古墳:探訪

全国の前方後円墳を中心に訊ね歩いています。

静岡県静岡市・谷津山古墳

2016-12-31 05:38:42 | Weblog
静岡県静岡市葵区柚木の丘陵上にあります。
静岡平野のほぼ中央、標高108.1mの谷津山の山頂です。
静岡鉄道、静岡・清水線「柚木駅」から徒歩約30分です。
「谷津山1号墳」とか「柚木山神古墳」とも呼ばれています。

全長118m、 後円部径70m・高さ9m、 前方部先端幅45m・高さ8m  三段構築の前方後円墳です。
静岡平野最大で、かつ最古の前方後円墳です。
前方部を南西方向に向けています。


                       (後円部)



                  (前方部から後円部を見ています)


                  (後円部から前方部を見ています)

昭和63年、静岡市教育委員会による測量調査が行われています。
墳丘には河原石による葺石が施されています。
埴輪の出土はありません。
後円部中央にある埋葬施設は、竪穴式石室です。
石室は、地元でヘギ石と呼ばれる板状の石を積み重ねてつくられています。
石室は、江戸時代(天保年間)と明治14年の柚木浅間神社の祠改築の際地元民により掘り起こされてしまいました。


そのため詳細は不明ですが、大きな板石で覆われた長さ3.5mの竪穴式石室には、朱を塗った木棺が収められていたようです。
神獣鏡(銅鏡)6面・鉄剣・鉄斧・鉄鉾・鉄鏃・銅鏃・碧玉製鏃・碧玉製紡錘車形石製品・筒形石製品・砥石・碧玉製管玉 などが出土しています。
ただこれら出土品の多くは散逸してしまっているそうです。
今ヘギ石は祠の基底部などに使われています。


古墳時代前期・4世紀末頃の築造と推定されています。

大規模の古墳なのに、なぜか史跡の指定はされていません。

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