古墳:探訪

全国の前方後円墳を中心に訊ね歩いています。

鹿児島県大崎町・神領古墳群10号墳

2009-04-25 08:00:21 | Weblog
鹿児島県曽於郡大崎町横瀬竜相の台地縁辺にあります。
大崎中学校の近くです。

全長26m、 後円部径14m・高さ?m、 前方部先端幅5m・高さ4m の前方後円墳です。
墳丘は大きく損傷をうけていて、破壊に近い状態です。

2006年、鹿児島大学の調査で、5世紀半ばころの甲を被った武人埴輪が見つかっています。
人物の顔を精巧に模していて、顔面表現のリアルさが話題を集めたそうです。
鹿児島県内では初めての出土です。
2007年の調査で、大型の舟形石棺の一部が後円部から出土しています。
盗掘を受けているため原型は留めておらず、蓋石の破片2個(凝灰岩製)が見つかっただけだそうです。
破片の特徴から、長さが2~3mの大型の舟形石棺と推定されたそうです。
舟形石棺は大分県か、宮崎県から運ばれたものとみられています。
くびれ部からは、初期須恵器(5世紀前半ころ朝鮮半島から伝わった)とみられる高坏など5点が出土しています。
初期須恵器は全国的にも出土例が少なく珍しいものです。

この古墳の築造時期ははっきりしていません。
私が訪ねた時、5、6人の方が周りの雑草を刈っておられ、古墳の周りもきれいになっていました。私の来ることがあたかもわかっていたみたいで...?
破壊を受けた古墳の姿を見て、痛ましく感じました。
神領古墳群のほかの古墳は、雑木・雑草(竹藪)に覆われ、その姿を確認するのは難しい感じでした。
いま周りは徐々に宅地化が進行しているようです。





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