ノエルのブログ

シネマと海外文学、そしてお庭の話

シェルブールの雨傘

2014-01-05 19:05:49 | 映画のレビュー

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ミニ・シアターで公開されていた「シェルブールの雨傘」を観に行ってきました。 言うまでもなく、カトリーヌ・ドヌーヴ主演の名作(1963年制作)。 50年も前の映画なのですが、今みても、とても魅惑的な作品!

ストーリーは・・・すみません。お話を追うより、作中のファッションや色彩に目を奪われておりました。 当時二十歳のドヌーヴが身につけるシャーベットカラー(というより、パステルカラーと言った方がいい?)のワンピースやコートの色--皆とてもキュート! 今では、クレージュ風と言っていい、洋服の上にバーバリーのコートをはおったり、髪をピンクや青や黒のリボンでくくってみせたりするのは、人形(ドール)のような可愛らしさです。青いギンガムチェックのブラウスに、水色のスカートをつけた姿も、素敵でしたけれど。

そして、ドヌーヴ粉するジェヌヴィエーヴが暮らす、傘屋さんをしている家の内装もピンク(というより、マゼンタ?)に塗られた壁紙や、アンティーク風の置き物など、現実の家というより砂糖菓子を思わせるものです。 そこに色とりどりの傘が翻るのは、ファンタジック!としかいいようのないもの。 フランスのお洒落な色彩が画面に溢れかえる、この映画・・・時を超えて人々を惹きつけてきたのも、無理はないところ。

この映画を監督したジャック・ドゥミとドヌーヴのコンビ作は、これ以外に「ロシュフオールの恋人たち」「ロバの皮」と作られました。いずれも、夢のような甘い色彩が踊るファンタジックな作品。

1950~60年代のフランスの田舎町の風景も、新鮮で楽しめます。でも、私は昔見たドヌーヴの息子であるクリスティヤン・ヴァデイム(監督ロジェ・ヴァデイムとの間に生まれた)がやはり二十歳の頃主演した「さよなら 夏のリセ」を思い出して感無量。これも、1950年代の北フランスの田舎町を舞台にした、詩情あふれる小品でした。

 


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