古墳:探訪

全国の前方後円墳を中心に訊ね歩いています。

奈良県香芝市・狐井(きつい)城山古墳

2015-04-18 08:04:48 | Weblog
奈良県香芝市狐井中山の平地にあります。


               (後円部)


               (墳丘西側)


                      (墳丘西側前方部)
               

                         (墳丘東側周濠)


               (前方部)

全長140m、 後円部径90m・高さ12m、 前方部先端幅110m・高さ13m の前方後円墳です。
前方部を北に向けています。

墳丘の周りには、今も水を湛えた盾形をした幅約18mの周濠があります。
さらにその外側には幅約19mの外堤があります。
墳丘には葺石が施されていたようです。
1980年代、道路工事に伴う濠と外堤の調査で、円筒埴輪や朝顔形埴輪・家形埴輪 など多数の埴輪片が出土し、墳丘に埴輪の配列がなされていたものとみられています。
その埴輪片の特徴から、この古墳は古墳時代後期・6世紀初頭ころの築造と推定されています。

宮内庁が「陵西陵墓参考地」として管理しているため、墳丘の発掘調査は行われてなく、埋葬施設がどんなものか不明です。
ただ古墳の外堤の外側北東隅を、北へ流れる初田川から石棺蓋石が発見されています。
組合式長持形石棺材2点(現在、この古墳の南方約550m、阿弥陀橋の東詰北側に祀られています)
と刳抜式長持形石棺材1点(現在、香芝市二上山博物館の前庭に保存)、家形石棺材1点(現在、阿弥陀橋の東詰北側に祀られています)の4点です。
いずれも兵庫県高砂市産の竜山石製です。
長持形石棺は香芝市の文化財に指定されています。

全国でも81番目の大きさを誇りますが、戦国時代に土豪・岡氏が城塞(狐井塁)として用いたため、現在の墳丘は築造当時よりやや改変されているそうです。


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