古墳:探訪

全国の前方後円墳を中心に訊ね歩いています。

奈良県天理市・櫛山古墳

2008-12-27 08:24:12 | Weblog
奈良県天理市柳本町櫛山にあります。
行燈山古墳(崇神天皇陵)の東、後円部に接するようにしてあります。
全長155m、前方部幅60m・高さ11m、 後方部幅65m・高さ16m、中円部径90m・高さ18m の双方中円墳です。
埋葬施設がある中円部の西側に前方部を、東側に後方部を築いた珍しい形をしています。
全国的に見ても、岡山県の盾築遺跡や、香川県高松市の石清尾山古墳群内・猫塚古墳くらいのものです。

中円部及び後方部が三段、前方部が二段に築かれています。
墳丘には葺き石が施されていたようです。
中円部頂上から竪穴式石室(長さ7.1m、幅1.4m)が発見され、組合式長持形石棺の一部が出土しました。
石室内は盗掘を受けていましたが、玉飾りや石製腕飾り、鉄鏃、小型のナイフ破片などが出土しています。
後方部からは祭祀遺構が見つかっています。
車輪石105、鍬形石23、石製釧107、碧玉製管玉、鉄剣、刀子、鉄斧、高杯や壷などの土師器などが破損された状態で出土しました。

現在、古墳の周りには濠のような池(地尊池)がありますが、これは江戸時代に水田の灌漑用として造られたものです。
古墳時代前期・4世紀前半頃の築造と推定されています。
昭和32年6月19日、国の史跡に指定されています。
一部観察しにくいところもあります。
非常に珍しい古墳で、一見の要ありです。
水面に映る姿は大変美しいものでした。
柳本古墳群を構成しています。




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