傍観者の独り言

団塊世代で、民間企業で「チンタラ・グウタラ」に過ごした人間の手前勝手な気儘な戯言・放言。

サウジアラビアが石油輸入国になる!・・・脱石油も不可避

2012-03-19 19:42:16 | 社会

「日経ビジネス」サイトの大場 紀章氏のコラム『サウジアラビアが石油輸入国になる日 急増する国内需要、「アラブの春」の余波も』で、産油国の石油の国内消費が増大し輸出量が減り、サウジアラビアが2038年には石油輸入国になり、日本のエネルギー問題は深刻になると。
ガソリン価格が上がり、電気料の値上がりが決定している現下で、消費税増税が政局になっていますが、消費税増税前に、国民は疲弊するでしょうね。

大場 紀章氏のコラム『サウジアラビアが石油輸入国になる日 急増する国内需要、「アラブの春」の余波も』で、世界最大の埋蔵量を誇り、世界第2位の産油国(現在の第1位はロシア)であるサウジアラビアの国内石油消費量が急増しているという事実から、
”「 英国の由緒あるシンクタンク、王立国際問題研究所(通称チャタムハウス)は、2011年12月に発表した報告書の中で「2038年にはサウジアラビアは石油輸入国になる」と述べています。」”
と、2038年にはサウジアラビアは石油輸入国になると予想されていると。

また、石油の輸出によって経済が成り立っているため、その国家財政も自動的に石油に依存しており、
”「サウジアラビアでは、国民の不満を解消するために、石油で得た莫大な収入をエネルギーや水などに対する補助金という形で分配しています。ガソリンや電気は著しく安く設定されているため、浪費が進みます。水は電力を使って海水を淡水化して供給(住宅用の約6割、工業用のほぼすべて)しているため、安い水の浪費は即ち電気の浪費につながっています。

 すると、補助金額は膨らんでいく一方、輸出量は圧迫され歳入は減少するという悪循環に陥ってしまいます。石油価格の上昇によって生み出された構造が、さらに高い石油価格を必要とさせてしまうのです
。 」”
と、2014年には財政赤字になるとの予想もあると。

サウジアラビアなどの産油国が石油の国内消費を優先すると輸出量が減り、日本の影響は、
”「世界の余剰生産能力の多くを受け持っているサウジアラビアにおいて、たとえ生産量を保っていても国内消費の増加によって輸出量が脅かされれば、世界の石油需給はさらにタイトになってしまいます。

 このような事態は、もちろんサウジアラビア以外の産油国でも起き得ます。長年にわたり日本などに原油を輸出してきたインドネシアは、油田の老朽化と国内需要の高まりによって2004年に純輸入国に転じました。そして今年1月、「基本的に輸出より国内需要を優先する」として、原油輸出の停止を検討していることを明らかにしました。日本がインドネシアから輸入する石油の量は全体の2~3%ですが、日本の火力発電所で燃やされる石油の約5割(東京電力・関西電力では約7割)は、環境への配慮から非常に良質なインドネシア産の低硫黄C重油であり、大きな影響が懸念されます。

 まして、サウジアラビアは日本が輸入する石油の3割を占めています。現在の傾向が続けば、サウジアラビアが輸出を減らさざるを得ず、現状は非常に悩ましいものと言えます
。」”

と、日本は、石油輸入の3割をサウジアラビアからが占めており、サウジアラビアの輸出量が減れば、深刻な事態になるのは確実ですね。


現在、ガソリン価格が150円/リッター前後で、背景に、核兵器開発が疑われるイランが、米欧による制裁強化に反発し、海上原油輸送の要衝であるホルムズ海峡の封鎖をちらつかせているからと言われているが、一過性の原油高ではなさそうですね。
本ブログ「山田 高明氏:石油文明からメタン文明へのシフト・・・日本の救国に」で紹介した山田 高明氏は、

”「「新石油危機は、実は石油価格の急騰が始まった2000年代後半からすでに始まっていると見なすのが正しい。しかも、かつての石油危機と根本的に異なるのは、今回の危機には終わりがないという点である。
・・・・・・・・・・
日本は通貨が強く、世界最大の債権国であり、かなりの資源権益も確保しているので、しぶとく持ちこたえることができる。ただし、そのせいで人々の危機感が薄く、社会の構造改革も遅れるとしたら、果たしてこれは幸か不幸か。なにしろ今後、数十年というスパンで見た場合、累計で数百兆円に及ぶ国富流出に繋がる可能性が高いのだ。これは少子高齢化や財政問題と相まって、日本を貧困化させる大きな要因の一つと考えられる
・・・・・・・・・・
」”

と論じており、現在の石油価格の急騰は、終わりのない「新石油危機」に、イランのホルムズ海峡の封鎖の危機が重なったに過ぎないのですね。
この終わりのない「新石油危機」は、新興国の石油需要増が主たる要因かと思っていたら、産油国自体の国内需要増で輸出量が減少する要因もあり、脱石油の対策も不可避ですね。

石油価格の急騰の「新石油危機」に、脱原発で天然ガスによる火力発電の代替により、電気料も値上げの現下に、野田政府は、将来の「国家の計」を示さずに、不退転の覚悟で自分の政治目標の消費税増税に盲進は、どこを見て政治をしようとするのか不可解ですね。




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