傍観者の独り言

団塊世代で、民間企業で「チンタラ・グウタラ」に過ごした人間の手前勝手な気儘な戯言・放言。

福島原発事故:NHKのETV特集で認識した事・・・原子力の将来はトリウム溶融塩炉 ?

2011-10-02 14:49:03 | 社会

NHKのETV特集『シリーズ 原発事故への道程(前・後編)』を視聴し、原子力政策の歴史的過程は理解でき、福島原発事故は「安全性軽視」だったという反省はあると思うが、現在も官僚・電力会社・メーカー・学会も、将来も【原子力は日本のエネルギー政策に不可欠】という考えていることには驚きでした。

NHKのETV特集を視聴し、本ブログ「福島原発事故:ETV特集(原発事故への道程・・・後編)・・・原発至上の盲信」で、
”「番組では、「島村原子力政策研究会」は後輩が引き継ぎ「原子力政策研究会」を現在も続行しているが、研究会のメンバー全員は、”「日本のエネルギー政策には、原子力は不可欠」”という思いがあると結んでいました。
当方は、ETV特集を視聴し、資源のない日本が原子力を導入には一理あり、寛容的であるが、日本のエネルギー政策において原子力発電は絶対性では無いという思いです
。」”
と書きましたが、現在も、関係者(官僚・電力会社・メーカー・学会)に、資源のない日本のエネルギー問題に、将来も原子力が絶対的必要と唱えているのには驚きでした。

現行の原発については如何に安全性・信頼性を備えても全面的に撤退する脱原発すべきと思っており、関係者が日本のエネルギー問題を原子力でしか解決できないという考えには疑問を持っていました。

現在、福島原発事故による放射性物質の汚染地域の除染が最優先課題になっているが、原子力発電の廃棄物をも処理できず、除染された放射性物質を最終処理の技術的解決できず、単に、放射性物質を漏出・流失しないように生活環境から隔離するだけであり、技術的解決の目処もつかないのに、原子力が不可欠とは不可解でした。

当方は、放射性物質を出さない安全な原子力発電が存在するのか無知であり、原子力については、山岡 淳一郎氏が日経ビジネスオンラインのコラム『原子力の扉はこうして開けられた 敗戦から「原子力予算案」の成立まで』(P4)の

”「日本では核分裂エネルギーを兵器に使えば「」と呼び、平和利用なら「原子力」と言い換える。だが、両者はいわばコインの裏表であり、原子力発電のためのウラン濃縮や使用済み燃料の再処理によるプルトニウム抽出の技術は、そのまま核兵器開発に転用できる。強烈な放射能の危険性は軍事であれ、発電であれ、常につきまとう。核と原子力は同根だ。」”

というイメージを持っており、故・平井憲夫氏のコラム「原発がどんなものか知ってほしい(全)」に接して、脱原発すべきという考えでした。

ただ、ETV特集を視聴し、関係者が「将来も原子力」という内容が気になっておりました。
過去に、平野 貞夫氏のブログ『「日本一新運動」の原点(67)── 脱原発とエネルギー問題 』で、「トリウム溶融塩炉」を推奨しているのを記憶しており、原子力の将来像についてはどうなるのか関心がありました。

「WEDGE Infinity」に、亀井敬史氏が「軽水炉と太陽光の弱点補うトリウム原子炉」のシリーズとして、『日本に溜まるプルトニウムを消化してくれるトリウム原子炉』、『トリウム溶融塩炉 安全、安価で小型』、『町長選の争点になった超小型トリウム溶融塩炉』を寄稿しており、将来の原発は「トリウム溶融塩炉」が候補になるのでないかと思いますね。
ただ、プルトニウム使用に懸念(抵抗感)がありますね。

平野 貞夫氏のブログ『 脱原発とエネルギー問題 』で、

”「参議院議員となってから、原発行政の改革の勉強会を立ちあげ、現在のウラニウム原発の危険性、特にプルトニウムを使用する「もんじゅ」や「プルサーマル」の廃止を訴えてきた。
そして研究中止となっている「トリウム溶融塩炉」原発が、安全性からも安い経費でつくられることからも日本に適切で研究再開をすべしと運動をやっていた。
「トリウム原発」は、プルトニウムを発生させず焼却することができるので、日本が核武装しないとの宣言になること。テロリストが手に負えないこと。米国やロシアでも核弾頭のプルトニウムを焼却させるため研究を再開した。

 平成15年1月には、参議院本会議の代表質問で、日本付近の海底に埋蔵する「メタンハイドレート」(メタンガスが氷状になったもの)の開発促進を取り上げた。平沼通産大臣が「平成28年(2016)までに商業化する」と答弁して話題となった。メタンハイドレート問題を本会議の代表質問で、テレビ中継したのはこれが初めてで注目された。

 これにはおまけがついた。4ヶ月後、祥伝社から『燃える氷』という書物が出版された。日本周辺に分布しているメタンハイドレートを採掘すれば、地震を誘発し日本を沈没させることになるという小説であった。石油業界はじめ、エネルギーの国内確保を阻止しようとするグループの謀略であったと思う。

■エネルギー確保の中長期計画の策定

 平成19年の参議院議員選挙の頃、高知県東洋町でプルトニウムの燃えかす(ガラス固形化したもの)の埋蔵を引き受けることを、町長が了承し住民投票が行われた。私が民主党高知県連代表の時であり、反対運動を行い住民も許さなかった。この時、私たちは「反原発だけでは国民生活の向上が実現されない」という考えで、エネルギー確保のあり方について中長期計画を策定することになった。

 問題の中心は「原発のあり方」であり、原子力の専門家から意見を聴取し、次の構想をつくった。

1)現在のウラニウム原発は安全性に問題があるものから可能なかぎり早期に廃炉とし、20年〜30年間で全廃する。
トリウム溶融塩炉の開発を直ちに再開し、10年以内に実用化する。ウラニウム原発からトリウム原発に順次移行させ、30年以内に原発はトリウム原発を主力とする。

2)その間、石油による発電も残るので、CO2対策もありメタンハイドレートなど天然ガスの確保や活用を積極化させる。自然エネルギーの開発促進など、国内でのエネルギー確保を最重点政策とする。

3)核融合発電が実用化できるのが、60〜70年後と想定して、その間、エネルギー確保は(1)から(2)の他、従来の水力・火力を先端技術により改良し、経済産業の供給に応えていく。

 というものであった。

 平成19年の参議院選挙でエネルギー確保の中長期計画をマニフェストに入れるべきだと思ったが時間がなかった。取り敢えず「原発行政の改革として、トリウム原発の研究再開」を入れるべきだと小沢代表に提案したところ大賛成で、菅代表代行を説得するよういわれ説明したところ、「トリウム」という用語も知らず、聞く耳を持たなかった。(当面の問題
) 」”

と記述しており、野田政府が新たなエネルギー総合政策を見直すそうであるが、民主党内部には、既に、エネルギー問題の方向性がでていたのですね。

当方は、本ブログで、福島原発事故は戦後の混乱・混迷から経済成長時の副作用と書きましたが、将来、トリウム溶融塩炉であろうが、何であろうが、放射性廃棄物をださず、自らの技術で安全性・信頼性を確保でき、重大事故を即沈静化できる体制が確立するまで、脱原発路線を堅持すべきでしょうね。

現在は、原発の輸出など論外ですね。



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