銀ステ根なし草

銀のステッキ旅行・スタッフの雑記帳

喫茶店はどこへ行く

2009年07月02日 | のほほん同志Aの日常
昔ながらの喫茶店が消えていく――と言われています。

それはそうでしょう。
コーヒー中毒気味の私も、
ちょっとゆったりしたいときは、スターバックスへ。
「とりあえずカフェイン補給」のときは、ドトールへ。
資料持ちこんで甘いもの食べながら長居するときは、ミスタードーナツへ。

…とこんな具合に、チェーン店に通う回数がめっきり増えました。
というのも、居心地のいい昔ながらの喫茶店がめっきり減ったから。
いまどきのお洒落なカフェは、高いわりに肝心のコーヒーがいまいちだし(偏見)。

今朝もドトールで資料を最終確認し、
懸案だった最後の一枚の書類を県庁に提出しました。
これであとは本当に、旅行業の認可がおりるのを待つばかり。
しっかり頼みますよ!

久々に雨もあがった開放感も手伝い、界隈をぶらぶら歩き。
このあたり、路地裏に一本入ると、ただよう空気の濃密さが違う。
くたっと色の落ちかけたアジサイの群生。
その脇でぼんやり椅子に腰掛けるランニングシャツのお爺さん。
まるで一昔前の台湾映画の1シーンのよう。

さらに行くと「淡路島牛乳」の自動販売機なるものがあり、
普通の牛乳、コーヒー牛乳、イチゴ牛乳が売られていた。
そして大きな張り紙で、「新500円玉は使えません!」

…いいなぁ、このレトロな感じ。

ふりかえればこの1ヶ月は、お役所通いが日課。
公証人役場、法務局、商工会議所、県庁…。
初めて行くところも多く、物珍しさでうろうろしてきたのですが、
どのお役所も、周辺の街並みも含めて、
どこかしらレトロで味わい深かった。

なかでも一番の発見は、役所の喫茶店(たいてい地下にある)が、
昔にタイムスリップしたようで実に居心地いいということ。
「あじさい」とか「ピッコロ」とか、シンプルな店名も好ましい。
席はゆったり(空いている)、うるさい音楽なし、長居してもイヤな顔されない。
そして手際よくさっと運ばれるコーヒーが、とても美味しい。
これぞ、喫茶店。

チェーン店やおしゃれなカフェ全盛のいま、
古きよき時代の喫茶店は、
役所の地下にひっそり生き残っていくことになるのかも。

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相性の良い街

2009年07月02日 | のほほん同志Aの日常
リリーンと電話が鳴れば、「はい、銀のステッキ旅行です!」
出勤3日目ともなれば、いろんなことに体が慣れてきました。
たとえば、早起き、新しいパソコン、事務所の謎の匂い…などなど。
人間の慣れって、すごい。

通勤ラッシュが不安の種でしたが、こちらは心配無用でした。
なぜなら、ラッシュは逆方向だったので。

ふつう旅行会社をかまえると聞くと、都市部をイメージされるかもしれません。
何せ相談に訪ねた商工会議所でも
「成功したいなら東京に行きなさい」と、真顔で諭されたほど。

でも私たちが選んだのは、
東京どころか都市部ですらない、緑あふれる小さな街。
レトロなワイン色の車体がおしゃれな私鉄に乗って
初めて駅に降り立ったときの気持ちの高鳴りは、今でも覚えています。

「この街なら住んでもいいかな」
一瞬で、相性の良さを感じました。

気取らなくて美味しい店がいくつかあり、
ジョギングすると気持ちよさそうな川の流れがあり、
適度に大きな本屋と図書館があれば申し分ない。

まさに、パーフェクト。

まだまだ駅と会社の往復だけで(徒歩3分!)
街の探検はこれからのお楽しみですが、
さっそくお気に入りの場所も見つけました。

安くて、びっくりするほど美味しい、
地元で知らない人はいないというパン屋さん。
店舗の2階はグランドピアノのあるカフェになっており、
村上春樹の小説に出てきそうな、もの静かな蝶ネクタイ姿のマスターが、
きちんと美味しいコーヒーを出してくれる。
…昼食は毎日ここで決まりだな。

とまぁ、えらく気に入ってますが、
人は、たいていのことに簡単に慣れてしまうもの。
いま感じているこの街との相性の良さも、いずれ何とも思わなくなる。ふつうは。

でも幸い、「銀のステッキ旅行」のもうひとつの職場は「旅」。
日本各地や世界各国のスバらしい風景や史跡を訪ねては、
またこの小さな街に帰ってくる。そのくりかえし。

旅の荷物をほどいて、「やれやれ、我が家が一番」じゃないけれど、
帰ってくるたびに新鮮な気持ちで思えるのかも。
「この街、やっぱりいいやん」と。


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