ジャーナリストの吉田 鈴香女史が、日経ビジネス・サイトに、寄稿したコラム「もう元には戻らない郵政民営化」(亀井大臣よ、「地方重視」ではなく「地域主権」なのでは?)は、バランス感覚のない偏狭・偏向の意見ですね。
吉田鈴香女史については、もう少しバランス感覚があると思っていましたが、最近のコラムを一読すると、バランス感覚の欠如した「固執症」ですね。
「みんなの党」の親派を名乗り、応援することは自由ですが、亀井大臣の日本郵政改革案に反対意見も結構ですが、その根拠が飛躍しており、当方には、暴論としか思えないですね。
吉田鈴香女史は、日経ビジネス・サイトに寄稿している「もう元には戻らない郵政民営化」で、吉田女史は、亀井大臣の日本郵政改革案を中央集権化型の地方重視とし、地方分権型にすべきとしていますね。
吉田女史は、閣議決定された「郵政改革の基本方針」の根底は、「東京が一番」、「地方」=「貧しい」「経済的弱者」「都市部が面倒見なくては生きていけない地域」の見方の中央集権的な「地方重視」とし、「あまねく公平に」「ユニバーサルサービス」を中央が決めて押し付けでなく、地方に住む住民たちが自分で「これがほしい」と決定する自己決定権を尊重する「地域主権」であるとしていますね。
そして、都市部の郵便局は不要、地方の郵便サービスは行政が代替すべきと発言しています。
マアー、将来思考としては一理はあるが、時期尚早ですね。
吉田女史は、郵政民営化の逆行は、改革期待の投資家が「日本は反市場主義」と失望し、株安、円高になるとし、事実、円安・株安と論じています。
吉田女史は、小泉・竹中コンビの郵政民営化を是認する立場であり、反証したい心情は想像できるが、亀井大臣の郵政民営化で、円安・株安が進行したのではないですね。
円安は、アメリカ発のドル安容認が発端であり、亀井大臣の郵政改革は、市場は既に、織り込み済みで、反応薄でした。
逆に、日本郵政が国債の受け入れ先が確実となった妙味がありますね。
また、吉田女史は、米国が日本に経済政策で要請(略称:年次改革要望書)は、至極当たり前とし、日本も同様なことを米国にすればよいだけのことを、それを、外資による日本の占領だなどとセンセーショナルな警戒心をあおったのは、亀井大臣を含む与党である。偏狭なナショナリズムをあおることは、止めなくてはならないと論じています。
当方には、年次改革要望書を積極的な是認の意見を見聞したのは始めてであり、違和感を感じましたね。
過去、日本が「エコニック・アニマル」と揶揄され、アメリカが経済活動の急激な変容を恐れた時代であれば、吉田女史の年次改革要望書を是認する意見は容認できます。
現実は、アメリカ発のリーマンショックで、世界不況になり、金融不安となり、世界が多極化し、資源国家・民族主義が台頭し、特に、アメリカが退潮し、中国・インドらの新興国が台頭し、環境問題・食糧問題が深刻な不安定な時代には、世界は協調が不可欠であり、何らかの経済安定化を模索するのは当然です。
しかしながら、アメリカから年次改革要望書は、日本がグローバル化の契機になったことも事実でしょうが、基本はアメリカの国益の為の要望書であり、それを全面的に是認する論調は、バランスを欠いているとしか思えないですね。
吉田女史は、結語を
”「現政権は来夏の参議院選挙で負けようものなら、「ハゲタカファンド」と称して米国の投資家を批判し、「民主党政権が倒れたとすれば、アメリカの陰謀である」「ユダヤの陰謀」という、いわゆるコンスパイラシー・セオリー(陰謀説)を流布するかもしれない。これは、国内の不満を治めるために、いまだに中南米や東南アジア、中東でよく使われる手である。
与党は政局のために郵政を利用した。日本を陰謀史観の国にしてはならない。 」”
と、亀井大臣をアジテーターと酷評していますね。
当方には、年次改革要望書については、吉田女史とは、真逆の意見です。
年次改革要望書を順守したのは、小泉・竹中コンビの「郵政民営化」であり、国民の共有財産・資産を、特定企業に譲渡し、金融商品としてビジネスを指向したのに過ぎないのです。
決して、国益に見合う郵政民営化でなく、特定企業のビジネスの為の郵政民営化だったのです。
吉田女史は、コラムで、「みんなの党」の政策ブレーンの高橋洋一氏の名前を出していますが、当方も高橋洋一氏著「さらば! 財務省」を購読し、郵政改革の必要性は理解したが、郵政4分社化は、高橋洋一氏の経済学的な観点と、マッキンゼー社の宇田左近氏の経営学的な観点での合致したと記述があり、最大の問題と思いましたね。
社会的な問題、人間の営みという観点が欠落していた点です。
郵便局という物理的な全国ネット拠点と、情報ネットワークと、人間によるサービスという要素を、何故、高齢少子社会で、新たな社会サービスを創造しなかったかということです。
吉田女史は、「松原教授によると、亀井大臣らのアイデアでは、年金需給や、ワンストップサービスを地方の郵便局に委託して、赤字を減らす意図であるとか。そのニーズもあることはあるが、「これを委託する」と、中央政府が決める必要はない。それらを含めて、地方自治体に業務を委託するほうがはるかに良い。」と郵政事業を地方自治体へ委託せよと主張しているが、曲解による極論としか思えないですね。
民間企業にお世話になった当方が、亀井大臣の郵政改革で、一番、懸念するのは、民業圧迫ですね、民業圧迫だけは留意してもらいだけです。
既存の金融資金と顧客をもち、郵便局の物理拠点と情報ネットワークと人的サービスがあれば、行政サービスもあるが、社会サービスは多岐多様に創出できますね。
セコムが成長したのは、物理的拠点と情報ネットワークと人的サービスの3要素が生かせることを前提として、新規事業を創出し、成長してのです。
人的サービスが重要な要素なのです。
当方は、吉田女史のコラムで違和感をもったのは、読者アンケートで、
・とても参考になった 59%
・ぜひ読みべき 60%
で、過半数以上が、吉田女史のコラムを好感していることです、
当方が世の中の常識から「ズレ」ているのかなー?。