傍観者の独り言

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小沢事件:田代検事を嫌疑不十分で不起訴へ・・・第三者の機関で裁定を

2012-05-18 04:47:47 | 検察・メディア

虚偽捜査報告書を作成したと刑事告発されている田代検事を検察当局は、嫌疑不十分で不起訴処分とする方向と報道。
現実問題として、任意の捜査報告書が検察審査会に提出され、強制起訴の議決を促したのは事実であり、検察当局が検察の不祥事を裁定することは不適合であり、第三者の機関に裁定させるのが自然でしょうね。

八木啓代女史が代表の市民団体(健全な法治国家のために声をあげる市民の会)が田代検事を告発したのは、本年2012年1月12日であり、1月17日付けで東京地検刑事部が受理し、本件を検察当局の不起訴の方向とメディア報道されたのは、4月18日ですね。

そして、5月16日の朝日新聞の夕刊記事『石川議員聴取検事 嫌疑不十分、不起訴へ

”「石川知裕衆院議員を取り調べた検事が、虚偽の捜査報告書を作成したとされる問題で、検察当局が、虚偽有印公文書作成・同行使容疑で市民団体から刑事告発された田代政弘検事(45)=現・法務総合研究所教官=について、嫌疑不十分で今月中に不起訴処分とする方向で最終調整を進めていることが分かった。
 「逮捕中のやりとりなどと記憶が混同した」とする田代検事の説明には、一定の合理性があると判断した模様だ。ただし、人事上の処分はする方針だ。
 田代検事は2010年5月、「検事から『うそをつけば選挙民を裏切ることになる』と言われたのが効いた」と石川議員が語ったなどのやりとりを記載した
。」”

と報道し、翌日17日の朝日新聞の朝刊記事『報告書「指示は聴取後」 石川議員調べた検事が説明』で、

”「石川知裕衆院議員を取り調べた東京地検特捜部の検事が虚偽の捜査報告書を作成したとされる問題で、田代政弘検事(45)=現・法務総合研究所教官=が検察当局の調べに対し、「取り調べ終了後に、捜査報告書の作成を上司から指示された」と説明していることが分かった。
 虚偽有印公文書作成・同行使容疑で捜査している検察当局は、取り調べ後に捜査報告書の作成を指示された田代検事が、取り調べの中のメモもないまま、あいまいな記憶に頼って作成した可能性が捨てきれないと判断。田代検事を嫌疑不十分で不起訴処分にする方向で最終調整している模様だ。
 田代検事は2010年5月、小沢一郎・民主党元代表に対する再捜査で石川議員の取り調べを担当。実際にはなかったやりとりを記した捜査報告書を作成した。
 田代検事は検察当局の調べに対し、「捜査報告書の作成を指示されておらず、取り調べ中はメモを取っていなかったため、記憶が混同した」という趣旨の説明をしているという。
 一方、関係者によると、検察当局は取り調べを石川議員に確認するため、16日までに聴取を要請。石川議員側は「協力できない」として断る意向だ
。」”

と報道。

検察当局が、不起訴処分の動静については、本ブログ「小沢裁判:田代検事を不起訴報道・・・やはり、官僚組織、メディアは微動だせず」(2012-04-18)で、

”【田代政弘検事の不起訴の方向性については、本ブログ「小沢裁判:石川議員の女性秘書への不当取り調べをも問うべき!」(2012-03-15)で、3月14日の朝日新聞の社会面トップ記事『検事、法廷証言も矛盾 出版前の「石川氏の著書と混同」』(現在は抹消)に接して、

”「朝日新聞の報道では、田代検事の公判で、実際にやりとりのなかった内容の記載した捜査報告書の弁明には、事実と異なる部分があったと報道しながら、最後の最後で、検察内部の意見として、「捜査報告書の内容は捏造とはいえない。証言が混同していた可能性がある」との見方を報道していますね
。」”】”

と、田代検事を不起訴とし、人事異動でウヤムヤになると危惧し、石川議員の女性秘書への不当取り調べをも問うべきと書きました。

更に、問題なのは、読売新聞が3月2日の記事『陸山会事件の虚偽報告書、検察は1年前に把握』で、

”「小沢一郎民主党元代表(69)が政治資金規正法違反に問われた陸山会事件に絡み、東京地検特捜部検事が作成した捜査報告書に虚偽の記載があった問題で、地検が問題発覚の約1年前にこの事実を把握しながら、十分な調査を行わず放置していたことがわかった。

 報告書は検察審査会の審査に影響を与えた上、公判で証拠が問題視される結果を招いており、判断の是非が問われそうだ。

 この報告書は、元特捜部の田代政弘検事(45)(現・新潟地検)が2010年5月17日、保釈後の陸山会元事務担当者・石川知裕衆院議員(38)(1審有罪、控訴)を再聴取した内容を特捜部長に報告するため作成した。

 しかし、「『親分を守るためにウソをついたら選挙民への裏切りだ』と検事に言われ、小沢先生への報告・了承を認めた」などと、石川被告が実際は発言していないやり取りが含まれており、石川被告が隠しどりした録音記録から気づいた元代表の弁護側が昨年12月の公判で指摘して発覚した。

 複数の検察幹部によると、東京地検はこの公判より前の昨年1月上旬、石川被告ら元秘書3人の公判前整理手続き中に弁護側から録音記録が開示され、報告書の内容との食い違いに気づいたという。大阪地検特捜部の不祥事を受け、最高検が再発防止策を発表した直後だった
。」”

と、田代検事が特捜部長に報告するために、石川議員を再聴取したと報道。

朝日新聞の記事『報告書「指示は聴取後」 石川議員調べた検事が説明』では、田代検事は「取り調べ終了後に、捜査報告書の作成を上司から指示された」と説明していると報道しており、読売新聞の報道と相反する内容ですね。

一連の報道経過から邪推すれば、検察当局は、告発を受理した1月の時点で、田代検事の作成した虚偽捜査報告書を「捜査報告書の内容は捏造とはいえない。証言が混同していた可能性がある」と個人の問題に矮小化させ、嫌疑不十分の不起訴処分の方向性でメディアにリークし、社会の批判を様子見してきたとしか思えないですね。

本ブログ「大坪・佐賀両氏に有罪判決が出、田代検事を異動・・・官僚体制、メディアは微動だせず」(2012-04-02)で、

”「(3月)30日、郵便不正事件で、元大阪地検特捜部の大坪弘道・元特捜部長、佐賀元明・元特捜副部長が有罪判決となり、岩倉裁判長は大阪地検特捜部の体質を批判され、法務省としては、告発されている田代検事を一時、現場から隔離の異動せざるを得なかったに過ぎないですね。
法務省は、大坪・佐賀両人が即日控訴したが、既存体制への影響は微々たる程度と踏んだのでしょうね
。」”

と、大坪・佐賀両人が即日控訴したが、私憤に過ぎず、既存体制への影響は微々たる程度とし、田代検事を一時、現場から隔離の異動の飼い殺しの軟禁状態にさせ、4月26日の小沢裁判の無罪判決、指定弁護士の控訴の世間の反応(メディアの世論調査など)を様子見で、田代検事を嫌疑不十分で不起訴処分とし、組織的には人事処分で着地させることでお茶を濁せると計算したのでしょうね。

朝日新聞の16日、17日の報道記事は、検察当局が、石川議員の協力を得られず、田代検事による捏造の確証を持てず嫌疑不十分の不起訴処分するとの事前アナウンスは、まるで、告訴中の石川議員の非協力が問題というニュアンスの報道は御用報道機関ですね。
本ブログ「小沢事件:往生際の悪い特捜幹部・・・リークで検察組織は深手に」(2012-05-05)で、朝日新聞の5月4日の朝刊の社会面の記事『報告書「虚偽知らず提出」 陸山会事件 元特捜部長、調べに』で、佐久間達哉・元特捜部長(55)ら当時の特捜部幹部は検察当局の調べに対し、「事実と異なる内容の捜査報告書とは知らなかった」と説明している報道を紹介しました。
朝日新聞の一連の報道は、田代検事の矛盾を指摘しながら、検察当局の意向擁護もあり、商業報道機関の宿弊が顕在化していますね。

一方、検察当局は、後は検察審査会で委ねることで組織的には職務を果たしたとし、時間が解決する姿勢なのでしょうが、多分、今後も関係者のリークや自省・自戒の念の告白も予想され、安直な姿勢は深手を負う羽目になるでしょうね。

本件で最大の不可解なのは、地裁から検察は組織的不当違反行為と指弾されているのに、検察自体の事案を当事者の検察当局が裁定することであり、メディアも論評しないことです。
森ゆうこ議員らが提起している法務委員会秘密会なり、国会で裁定すべきですね。



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