ノエルのブログ

シネマと海外文学、そしてお庭の話

日々のこと

2020-09-25 12:40:33 | ある日の日記

すっかり、いい秋晴れが続く(昨夜から、今朝にかけてはすごい雨が降ったけど)。

私も用事やらなにやらで、外出が続いたのだけれど、気づくと9月も下旬――栗とか、お菓子がおいしくなる時期だから、うれしい!!

上の写真は、児童文学の同人誌「松ぼっくり」で一緒の創作仲間Oさんから頂いた、Oさんが別に属している「童話工房ぴあの」の同人誌。イラストや詩、絵本みたいな物語も入っているアットホームな本――会員仲間の息があっているという感じで、いいな。十名くらいの会員だというので、こんなほんわかムードなのでせう。

遠出や旅に出たい気分ですが、まだ県外をまたいでの移動はちょっと……だから、TVなどで別世界にふれて楽しんでいます。

  

昨日、TVを観ていたら、岡山県の秘境なるものが特集されていて、それが何と高梁市の吹屋。「まっかっかの不思議な町」という大見出しつきで。

      

確かに、町全体がベンガラ色に染まってはおりますが……真っ赤かなあ? そして、番組のリポーターが飛びこんでいったのは、昔なつかしの昭和時代で死滅してしまったかのような、大きな雑貨屋さん。今では、ほとんど見かけないような種々雑多な品物が並んでいて、まるでタイムトリップしたかのようであります。

そして、店の奥から出て来たのは、こんな山中でお目にかかれるとは、とても思えないような、きれいなおばあさん。色も白く、肌はつるりとしていて、上品な美人。しかし、御年が何と、88才! うわっ、信じられませぬ。

ところが、開口一番言ったことがふるっている!「息子は、東大、京大行きました」――始めて会った、人にいきなり、そんなこと言うだろうか……。けれど、おばあさんの今までの苦労話を聞いたり、吹屋の町のしっとりした、ベンガラ色の町を見ているうちに、何だかしみじみしてくるのですね。

もう一人紹介されていた、元気者のおばあさんは、何と98才。それでも、毎日畑仕事はしているし、リポーターの具志堅用高さんもメじゃない、バイタリティーぶり。くわ一つ持たせても、具志堅さんとは耕すスピードが全然、違う!

田舎に暮らすと、元気で長生きできるんだろうか? でも、この吹屋の近くには、横溝正史の「八つ墓村」(多分、この作品だと思う)の舞台に使われた、ベンガラで財をなした豪邸があったりするなど、土俗的でありながら、風情がある場所です。

ベンガラ色を、正式に何というのか知りませんが、赤にだいだいと、黄色をまぜたような、独特な色彩。恐ろしい言い方をすると、血の色をずっと薄くしたような色でもあります。この色に染められた町、吹屋を舞台に、横溝正史のおどろおどろしい世界が書かれた小説があれば、きっと素晴らしい名作になっただろうになあ、と残念に思う私であります。

二十年ほども前に訪れたきりの吹屋の町――この小さな美しい町を、またボンネットバスで巡ってみたいですね。

 

 


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