ノエルのブログ

シネマと海外文学、そしてお庭の話

狼を日本に呼び戻す話

2017-01-13 23:01:12 | ある日の日記

パンフレットで見かけたのだけれど、日本国内ではとうに絶滅したはずの狼を再び呼び戻す運動、というのがあるらしい。
日本オオカミは、最後の一匹が明治時代だったかに死に絶えて以来、彼らのDNAを伝えてくれるものはいないはずだから、海外から狼を導入するのかもしれない。

その言うところによれば、鹿やイノシシの被害は甚大で、木々や樹皮が食い荒らされている。これは、自然破壊にもつながる上、鹿の生息数は増える一方。自然の生物連鎖を正常なものとし、自然環境を維持するためには、狼を日本に再びよみがえらせるべきというのだ。(鹿が増えすぎて、困るというのは、神社の境内に無数にいるように、『神のお使い三』として大切にされてきた歴史があるからだ、と思うのだが)
この点もしっかり強調されていたのだが、狼は人間を襲うことは、ほとんどないのだとか。

「凄いアイデアがあったものだなあ」と私はびっくりしてしまったのだけれど、ずっと昔の日本人のように、山奥や森で、オオカミの姿を見ることが可能となったら――それは、ダイナミックで魅力的な自然界の出現だろう。しかし、生物ヒエラルキーのほぼ頂点にいる狼は、きっと数を増やし、人間の生活を脅かすに違いない、とも思うのだ。
その結果、人間に射殺される狼なんて絶対に見たくないし、自然保護地域で人間に監視されながら生きる姿も、彼らのような誇り高い獣には似つかわしくない。

オオカミは、日本が深い森や藁ぶき屋根の村落や、囲炉裏に囲まれた生活と同時に失ってしまった「永遠に手の届かない」夢であるべきなのだ。

天幕つきのベッド

2017-01-13 22:46:18 | ある日の日記

TVで「朗読家」とかいうドラマが映し出されていて、市原悦子扮するお金持ちのおばあ様が、白いカーテンのついたゴージャスなベッドで本を読んでもらっていました。
いわゆる天幕つきのベッド…ベルサイユ宮殿とかでおなじみのように、大昔のお姫様とかがするものと思っていたのだけど、今でもお金持ちの人は、こんなベッドで眠っているの?

ベッドもキングサイズありそうだし、ここでレースや刺繍のめいっぱいついた華麗なカーテンを引いたら、中は別世界でありましょう。ベッドに、本とかお菓子を持って入ったら、この華麗な小宇宙から一歩も外へ出たくなくなりそう。

はたして、シンプル・機能的を最上の価値観とする現代にあって、かくも優雅なベッドに寝ている(高級リゾートホテルとか商業上の目的で使われるものは、別として)方は、本当におられるのかしら?
う~ん、気になる。誰か知っている方がいたら、教えてください。

透けてみる天幕と、そこにほどこされた綺麗な刺繍……まるで、アラビアンナイトのお姫様になったようで、ホウッと憧れてしまいますが、シーツの上にはお菓子のかけらだってちらばるし、天幕(カーテン)だって、だんだん汚れてくる。かといって、シーツやカーテンをしこしこ洗うのも、こんな夢のような優雅な調度品を持つ身としては、おかしいような…。やっぱり、こういうのは、おつきの人がいるプリンセスや、それに属した人に似つかわしいもの。
それに、真夜中、「シャッ」とカーテンを開ける音がして、目覚めたら、そこに見えるのは暗殺者の顔だったというのも、昔のお姫様たちの生活にはありそうな話ですもん。