会計検査院が「簡易生命保険の加入者福祉施設等の譲渡等について」の検査報告され、総務省の「日本郵政ガバナンス検証委員会」(総務省顧問の郷原信郎名城大学教授を委員長)の最終報告は4月予定であるが、郷原信郎氏は、ツイッターで”「西川体制でのガバナンス不在によって生じた膨大な損失の原因は、民営化を後戻りさせないよう拙速に事業統合や不動産売却を進めようとしたことです。」”と語っているのに、何故、検察は捜査しないのか?
検察は説明責任があると思いますね。
ブログ「ゲンダイ的考察日記」様のエントリー『それでも東京地検が「かんぽの宿」疑惑の告発を捜査しない不公平』で、日本郵政の西川善文前社長が「かんぽの宿」疑惑を取り上げた「日刊ゲンダイ」の記事を紹介しています。
一部転載すると、
”「昨年5月、当時の野党の国会議員12人が西川社長を刑事告発しました。所有物件を格安で売って日本郵政に損をさせようとしたのは、特別背任未遂の罪にあたるというものです。ところが、あれから1年以上経つのに、東京地検は告発をタナざらしにしたままです」”
と、検察は鳩山首相、小沢幹事長の告発は受理し、本格捜査したのに、西川前社長疑惑は音無しは不可解ですね。
また、「日刊ゲンダイ」の記事『中間報告でデタラメ明らかに 西川前日本郵政社長の横暴、厚顔』では、
”「クビは当然
「企業統治上、非常に問題があった」――。日本郵政の旧経営陣の企業統治(ガバナンス)を調査する「日本郵政ガバナンス検証委員会」(委員長・郷原信郎弁護士)の中間報告で、西川善文・前社長(71)らのデタラメ経営が次々と明らかになった。すでに民主党や国民新党、社民党の国会議員から、特別背任未遂などの容疑で告発されている西川前社長。“包囲網”は狭まったのか。
先月31日にまとまった中間報告で、何と言っても驚くのは、西川前社長の横暴ぶりだ。
例えば、昨年12月に855億円もの損失を抱えて解散が決まった郵便事業会社と日本通運による「JPエクスプレス事案」。西川前社長は、統合後の赤字予想に難色を示す反対派を押し切って契約を締結。4年度目に黒字化するという“架空”の目標を立てさせたのだ。
「かんぽの宿」の一括売却でも、不動産市況の低迷を理由に処分の中止・延期を提言したアドバイザーの「メリルリンチ日本証券」を完全無視。物件のマトモな鑑定評価さえしないで売り払った。
「『チーム西川』と呼ばれた三井住友銀行出向組もやりたい放題だった。年間400億円ともいわれる広告をめぐり、日本郵政が代理店契約を結んだ博報堂から、選定に当たった三井住友出身の幹部が飲食接待を受けていたのです。日本郵政は民営化が決まっていたとはいえ、当時の社員はみなし公務員。通常なら、癒着や汚職が疑われかねない。利益相反行為も散見され、上場企業なら株主代表訴訟モノです」(総務省担当記者)
西川前社長は、検証委の説明要請も徹底して無視する厚顔ぶり。郷原委員長はこう憤る。
「官業を民業に移行するには大きなパワーがいる。日本郵政の今後の経営や在り方を良い方向に持っていくためにも西川前社長に話を聞きたかったが、ヒアリングには一切応じていただけなかった」
日本郵政に詳しい経済ジャーナリストの町田徹氏も言う。
「現時点では、明確な法令違反などが見つからない限り、旧経営陣の刑事責任を問うのは難しいでしょう。ただ、西川体制の幹部社員が多く残っている難しい調査の中で、これだけ西川前社長の責任を追及する中間報告が出てきたのは驚きです」
こんなトップを守ってきた自民党政権はホントにロクでもない。」”
と西川前社長の乱脈経営を糾弾しています。
会計検査院から「かんぽの宿」売却を疑問視され、「日本郵政ガバナンス検証委員会」からは横暴な経営が批判されているのに、検察が何ら動きがないのは不可解であり、その説明を求めたいですね。
ガバナンスの語句を使って経営問題にしているが、別な言葉でいえば、官民による背任横領ではないでしょうか?
日本郵政を追求してきた町田徹氏は、「週間朝日」(4月2日号)に寄稿した『あきれた小泉民営化の実態』で、小泉民営化で「旧郵政関係者、つまり、”身内”が密かに私腹を肥やしていた可能性が高い」と言及していますが、「鳩山政権下になっても、郵政の私物化が終焉を迎える気配はない」と私物化する支配者が代わるだけなのだ」と国民新党の動きを警鐘していますね。
ただ言えることは、竹中平蔵氏・岸 博幸氏・高橋洋一氏らが小泉郵政民営化の正当性を主張し、何か空々しく聞こえてきますね。
「参考」
伊藤博敏氏の『 総務省ガバナンス委員会がメスを入れる日本郵政「西川利権」 郵貯限度額引き上げで永田町大揺れの裏側』