傍観者の独り言

団塊世代で、民間企業で「チンタラ・グウタラ」に過ごした人間の手前勝手な気儘な戯言・放言。

佐藤郵政社長就任は、「脱官僚依存」、「天下り禁止」を脱線しているのか?

2009-11-09 06:12:42 | 郵政民営化

国会論戦でも、メディアでも、相変わらず、佐藤次郎元大蔵次官の日本郵政社長の任用を、民主党の「脱官僚、天下り・渡り禁止」の公約違反と騒いでいますが、当方には、どうでも良く、日本郵政事業を刷新し、国民に利益になるように早期着手を望みますね。
「脱官僚、天下り・渡り禁止」の公約違反を逸脱していると言われれば、そういう側面は否定できない程度であり、鳩山政権の「脱官僚依存」には逸脱しておらず、事実上の国営の日本郵政事業を任せるのであって、政治任用の側面はありますね。

衆参予算委員会でも、昨日のTV番組でも、佐藤郵政社長就任を、民主党は「脱官僚、天下り・渡り禁止」の公約を逸脱していると糾弾していましたが、民主連立政権は、日本郵政事業の刷新をマニフェストに掲げており、その担当相が亀井郵政担当相であり、亀井郵政相が佐藤次郎氏の手腕を期待して、過去官僚であろうと現在官僚であろうと民間人であろうと、その中で適材として佐藤次郎氏を任用したのに過ぎず、「やれ、小沢幹事長の人脈だ!」、「ミスター大蔵省といわれた人物で、天下りだ!渡りだ!」は騒ぎすぎと思いますね。
亀井郵政相に任命責任あり、佐藤郵政社長が亀井大臣の期待に外れであれば、罷免されるだけの問題でしょうね。

当方は、高齢少子化社会に向けて、郵便局ネットワークと人的サービスを組み合わせした新しい社会サービスを創出しない小泉・竹中郵政民営化には反対者であり、閣議決定された「郵便局ネットワークをワンストップ行政の拠点としても活用する」の内容に賛同するもので、佐藤新社長の手腕に期待しています。
また、赤字体質の現下では、財政出動し、国債発行を余儀なく、国債の安定受け入れ先は、重要な政治課題であり、「官から民へ」から逆行することも当然の解と思っていますね。


植草一秀氏のブログ「知られざる真実」の「全国民必読の副島氏新著『ドル亡き後の世界』」で、副島隆彦氏の見解を紹介しています。
副島隆彦氏は、米国経済の最大のアキレス腱は、米国が巨額の経常収支赤字を継続している点にあり、ドルの信認が根底から揺らぐ危険性を唱えております。
一方、不安定なドル世界におり、米国国債売却は不可能であり、当面の財源の捻出は、無駄削減か、国債しかなく、国債の安定購買先の確保は当然ですね。

一方、池田信夫氏は、ブログ「勝間和代氏のためのマクロ経済学入門」.で、
”「菅直人副総理(国家戦略室担当)に対して、勝間和代氏が「まず、デフレを止めよう」と題したプレゼンテーションを行なったようだ。その内容は出来の悪い学生の答案みたいな感じだが、これが国家戦略に影響を及ぼすとなると放置できないので、少しコメントしておこう。」”
と勝間和代女史を批判し、ブログ「複雑な問題に簡単な答はない」で、
”「けさの私のつぶやきには200近いコメントがついた。勝間氏の話は10年ぐらい前のリフレ派の議論の劣化コピーで、あらためて論じる価値はないが、「対案はないのか」という類のコメントがあるので、少し問題を整理しておこう。
・・・・
その対案が何かという問題は、非常にむずかしい。私は率直にいって、そういう(実行可能な)対案が存在するかどうかも疑問だと思っているが、抽象的にいえばそれは自然水準そのものを引き上げる政策である。そのために必要なのは、短期的な財政金融政策ではなく、労働市場を柔軟にして労働生産性を引き上げるとか、資本市場を活性化して企業買収を促進するなど、生産要素の効率的な再配分だ。これはリフレのように単純明快ではなく即効性もないが、すべてを解決する「1番ピン」が存在しないと認識することは重要である
。」”
と論調しています。
要は部分解には意見はあるが、全体解は持ち合わせていないということですね。

当方は、経済も、経営も、政治も疎い人間であるが、有識者の意見は、狭義世界の部分解ではないかという印象を持っています。

また、大前研一氏が日経BPサイトに寄稿「日本がアルゼンチンになる日の予感がする」で、
”「再国営化するゆうちょ銀行は「国債消化機関」になる」とし、「民主党が斎藤氏を連れてきた本当の理由は、おそらく政府が無駄遣いできるシステムを作り上げることだろう。これは「カネはいくらでもある。
ドンドン使え」の亀井大臣にとっては首尾一貫した任命である、と見ることができる。その点で斎藤氏の任命は思いつきや偶然ではなく、必然であったのだ
。」”
と政治的な必然性としている。

しかしながら、大前研一氏は、民主党には天下り禁止の公約違反を批判し、
”「しかし、金融機関が「産業の血液循環剤」としてしっかり機能してくれないと、経済は停滞したままになる。そうなれば日本の将来は暗い。斎藤氏就任のニュースを一企業の社長交代劇だと単純に片付けるわけにはいかない。
このまま進めば、ゆうちょ銀行も他の銀行も、すべては国策に沿って国債買い取り機構となり、「西部戦線異状なし」状態で何の不都合もなく財政赤字を消化する装置が出来上がる。
そして国債の格付けが低下し、どこかで矛盾が露呈して、この良くできた仕掛けが破綻することになる。日本がアルゼンチンになる日である
」”
と結んでいますね。
要は、安易な国債買取の金融機関を放置の危険性を指摘しています。
まだ、大前研一氏の論調のが建設的な批判かなという印象です。

世の中、何事にも賛否両論があり、鳩山政権に矛盾が散見することは認めているが、有識者の批判も、大手メディアの批判も、狭義の次元での論調であり、高次元の建設的な批判でないことが寂しいですね。
「地位(役職)が人間を育てる」と言われるように、素人で大丈夫かなという人間が高職についた場合には、謙虚に一生懸命に取り組み、高職に相応しい人物になってゆきますね。
鳩山政府には、そんな印象をもっておりますね。
また、それを願望しています。


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