傍観者の独り言

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原発事故:政府は「SPEEDI」試算結果の存在知らなかった?・・・疑問

2011-05-21 13:37:28 | 社会

枝野官房長官は、事故翌日の「事故による放射性物質の拡散を予測した「SPEEDI」試算結果の存在は知らなかった、官邸職員の対応まずかった」と弁明していますが、事実はどうだったか疑問ですね。
「olive」ニュースでも指摘していますが、「週刊ポスト」(5.6/13)(4月25日発売)の記事『菅官邸が隠した「被爆データ6500枚」』で、「原子力災害対策マニアル」に準拠し、事故当日の11日から「SPEEDI」試算データは1時間おきに安全委員会などの端末に送信した」と報道していました。

読売新聞の記事『拡散予測、翌日未明には官邸に…首相らに届かず』で、
”「枝野官房長官は20日の記者会見で、東京電力福島第一原子力発電所事故をめぐって放射性物質の拡散を予測した「SPEEDI(スピーディ)」の試算結果が、事故発生翌日の3月12日未明に首相官邸にファクスで届いていたことを明らかにした。

 その上で、「(官邸の)幹部で全く共有されず、担当部局で止まっていた」と述べ、菅首相らには届いていなかったとし、首相官邸内の情報伝達に落ち度があったことを認めた。

 枝野氏は、3月12日に届いた試算は仮定に基づくものだとしたうえで、「情報の存在自体が伝えられなかったのは大変遺憾だ。避難指示の時にそういった情報があれば意義があった」と述べ、経緯を検証する考えを示した。スピーディの存在を枝野氏らが知ったのは、12日から数日後だったと説明した
。」”
と報道。

その後、枝野官房長官は、”「スピーディの存在を枝野氏らが知ったのは、12日から数日後だった」”と説明し、”「(官邸でファクスを受け取った官僚が)重要な情報でないと判断したとしか考えられない」と述べ、職員の対応がまずかったとの認識を示した」”と報道あり。

この「SPEEDI」試算結果を官邸はFAXで受信したが、職員の判断能力が問題で自分には情報が上がってこなかったという弁明に、「olive」ニュースの記事『【国民は何も知らされないままに放射能を浴びた。】』で、「週刊ポスト」(5.6/13)(4月25日発売)の記事『菅官邸が隠した「被爆データ6500枚」』を取り上げ、

”『「SPEEDIを担当する文科省科学技術・学術政策局内部から重大証言。」
「官邸幹部から、SPEEDI情報は公表するなと命じられていた。さらに、2号機でベントが行なわれた翌日(16日)には、官邸の指示でSPEEDIの担当が文科省から内閣府の原子力安全委に移された」
福島県庁にもSPEEDIの試算図は当初から送られていたが、県は周辺市町村や県民に警報を出していない。
その理由を福島県災害対策本部原子力班はこう説明した。
「原子力安全委が公表するかどうか判断するので、県が勝手に公表してはならないと釘を刺されました」

SPEEDIは、事故発生の2011年3月11日17:00分より配信を開始している。是は事実である。
しかし原子力安全委員会は、23日の会見で「混乱を招く」として、その非公開理由を説明した。
だが15日に起きた2号機の爆発に際し、官邸は確実に本件SPEEDI情報を把握していた。
なぜなら「SPEEDI情報は公表するなと命じられていた。」のであるから、把握していなければ出せない命令なのである。
原子力災害対策本部長は、内閣総理大臣であり、その指揮命令権は完全に法律に明記されているし、各省庁に対しても国家行政組織法上各閣僚経由で命令が出せる。

特に重要な争点となっている15日SPEEDIの幼児甲状腺等価線量予測値に関しては、最早、言い逃れが出来ない。
官邸が故意か過失かは別に明確な法律上の指揮権を有している以上、その責任を免れるものではない。
・・・・・・・・・・・・・
 』”

と官邸の情報操作、特に、15日SPEEDIの幼児甲状腺等価線量予測値を問題視しています。

当方も、「週刊ポスト」(5.6/13)(4月25日発売)の記事『菅官邸が隠した「被爆データ6500枚」』を既読しており、SPEEDI試算データを枝野官房長官が存在を知らなかったという説明に違和感を感じました。

「週刊ポスト」(5.6/13)(4月25日発売)の記事『菅官邸が隠した「被爆データ6500枚」』では、前半は、計画停電に関して、東電の供給能力に「揚水発電」が加味されていなかった経過を追及し、後半のP42に、サブタイトル『福島県に「公表するな」圧力』で、

”『「SPEEDI」は、所管は文部科学省で、傘下の財団法人「原子力安全技術センター」が運用し、そこから専用回線で政府の原子力安全委員会、関係省庁、都道府県の端末にリアルタイムで情報が送られる。
それをもとに関係自治体が住民に「放射能情報」を出すシステムである
』”

”『原子力災害危機管理関係省庁会議が作成した「原子力災害対策マニュアル」にこう定められている。
文部科学省は、原災法(原子力災害法)第10条に基づく通報を受けた場合、原子力安全技術センターに対し、直ちにSPEEDIネットワークシステムを緊急時モードとして、原子力事業者又は安全規制担当省庁から放出源情報が得られ次第、放射能影響予測を実施するように指示する>」

今回の震災に当てはめると、東電から政府に福島第一原発の1~3号機の電源喪失を報告する「10条通報」は、震災当日3月11日の15時42分になされた。
政府はマニュアル通りに原子力安全センターに指示し、SPEEDIは緊急モードで動き始めた。同センターはこう説明する。
SPEEDIの拡散試算図の配信を11日の17時頃からスタートさせました。それ以降、1時間ごとに拡散状況を計算し、原子力安全委員会などの端末に送っています。
(発生から4月20日までの)試算図は合計6500枚ほどです
。」』”

記事は、原子力安全委員会は、23日に、SPEEDIの予測図を1枚、4月11日に2枚目を公表しただけで、週刊ポストの取材に、原子力安全委員会は、原発からの放射性物質の放出量が摑めず、むやみに公表すると混乱をきたすと判断したと。

さらに、記事によれば、枝野幹事長はSPEEDIのデータを知っていたはずだとし、
”『SPEEDIを担当する文科省科学技術・学術政策局内部から重大証言を得た。
官邸幹部から、SPEEDI情報は公表するなと命じられていた。さらに、2号機でベントが行われた翌日(16日)には、官邸の指示のでSPEEDIの担当が文科省から内閣府の原子力安全委に移された
名指しされた官邸幹部は「そうした事実はない」と大慌てで否定したが、政府が”口止め”した疑いは強い。
なぜなら関連自治体も同様に証言するからだ。

システム通り、福島県庁にもSPEEDIの試算図は当初から送られていたが、県は周辺市町村や県民に警報を出していない。その理由を福島県災害対策本部原子力班はこう説明した。
原子力安全委が公表するかどうか判断するので、県が勝手に公表してはならないと釘を刺されました
」』”

と報道していました。

記憶では、文科省が放射能汚染データを発表したら、枝野幹事長が、苦々しく「情報一元化が不可欠、今度は、対策本部が集約して発表する」という会見がありましたね。
また、後日、福島県は、SPEEDIデータは担当者に電子メールの添付で送信されており、受信している確認が遅れたという報道があったと思います。
マアー、事実はどうだったのでしょうかね?


東京新聞・中日新聞論説副主幹の長谷川 幸洋氏が、「現代ビジネス」に、細野哲弘資源エネルギー庁長官が論説委員懇談会でのオフレコ発言を開示したことで、経産省が、長谷川 幸洋氏の上司に圧力をかけ、そして東京新聞記者に「出入り禁止」とした経過を寄稿しています。

当方は、この度のSPEEDIデータの情報操作・隠蔽は、菅政府の体質と思えますね。
尖閣沖事件・ビデオ流出事件を連想しますね。
菅政府は、尖閣沖事件は、政治決断すべき事件を政治主導の問題にせずに、海保が撮影したビデオを公開せずに、検察主導の「法と証拠」による判断と強弁し、尖閣ビデオ流出事件は、事件後2ヶ月も経過し、海保現場の菅政権への異議の表われにであったが公務員の守秘義務が云々で個人の問題で収束させました。

事故から2ヵ月半経過し、今頃、SPEEDIデータの存在は知らなかった、推定値による試算であり混乱する可能性があったとか、メディアは、政局の時期でなく国難には全党一致で対処すべきという論調で、知らなかったことは小事扱いで、菅政府には寛容ですね。
世の中、政治家・官僚・電力業界・金融・報道機関・自治体も、「長い物には巻かれて、貸しをつくれ」であり、明日の生活の糧の目処がつかない被災者の浮かばれませんね。
菅首相の福島は原発の後は、自然エネルギーの基地を示唆した発言は、何か政治的な裏の厭らしさを感じますね。
前福島県知事の佐藤栄佐久氏が反対していた福島第一原発へのプルサーマル導入を決めた佐藤雄平・現知事は、福島に原発誘致を推進した渡部恒三議員の甥で、長らく秘書を務めた人物であり、福島は玄場光一郎・国家戦略相は科学技術政策担当相の地元であり、裏の世界は動いているのでしょうね。

平田オリザ内閣参与の「汚染水の海への放出はアメリカの要請」発言を、本人が撤回しているが、「火の無い所には、煙立たず」ではないが、何らかの動きがあったのでしょうね。
情報隠蔽・操作しても、必ず、後日、真相が暴露されるのが世の常であるが、無かったことにするのが政官業の既得権社会であり、真相が判明するのは社会が変化してからでしょうね。

余り、菅政府が情報隠蔽していると、第二の尖閣沖ビデオ流出事件が発生するでしょうね。
また、それを期待しています。
今度は、私憤的でなく、上手に流出させることですね。



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