傍観者の独り言

団塊世代で、民間企業で「チンタラ・グウタラ」に過ごした人間の手前勝手な気儘な戯言・放言。

菅前首相:お遍路再開でも免罪符は与えられない

2011-10-04 12:37:02 | 民主党(菅政権)

菅前首相がSP付でお遍路再開し、”「一日も早い復旧・復興を祈り、歩いています」”と語っているが、福島原発事故被害を拡大した共同責任者であり、お遍路で免罪符を与えることはできない。

猪瀬直樹氏の日経BPサイトのコラム『自己弁護を繰り返すあきれた菅政権の面々 原発事故の反省なしに復興も危機管理の再構築もできない』で、菅政府が本当にSPEEDIの存在を知らなかったかと問うています。

猪瀬直樹氏のコラムの項目名を転載すると、
SPEEDIの存在を本当に知らなかったのか
・昨年10月の原子力総合防災訓練にSPEEDIは含まれていた
・危険にさらされた住民と東京消防庁
・「もっと頑張ってもらいたかった」と言う海江田氏
と、原子力防災訓練を取り上げ、SPEEDIの活用も訓練対象だったとし、
”「ふつうは首相や大臣を辞任したばかりの人たちが、自由気ままにしゃべったりはしない。まして、自己弁護のために現場に責任を押しつけることは考えられない。菅氏や枝野氏、海江田氏は、リーダーの自覚に欠けていて、言葉が軽すぎる。」”
と菅前政府を批判しています。

原子力防災訓練については、当方は、本ブログ「原発事故:収束化の立案は対策本部の責務?・・・最大のリスクは菅本部長(追記)」で、世耕弘成議員のブログ『昨年実施された原子力防災訓練を記憶していない首相』を紹介したが、当方が注目したのは、「現地対策本部」の部分で、
”「脇雅史議員の質疑でわかったことは、原子力災害対策特別措置法は官邸に対策本部を置くと同時に、現場に近いロケーションに「現地対策本部」をおくことと、その現地対策本部長には広範にわたって首相(本部長)の権限を委譲できるように規定していることと、広報は対策本部主導で行うとしていることです。」”
とし、現地対策本部の機能を疑問視しました。

その後、ジャーナリストの高田昌幸氏のブログ『「原子力防災専門官」というポストがある』で、「原子力防災専門官」が事故現場で、事故沈静化にどうしたかを関心がありました。
原子力防災専門官には、原子力災害対策特別措置法第30条の規定により、国の緊急時防災体制の中核的存在として、
”「緊急事態発生時には、情報収集と国との連絡、要員招集の判断などが主な任務となる。
特に初動時において、事業所の原子力防災管理者からの通報を受けて、速やかに防災体制を整えるという非常に重要な役目を担っている
。」”
とあり、原子力防災専門官が機能不全については、何故か、高田昌幸氏が言われるようにメディアは、取り上げませんね。
故・平井憲夫氏のコラム『「名ばかりの検査・検査官」』ではないが、原子力行政の名ばかりということだったのでしょうね。

ブログ「情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)」様のエントリー『【必見】原子力安全基盤機構が事故前、原子力防災専門官向けに作成したという炉心溶融シミュレーション画像』 で、
”「最悪の事態に至った場合でも、住民の方々に安全・安心して頂けるよう、日頃から、防災担当者への訓練を通して、原子力災害時の対応能力の習熟に務めております。」”
と紹介しているが、「仏つくって魂入れず」だったのです。

猪瀬直樹氏が指摘した「SPEEDI」については、本ブログ「原発事故:政府は「SPEEDI」試算結果の存在知らなかった?・・・疑問」で、
”「枝野官房長官は、事故翌日の「事故による放射性物質の拡散を予測した「SPEEDI」試算結果の存在は知らなかった、官邸職員の対応まずかった」と弁明していますが、事実はどうだったか疑問ですね。
「olive」ニュースでも指摘していますが、「週刊ポスト」(5.6/13)(4月25日発売)の記事『菅官邸が隠した「被爆データ6500枚」』で、「原子力災害対策マニアル」に準拠し、事故当日の11日から「SPEEDI」試算データは1時間おきに安全委員会などの端末に送信した」と報道していました
」”
と、枝野官房長官の弁明には疑問視していました。

また、猪瀬直樹氏が指摘した東京消防庁の放水作業への政治的圧力について海江田前大臣を批判していますが、本ブログ「原発事故:菅政府が消防隊へ圧力的発言・・・菅首相は即退場を」で、菅首相は笹森清内閣特別顧問との会談で、事故現場作業に不満を持ち「放水が遅い」と八つ当たりしてたと報道があり、
”「マアー、海江田万里経済産業相は菅首相から放水で罵声を浴びて、現場に圧力発言したのでしょうが、どっちもどっちですね。
現場作業の周辺環境を良化させるのは、対策本部の範疇なのに、瓦礫で消防車も苦闘したのは、対策本部が事前に整備していないことは現場作業環境の実態を把握していない証ですね
。」”
と、ど素人の菅前首相が対策本部長でいることが最大の不幸と書きました。

猪瀬直樹氏は、コラムで、
”「菅氏や枝野氏、海江田氏は、リーダーの自覚に欠けていて、言葉が軽すぎる。」”
と結んでいますが、言葉の軽さでは責任の重さの自意識の欠如ではないでしょうか?

ただ、海江田前大臣の胆力・力量なさには、失望しましたね。
海江田前大臣は、経済産業省の松永和夫事務次官、寺坂信昭原子力安全・保安院長)、細野哲弘資源エネルギー庁長官を更迭(?)をさせたが、事故の調査・検証が終わるまで、官房長官付で閉職に留めさせるぐらいの力量は発揮してもらいたかったです。
世の中、管理・監督責任を取らせることは、組織防衛の常套手段ですが、管理・監督責任を取らせずに、組織防衛を許容するほど、官僚の互恵組織が蔓延しているということの証でもありますね。

当方には、菅前首相のお遍路再開で、免罪符を与える心境ではないですね。
福島原発事故は、「知らなかった」、「一生懸命に精一杯、努力した」では甘受できない責任があります。







1 コメント

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ハチドリのエコレポート (白樺人)
2011-10-18 20:26:46
参考になりました。感謝です。お時間あれば「ハチドリのエコレポート」見てください。東京世田谷の放射線騒動やがれき処理と首長について記載しました。ご意見もいただければ。
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