傍観者の独り言

団塊世代で、民間企業で「チンタラ・グウタラ」に過ごした人間の手前勝手な気儘な戯言・放言。

橋下市長の従軍慰安婦発言について・・・・・人類の生存に関わる問題(No1)

2013-05-18 07:19:30 | 社会

橋下徹大阪市長の従軍慰安婦発言が国内外で物議を醸しているが、隠微な事柄であり人類の生存競争に関わる問題であり、真正面からモノを言うのでなく避けて通りたい問題ですね。
種の誕生から種の生存競争が自然の摂理で、人類も同様であり、従軍慰安婦問題を突き詰めて行けば戦争責任、天皇問題まで拡大する事柄であり、橋下市長の発言の真意は別にして軽率さは否めませんね。

橋下大阪市長の従軍慰安婦発言は安倍首相の持論と共通性があり、橋下市長については、本ブログで、
”「橋下徹氏は、法律に抵触しなければ何でもやるドライさ、利用できる物はなんでも利用する利口さ、一旦公言しても形勢不利と思えば方向転換する機敏さ、特徴的な例えで説得する機知さ、高圧的な言い回しで相手の本音を出させるテクニックのうまさなど特徴点はあるが、一番のすごさは、目標設定を明確にし、その実現に権限を手中するために組織力(政治力)を形成する戦略性でしょうね。」”
と書き、その手法は現実主義で、目標設定を明示し、高圧的であろうが目標実現に全力投入するのが特異的で、この度の従軍慰安婦発言も当初の発言の反応を様子見しながら方向転換しつつ持論を何処かに収斂させ、自分の進退を決めるのは選挙でということですね。

橋下大阪市長の従軍慰安婦の発言内容は、屈折的な論考色の池田信夫氏の意見に相似しておりますね。
池田信夫氏のブログを「従軍慰安婦」「慰安婦問題」を検索すると数多くヒットします。
池田信夫氏は、NHK時代に現地取材し慰安婦の番組に携わった経験もあり、慰安婦問題には精通していると自負が見受けられ、その後、朝日新聞が「慰安婦が女子挺身隊として強制連行された」という誤報を流したたことが慰安婦問題の発端という見解で、
⇒ブログ「朝日新聞という亡霊」(2007年03月13日)
⇒ブログ「歴史を偽造して開き直る朝日新聞」(2007年03月28日)
で、朝日新聞を追求し、朝日新聞に同調した福島瑞穂議員を、
⇒「慰安婦問題の「主犯」は福島瑞穂弁護士」(2012年08月17日)
と福島議員を主犯扱いにし、河野談話は見直しが必要の意見者です。

池田信夫氏は、NHK時代に現地取材し強制連行的な従軍慰安婦の証は無かったこともあり、朝日新聞の誤報・捏造報道が今日の従軍慰安婦問題の発端とし、
⇒ブログ「「慰安婦問題」の確証バイアス」(2013年01月05日)
で、慰安婦問題でNYタイムズへの反論に
”「(NYタイムズの情報ソースは)吉見義明氏だけだ。彼の『従軍慰安婦』(岩波新書)は1995年に出た本で、そのデータはすべて朝日新聞の取材を受けて彼が調べ始めたものだ。つまり最初から確証バイアスが入っているのだが、それでも事実はごまかせない。彼は1997年の「朝まで生テレビ」で「日本の植民地(朝鮮、台湾)については、強制連行を示す資料はない」と明言した。」”
と吉見義明氏の意見を傍証としてきましたね。
そして、軍の強制連行による従軍慰安婦の存在は確証がないので、
⇒ブログ『韓国政府は「強制連行」の証拠を出せ』(2012年08月22日)
で、
”「韓国メディアが「慰安婦が軍に暴行、脅迫を受けて連れてこられた証拠はない。あるなら韓国にも出してもらいたい」という橋下市長の発言に「妄言」と反発しているが、これは橋下氏が100%正しい」”
とし、
”「軍が慰安所の経営に関与していたことは周知の事実で、日本政府も否定していない。Wikipediaにも多くの事例が集められているように、どこの国でも兵士の性処理を軍が管理していた。危険な戦地で、軍が関与しないでビジネスを行なうことは不可能だ。1991年に私が取材したときも、慰安婦を含む朝鮮人労働者を日本軍の船で運搬したことを示す文書が札幌の公文書館で見つかった。」”
と、軍が慰安婦を集めた事実はないので、それは慰安所経営者だ。これを「性奴隷」と呼ぶなら、奴隷にしたのは業者であって国ではないとし、
”「慰安婦の多くが朝鮮人だったと思われるが、これは応募が多かったからだ。当時の朝鮮は貧しく、月収300円(今の150万円)以上も収入がある慰安婦は魅力的な職業だった。
・・・・・・・・・・・・
要するに慰安婦の労働実態は「性奴隷」とはいえないもので、戦後60年以上たって政府間で交渉すべき事案ではない。問題があるとすれば、日本軍が韓国女性を暴力で連行した事実が判明した場合だけだから、橋下氏もいうように、まず韓国政府が「強制連行」の物的証拠を出すべきだ。話はそれからである
。」”
と述べております。
そして、池田信夫氏は、戦争責任の清算はナンセンスとし、
⇒ブログ『慰安婦騒動という「たかり」』(2011年12月14日)
で、
”「慰安婦で騒いでいる韓国人も、補償金をよこせというたかりが目的である。日本政府が曖昧な「アジア女性基金」なるものを作ったため、彼らは「おかわり」を要求しているのだ。このように「正義」の顔をして、いつまでも政府にたかる人々を断ち切ることも、戦後に決着をつける上で重要だ。」”
と、慰安婦問題は、一部の人間の「補償金をよこせのたかり」的な要素もあると論じていますね。

要は、池田信夫氏の論旨は、慰安婦は存在したが軍主導の恫喝的な強制連行の従軍慰安婦の確証は存在しないとし、『従軍慰安婦』を著した吉見義明氏も認めているとし、朝日新聞の誤報・捏造報道が従軍慰安婦問題の起因で、福島瑞穂議員が事を大きくさせ海外まで飛び火させたに過ぎず、河野談話は見直し、「安倍首相は「慰安婦」問題を解決せよ」ということです。

慰安婦問題に不透明さあるのは、関連著書・関連者発言に信憑性が問われていることに、報道した朝日新聞の記者の身内の詐欺事件ですね。
ブログ「株式日記と経済展望」様のエントリー『従軍慰安婦事件は、韓国の詐欺グループの朝日の植村隆記者の義理の母の犯行である』(2013年05月16日)で、”「従軍慰安婦事件は、韓国の詐欺グループの朝日の植村隆記者の義理の母の犯行であり、補償金が日本からもらえるといって会費約1億2千万円をだまし取っていた。」”と記述あるように朝日新聞の植村隆記者の義理の母は逮捕されております。

一方、当方が良質と好感しているブログ「Shimarnyのブログ」様のエントリー『読売新聞が慰安婦問題の発端は朝日新聞の捏造報道、諸悪の根源の朝日新聞を断罪すべし』で、5月14日の読売新聞の従軍慰安婦問題の記事を引用し、諸悪の根源の朝日新聞を断罪すべしと書いておりますが、池田信夫氏も同様な意見をブログで書いており事実でしょうが、慰安婦問題は『ウィキペディア(Wikipedia)』で、「慰安婦」を検索すると大量の情報が記述されており、読売新聞の1記事をもって朝日新聞を断罪は性急と思われますね。

池田信夫氏は、ブログ『慰安婦問題をめぐる本社の報道について』(2007年04月01日) で、
”「4月1日付の朝日新聞朝刊(東京本社版)の早版に、次のような社告が出ている。日本の良心を代表する新聞社の社長らしい潔い進退だ。

1930年代から第2次大戦中にかけて戦地で兵士の相手をした、いわゆる慰安婦について、本社は1992年1月11日付第1面の「慰安所 軍関与示す資料」という記事において、防衛庁図書館に保管されている旧日本軍の通達に、軍が慰安所の設置を指示した事実が記載されているとの事実を報じました。この記事は正確でしたが、それに付けた「解説」において
従軍慰安婦 一九三〇年代、中国で日本軍兵士による強姦事件が多発したため、反日感情を抑えるのと性病を防ぐために慰安所を設けた。元軍人や軍医などの証言によると、開設当初から約八割は朝鮮人女性だったといわれる。太平洋戦争に入ると、主として朝鮮人女性を挺身隊の名で強制連行した。その人数は八万とも二十万ともいわれる。
と記述しました。ここで「挺身隊」と記されているのは「女子挺身隊」のことですが、これは工場などに戦時動員する制度であり、慰安婦が女子挺身隊として徴用(強制連行)された事実はありません。したがって「朝鮮人女性を挺身隊の名で強制連行した」という事実もなく、これは解説記事を書いた植村隆記者(現・東京本社外報部次長)の事実誤認によるものです。

この記事は、今から15年前のものですが、宮沢喜一首相(当時)の訪韓5日前に報じられて日韓関係に大きな影響を与え、1993年に官房長官談話で政府が謝罪する原因となりました。それが歴史的事実として定着したため、今年3月に安倍晋三首相が「軍が慰安婦を強制連行した事実はない」とコメントしたときも、海外メディアから「歴史の隠蔽だ」などの非難が集中しました。

これに関して、混乱を招いた責任は本社の報道にあるとの指摘を複数の専門家から受けました。私どもはそのような因果関係はないと考えますが、結果として誤解を招いた可能性もあるため、事実関係をあらためて明確にすることが必要だと考え、社内に「慰安婦問題検証委員会」を作って検討を進めてまいりました。その結果、前述のような結論に達したものです。

社説でもたびたび主張したように、私どもは慰安婦が強制連行されたかどうかは本質的な問題ではないと考えておりますが、そうした意見以前の問題として、事実関係について誤解を招いた責任は免れません。

とりわけ海外メディアに誤解が広がっていることについての責任の重大性を考え、ここに当該記事を執筆した植村記者を諭旨解雇処分とするとともに、私が代表取締役社長を辞すことによって、全世界の報道機関に事実関係の再検証を促す次第です。

これを教訓とし、本社は今後とも中立・公正な報道に努める所存です。ご理解を賜りたく存じます。

朝日新聞社 代表取締役社長 秋山耿太郎

追記:通りがかりの人が誤解するといけないので、念のため日付をよく見てください
。」”

と、朝日新聞を「日本の良心を代表する新聞社の社長らしい潔い進退だ。」と論評しており、読売新聞の記事は、恣意的とまでは思わないが1記事で従軍慰安婦問題を断定するのは如何かと思いました。

橋下市長の従軍慰安婦発言は、読売新聞の1記事と同様に、複雑要因が絡み合った事柄を部分的見解で全体を断定的に論じるのは安直であり、誤解を与えた言い方の問題や認識不足ではなく思慮不足は否めず資質が問われますね。
もう少し、精緻で高次元での見解を発してほしかったです。
エネルギーの浪費です。

[付記]

傍観者の当方が従軍慰安婦問題で、心情的に共感できるブログは、板垣 英憲氏の「マスコミに出ない政治経済の裏話」のエントリー『橋下徹代表の発言は「妄言」なのか、批判者たちは単に「聖人君子」ぶっている「カマトト」ではないのか?』(2013年05月16日)で、

”「日本維新の会の橋下徹共同代表(大阪市長)の「韓国慰安婦問題」をめぐる発言が、「妄言だ」として国内外で物議を醸している。軍隊と慰安婦の関係は、古代から現代に至るまで世界諸国のそれぞれの国情によって様々で一様ではない。
そもそもが、口に出しておおっぴらに喋るのに相応しくない隠微な世界のことなので、橋下徹代表のように正直に、あけっぴろげに本当のことを喋ると当然、猛烈な批判の嵐を浴びせられる。
逆に、橋下徹代表を批判する者たちは、「建前論」ばかりで、きれいごとを公言して、丸で「聖人君子」であるかのように振る舞っている半面、この問題について「無知」だけをさらけ出していて、ある意味で無責任である
。」”

の部分です。

世の中、種の起源以来、生存パワー競争であり、戦争も生存パワーゲームの発展形と考えられ、戦争中も人間(兵隊)の発情・性欲は抑えられず、その抑制と高揚が慰安とも考えられ、打算的に創出されたのが慰安婦で、人権問題以前の人間の性(サガ)の次元の問題で、時代と国柄で画一的に論評できないのですね。
人間の歴史は、戦争という生存パワーゲームの過程で、宗教的心情が芽生え、理性・良心が醸成し人間の尊厳・主権が育まれてきたのでしょうね。歴史認識は大人の知恵の一つでしょうね。

橋下市長の従軍慰安婦に関する諸々の発言は、ある一方的な視点では正論になるが、反対側からは屈辱的になる蔑視になるのです。
この問題がパワーゲームに利用されると、時勢により国益を損なう恐れがあり、正論だからと正攻法で時勢と戦って勝てるとは限らないのです。
河野談話は、ある意味、極論や聖人君子論でなく曖昧さは大人の知恵とも考える事もできますね。



コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。