「私のやり方で、利益が上がらなくなった時に、対応できるか。みんなにも言ったんだけど。」

恵子「お前もお父さんみたいだね。投資も控えめにしてるし、なぜそう思うの。」

純子「私、そんなに雨の時経験してないでしょう。いつまでも好調と言う事なんてないわ。それに輸入や輸出も大きくなって、波も大きくなる気がするの。宏さんも危惧しているけど、時期は分からないって。」

一平「一番、うまくやってるお前がどうして。 お前が貸しているお金が増え出して来たのか?」

純子「注意してみても増えてないけど。仕事の内容や利益比例の賃金を、少し考え直そうとしているの。」

恵子「鉄造なんか、遺産の事で鉄二郎ともめてから、話もしなくなっている。鉄一が、金だけ残すからね。純子、鉄造に意見してやって。私でもあそこの会社、怖いと思うのに何にも感じないのかね。」

純子「そんな事したら、お金を狙っていると言われるよ。少し言ったたら、そんな事言われたの。そしてここが本家だと。鉄一おじさんの遺産も多いし、会社としてもお金持ってるし。」

恵子会社として、何も考えず、ただ同じもの作って、今は利益出ているし、金もある。だから何もしようとしない。ただ、優秀な人は、少しずつ去る。営業も貧弱。鉄造と鉄二郎は、口も聞かない。大した意見持ってないくせに、人の揚げ足とってやり合う。私、最近この頃あそこの役員会なんか行ってない。純子代わりにどうだい。」

純子「私は忙しいから、無理だよ。それに鉄造さんや鉄二郎さんが気がつかないと無理だと思う。でも技術は元々優秀なんだけどね。」

一平「純子、幸之助や知子には意見してやってね。兄弟なんだから。」

 
純子が帰った後、

一平「何で、純子心配しているの? 商会も紡績も好調だし、給料も高いし、みんな頑張ってるのに。」

恵子お父さんと同じよ。何か危機が見えるのよ。お父さんは早すぎたけど、でも今、薬種問屋はないよね。好調は永遠には続かないよ。でも本当に会社として未熟なのに、鉄造はまだ儲かっていると何も考えず、遺産がどうだったと言い合ってる。会社として色々な事考えて、新しい分野も検討させている純子が、いつか雨が降ると言って考えている。そんなものだよ。先手とってると、先が見える。後手後手とまわっていると、今しか見えなくなる。

一平「幸之助もなんとかやってる程度。知子を商会や紡績でもやって勉強させるか。」

恵子「そうはいってもね。もう直ぐに役員の改選時期だし、幸之助か知子に、私の代わりに行って貰おう。一平さん、どうかね。」

一平「二人をここに呼ぶよ。」


幸之助は、今でも大変なのに、知子に行って貰いたいといった。知子は、行ってみたいと言った。純子は、知子を入れるのは、いいけど、お母さんも役員に留任して、時々は出てねと言った。鉄造は、代わりという案に飛びついた。うるさい人がいなくなると心配せずにすむ。

一平「ここは、やはり女の家系だね。」


知子は、恵子の代わりに、鉄鋼、商会、紡績の役員会に出るようになった。知子が初めての役員会に出た後、一平、恵子、幸之助に話していた。

一平「どうだい、参考になったかい。」

知子「鉄鋼は、出てるだけでみんな発言しないの、直ぐに終わるのよ。何も決まらないのに、又次ぎに話しましょう。議論は文章の「は」は「も」じゃないかと言ったり、揚げ足とりの質問ばっかり。 商会は、延々と続くの。私にも意見を求められたの。大変だった。しかも決まっていくの。又次の機会という事少ないの。お姉さんの表情は、真剣だし。お姉さんの景気後退した時の対策は、さすがにみんな驚いて、時間かけて議論しましょうと云う事になった。これは疲れる会議だった。でも商会の現状って凄いのね。紡績は少し違うの。お姉さんはあまり発言しないの。途中とか終わり頃しか発言しないの。お姉さんが言うと結論なの。反対する人もたまにいるけど、凄く緊張してるのよ。お姉さんが又説明すると、それで終わりなの。景気後退の時の対策も、副社長という人から提案しているの。色々意見を出して、もう一度みなさんよく考え下さいで終わったの。商会は持ち出し禁止の資料もあって、終わったら、急いで帰っていくの。」

恵子紡績では、純子が神様みたいになってるから、純子は、逆に発言できなくなってるのよ。純子は、違う人に異なった見解から検討させて発言させている。そうじゃないか。」

知子「景気後退せずに、どんどん成長したらどうなると聞いている人いた。あれってやらせなの。」

恵子「純子ならそれくらいの事やる奴だから、議論せずに決めたくないの。」

知子「商会の人は、直ぐに帰るけど、鉄鋼は終わってからの雑談の方が長いよ。それに鉄造さんと鉄二郎さんって仲が悪いみたい。」

恵子商会は、各社からの派遣もいるから、直ぐに報告にいく人多いのよ。

一平「景気後退については、みんなは、なんと言ってた。」

知子「商会では、まだ早い、もう少し先と言う人もいたけど、可能性はあると言う人もいた。紡績は色々な展開を考え、又次ぎと言う事になった。終わった後、お姉さんは、宏さんにまとめてもらっているから、又お母さんに相談にくると言ってた。本当なの。」

恵子「いつかそうなるかもしれないね。お前も考えておいて。役員会で純子が言ったら、波紋もあるだろうね。」 



純子の恐れていた事は、現実の事になった。



純子は、紡績では、すぐに手を打った。賃金への利益還元はしたが、準備金への積み立て比率を上げた。一方部門長には、今後のためにはなるが、利益が低いとか人手が掛かりすぎるとして、今まで出来なかった仕事をまとめさせた。賃金だけでなく、仕事も必要なのだ。賃金の付加部分が減少して、生活が困った時の社長貸付の見直しをさせて、周知させるようにした。短期投資だけとして、大きな投資は控えたり、手を広げていた関連会社も整理していく事にした。 



商会も、すこしずつその可能性を踏まえて、仕事を再検討していった。でも数年間は、景気はむしろ上昇していくように感じられた。それは、突然起こった。昭和恐慌と言われるものであった。

鉄造の鉄鋼や鉄加工品は、普及型で量産しやすい製品が多く、売上は激減していった。内部留保は大きいものも、成績は急低下していった。



製薬会社での役員会の後、純子は話していた。

純子「ここは、成績の低下も少ないし、やっばり、薬屋は強いね。紡績は人も多いし、大変だよ。」

恵子「鉄造が慌てていたよ。あいつじゃもう無理かもしれないね。」

純子「多分、いくつかの鉄関係の会社が集まると思うよ。鉄一おじさんも投資は控えていたし、鉄造さんもあまりしてないから、赤字になっても相当もつよ。」

恵子「鉄造はしなかったのではなくて、出来なかった。判断できないし、鉄二郎と協力も出来ない。」

純子「それが結果的にまだましなの。でもあそこ人材が少ないから、主導権とれないかもしれない。個人としては、鉄一おじさんの遺産も多いし大丈夫よ。」

恵子「純子も、あの会社を再生させる気ないの。」

純子「それは無理だよ。大きい儲けだけに走らないで、色々と細かい利益を積み重ねてと言ってたけど、利益出ていたからね。転換できなかったの、それが激減すると手が打ちようがないの。鉄造さんもあんまりやる気ないみたい。もう新しい投資して成長する事も難しいでしょう。紡績は、準備してても大変なのよ。今は整理して赤字を少なくして、再編の可能性を考えて行った方がいいよ。混乱はいつか収まるよ。功一兄さんの所は、功一郎さんと功二郎さんが協力してうまく乗り切ったよ。多様な製品もあるし。」

恵子「お前、色々言ってたのでしょう。功一さん、意外と聞く耳持つ人なのね。鉄一は、金できて、才もないくせに慢心した。一方才ある功一さんが人の意見聞くようになった。」

純子「功一兄さんは変わっていったよ。愛されるだけでなく、珠代姉さんを愛するようになって変わった。珠代姉さんの意見も聞くよ。お姉さんの病気以来夫婦で助け合ってるからね。さっさと引退して珠代姉さんと暮らしたいといって息子たちに任せていたし、功一郎さんたちも人の意見を良く聞いているよ。」

恵子「結局、夫婦仲次第か」

純子そうとはいえないけど、晴れの日に傘を準備するのは難しいのよ。晴れはいつまでも続くと思いがちだしね。夫婦仲というより、人の意見を聞くようになれば、それなりに準備できるでしょう。ただ夫婦仲悪いと相談しない癖つくのがいけないと思うよ。それに儲け過ぎは、後々響くのよ。お金は貯まるけど、次ぎもそうなると期待するのが危険なの。

恵子「ここはもつかね。」

純子「ここは健全だし、技術高いけど、幸之助や知子が、どの程度人の言う事を聞くかだよ。それに私の考えだよ。常に安倍とか市橋とか治部が、いつも経営できる人がいるのは難しいよ。やはり、会社大きくなると、いつかは他人が経営するようになるよ。」

恵子「それはそうかもしれない。でも知子ぐらいまでは持つだろう。」

純子「そうだろうね。でも私も多分いなくなるよ。私の考えだよ。会社でも業種でも大変な波が来る時とこない時あるよね。そんな時にどう対応できるかだよ。大変な波が来なければ、どんな人でも問題ないけど、来た時の対応次第だよ。お母さんは乗り切ってきた。でも他の人は分からないよね。」

恵子「そうだろうね。それは知子が決める事だね。」




純子の挑戦 No.9

2012-12-26 03:44:07 | 純子の挑戦

安部鉄一は、会社も順調だったが
突然亡くなった。



鉄一は、接待に追われて不規則な生活が続いて、突然亡くなった。照代と三人の子どもたちは、鉄一の急死により、遺産相続が長引いていた。鉄一が商会の株を譲渡していた事もあり、現金も多額であったし、幾つかの資産は、照代がいくつかの資産の名義を自分名義にした事も分かり、それが相続をより複雑にしていた。その内に、鉄造と鉄二郎が主導権争いを始めて、鉄鋼では意志決定ができなくなっていた。春江は、鉄鋼の株よりも現金をと言い出して、現金換算の値を巡っても揉め、混乱に拍車をかけた。


純子の商会




純子の商会には、取引会社や出資金を出している会社からも、人材が集まるようになった。多様な人材が集まれば、管理が大変であるが、逆な意味で純子は管理しなかった。さすがに、決まった製品を作る製造会社と違って、多様な商品を販売して、金額も多く、計画も緻密とは言えない商会では、判子2つでは、終わりではなかった、判子の数は、1つ増えた。報告する人と決断する人とそしてその結果を聞く人になった。

純子は、判子が増えれば、それだけ責任感がなくなると思っていた。判子の数が増えればみんな責任がなくなり、判子押した事すら忘れるのだ。

商会は、いくつかの会社の集合体になっていった。幾つかの組織毎に、総括的に評価していく人たちを作った。ただ評価しても利益は生まれない。行動するための評価でなくてはならない。逆に言えば、評価も評価される。どんないい評価も、次の行動に行かされない評価は、評価とは言えない。

そんな複層的な組織体になっていった。次々と新しい事をやるので、同じ会社で競争する事すらあったが、特に止めなかった。勝てばいいのである。

純子は複雑な計算が好きなので、部門毎に、賃金は違っていた。一定の組織毎に、管理部門に管理費用を払い、部門の利益を出して、その利益が決められた額を超えると、利益に比例して基本給に付加給が追加されていく。それを細分化していく事もある。すると部門の中でも賃金に差が出る。

弊害はあった。平均利益率より低いものは、誰もやらなくなってしまう。利益率が低いものの重要な仕事には、特別の仮想利益が付加される。賃金は、運営準備金で調整する。賃金の上下も緩やかにした。原則的には残業は禁止していた。残業手当を高く設定して、部門利益から残業手当を超える金額が管理へ払う。部門利益は減る事になり、付加給は上がりにくい。商会としての禁止行為として、設定よりも高い利益率で販売する事や賄賂を贈る事を挙げていた。公表されないものの、監視する人がいた。時々不自然な人事異動があった。 



商会としての内部保留は、計画通りに増えた。賃金は比例配分の付加金額で変動する。突然の減少を避けるために運営準備金を当てた。



純子は、時折新しい仕事を始めたり、新しい分野に進出していた。その場合高い仮想利益がついたので、各部門が受けてうまく行けば、高い賃金になる。誰も受ける所がないと、新しい人たちがやる事になる。部門でも考える。その場合部門として仮想利益をつける。仮想利益分は年間計画で設定して、商会自身と部門毎に、自由に使える金額を設定していた。前年繰り越しもあった。色々な規則や計算式があって、大変であった。しかも部門毎に同じものもあったが、異なっていたものもあった。 



純子の賃金は一番高い部門長の3割増として、一番高い報酬だったが、報酬として基本給の三分の一を受け取った。純子には配当が出た。商会は利益も高く、配当も高かった。決して安い配当ではなかった。それで十分と云うよりも多すぎる程だった。純子は、相談担当の役員と数人の相談員がおいた。相談担当の役員に純子は自分の報酬の残りの金額を預けていた。困っている人には、貸していた。時間交替で相談に応じていた。商会では、接待は禁止せず、部門利益から引いた。管理も部門利益が分配されている。商会では利益に応じて、利益分配金も基本給に追加され、この金額も多大であったが、純子はそれもこの役員に預けていた。お金が足らなくなって、純子が配当から追加する事も当初はあったが、そんな事は少なくなって、逆にこの役員が保管する金額は、増え続けていた。 




純子の挑戦 No.8

2012-12-25 01:41:20 | 純子の挑戦

安部鉄一は、有力財界人と
呼ばれるようになっていた。




鉄一は、思っていた。
純子は凄いと思っていたけど、何でボロ儲けてきる機会があるのに、しないのだ。その上純子に隠れて、ボロ儲けしていた幹部を左遷してしまった。ボロ儲けしようとすると結局大損すると言ってるらしい。馬鹿な、俺でも、ボロ儲けしているのに。純子は、俺の何倍も情報もっているのに。

会社の保留金は、ついに俺の会社が一番多い。訳のわからん関連会社を将来のために作ったり、従業員への利益還元などして、利益が上がらなくなったら、どうするのだ。純子が寝言いってるから、商会から来た営業もここは利益還元が少ないとかほざいたので、商会へ返した。

今は自社販売など、経費の無駄だ。政府関係の接待要員がいれば、儲かる。働く機会の確保など、甘い事をいってる。親父の寝言を間に受けている。少ない人数でできるだけ儲けるのだ。それが会社というものだ。戯言のような商会の出資金の分散で、俺には現金が入ってきた。しかも出資金減ったのに、利益分配金そんなに減ってない。丸儲けだった。銀行など先の見えないものには、純子がうるさいから、雀の涙ほどの出資で誤魔化した。経済見通しや経済動向だという寝言聞くために、金払えるか。軍や政府の高官と、接待すれば、直ぐに分かる。少し金はかかるし、挨拶料もいるけど、一回ボロ儲けするとお釣りがでる。 



自分の息子や娘も、好きな女や男ができれば結婚させている。純子は、そんな甘い事している。恵子姉貴もそうだし、あいつら甘い。政府の高官や大きな会社の息子や娘を選んで門閥をつくるのだ。鉄造は、失敗した。普通の会社員の娘と結婚させてしまった。

鉄二郎は、財界の大物の一人娘と結婚させた。好きな男や女と一緒にさせて何の得になる。何を寝言、言ってるのだ。好きな女がいれば妾として、好きな男がいれば囲えばいい。洋次郎の妻の真弓など、弁護士でも前の戸籍がわからないと言ってる。内務省の元高官の養女としたから、調べようもない。あれほど巧妙に前を消すとは。姉貴でさえ知らないようだ。年上だし、どうしようもない女かもしれない。妾にすればいいのだ。洋次郎も馬鹿だ。帝国大学の法学部に入っていながら、私も働くと言って、現場で働いている。現場で働いて何がわかる。幾つかの企業でも幹部教育とか言ってそんな事しているが、所詮誤魔化しだ。管理する立場と管理される立場は違うのだ。純子の考えはみんな甘い。しかも、みんな、あの姉貴まで、寝言に洗脳されている。



照代は、思っていた。

鉄一は、この頃変わった。鉄造の結婚までは普通だったが、鉄二郎にも好きな女の子がいたのに、資産がないとか、家柄が悪いと言って、諦めさして、財界の大物の一人娘と一緒にさせた。どうしようない娘だ。私も話す気もない。向こうもそんなようだ。鉄二郎には、好きな女がいれば、妾にしろと言ってるらしい。鉄一にもいるようだ。鉄一は知らないのだが、鉄二郎には既に子どもがいる。好きな女ではないが、妾でもいいと言った芸者に子どもがいる。鉄造は、一人息子がいるが、鉄二郎とあの一人娘には子がいない。家に帰らないのに、子どもができるものか。私ももう鉄一と寝る気もないし、あいつも寝る気もないだろう。この頃は、芝居見物をして、男前の役者がその後挨拶にくる。心はないが、適当に息を抜ける。鉄一の資産は分かっているし、いくつかの資産は私名義にしたり、現金も確保しておいた。恵子さんは、いまでも一平さんと仲良く仕事している。ひいばあちゃんだといいながら私より若い。



春江も可哀想だった、いい青年だったのに、別れされた。いくら海運会社の息子でも、あんな馬鹿が旦那では。春江は、一緒に空気吸っても吐き気がすると言って、よく私と芝居見物していた。可能性のある娘だったのに、生気がなくなっていた。純子ちゃん程大した可能性はなかったものの、この家の娘だ。伸ばせば伸びる娘だったのに。漸く、純子ちゃんと会って話をして、何かしたいと言っている。たまには、吐き気抑えながら、旦那と寝てる。私は女郎だ。と悲しそうに言ってる。

鉄一は、うちには、孫が少ないとほざいている。家に帰らない息子や旦那と一緒に空気吸うのも嫌だと言ってる嫁に子どもができるものか。こっちが本家とほざいている。もうあいつには、愛想が尽きた。