傍観者の独り言

団塊世代で、民間企業で「チンタラ・グウタラ」に過ごした人間の手前勝手な気儘な戯言・放言。

原発事故:現地対策本部は想定外の行動するのも責務

2011-06-09 17:09:46 | 社会

朝日新聞の記事『原発災害マニュアル、全然使えず 政府、全面改訂へ』で、”「原発事故が起きた場合に中央省庁と自治体、電力会社が現地で対応を調整する仕組みを定めた政府の「原子力災害対策マニュアル」が東京電力福島第一原発の事故では想定外の事態が重なり、ほとんど活用されなかったことが分かった。政府は全面改訂に着手した。」”と報じています。
だからといって、初動の混乱、情報隠蔽の対策本部の責任は、免れませんね。

記事では、「原子力災害対策マニュアル」は1999年に茨城県東海村で発生したJCO臨界事故後に作成され、原発近くの指揮所に対策本部を設けて省庁や自治体、電力会社など情報を共有し、首相官邸に事故処理や非難指示について現場に即した対策を提言する狙いがあったが、指揮所は停電し、原子炉の圧力や温度、原発施設の放射線量などの基礎データを把握できなかった。
電話も不通で、官邸や福島県、市町村とのやり取りは困難を極め、放射線量が高くなり、15日に現地対策本部を福島県庁に移動したと。

朝日新聞の紙面記事『使えぬ原発マニュアル』、『「現場で対応」誤算 原発マニュアルの指揮所 機能不全』 では、より詳細に報じていますが、総括することは当然であるが、想定外といえども、対策本部の初動の混乱、情報隠蔽の責任は免れないですね。
マニュアルなど想定の話であり、事故現場は想定外の連続の火急事案の沈静実務が責務であり、現地対策本部が想定外で機能発揮できなったなどは自己弁護の職務怠慢としか思えないですね。
想定外であれば、想定外の行動(現場に直行し、現場で機能を発揮すれば良く、現場への後方支援)すればいいからです。

当方は、事故当初から、現場作業体制と外部電源の確保に関心がありました。
3月15日の本ブログ「東日本大震災:原子力発電の爆発・放射線漏洩(所感)」で、
”「現場の責任者にとっては、優先順位は核分裂を抑えることと放射線漏洩はさせないと判断すれば、解決すべき問題別に担当責任者を任用し、外部電源を確保に非常手段を講じたと思いますね。」”
と、非常電源が使用不可能を把握した時点で、火急的な作業を現場に任せ、外部電源の確保、後方支援は東電本社・保安院の責務と思いましたね。

事実、朝日新聞の3月18日の記事『「立ち去るわけにはいかない」東電社員、放射線との闘い』で、現場作業に従事している作業者の苦労した内容は、”「外からの電力が断たれたのが一番悔しい」”と語っているのを紹介しており、同日の3面の記事「送電作業 接続難航」で、
”「原子力安全・保安院の担当者は地震当日の11日、「7,8時間のうちには外部からの送電の復旧があるのでは」と話していた。ところが、発電車と原発をつなぐ低圧ケーブルがなかなか確保できなかったり、技術者がそろわなかったりして作業は難航。 そのうちに原子炉が危険な状態になり、消防車のポンプで海水を入れる緊急手段に迫られた」”
と報じていました。
想定外の外部電源の喪失であれば、想定外の行動をして、即、外部電源の確保に行動するのが、現地対策本部の責務だったのです。

現地対策本部が機能せず、指揮所が使用不可能となれば、現地対策本部の機能を事故現場の免震棟に機能を移動させ、電源車の手配は一過性とし、外部電源の確保なり、通信手段の増強を手配したと思いますね。
現地対策本部は、事故現場の全体像を把握し、現場作業を指揮および後方支援が責務であれば、現地対策本部が機能しなかったのではなく、現地対策本部が責務を遂行しなかった職務怠慢だったのです。

「原子力災害対策マニュアル」は「用が立たなかった」の総括は、自己正当性の弁明にすぎず、職務怠慢の責任転嫁です。
想定外であれば、想定外の行動すれば良いだけです。


1 コメント

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Unknown (徳永基二)
2011-06-18 11:49:35
こちらで紹介された東京新聞の記事によると既に子供達の間で放射能障害が出始めている模様

http://etc8.blog83.fc2.com/
大量の鼻血、下痢、倦怠感(東京新聞「こちら特報部」6月16日付)&微細高放射性物質の拡散
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