古墳:探訪

全国の前方後円墳を中心に訊ね歩いています。

兵庫県尼崎市・水堂(みずどう)古墳

2014-08-23 08:02:04 | Weblog
兵庫県尼崎市水堂町1丁目25-7の「須佐男神社」境内にあります。
弥生時代中期・後期の集落跡に築造されています。
JR神戸線・立花駅の西約650m、徒歩約8分のところです。
墳丘は削平を受けていて、特に前方部は原形をとどめていません。







全長60m、 後円部径30m・高さ5m、 前方部先端幅50m・高さ?m の前方後円墳です。
前方部を南に向けています。
後円部には、尼崎市に数多いスサノオ社のひとつ「須佐男神社」の社殿が建てられています。


社殿は平成7年1月の阪神淡路大震災で倒壊し、平成10年に再建されたものです。


本殿裏には「古墳保存館」があります。


墳丘の周りには幅20mの周濠があります。
墳丘に葺石は施されていなかったものとみられます。
埴輪の出土はなく、墳丘に埴輪の配列はなされていなかったようです。

1962年(昭和37年)に発掘調査が行われています。
後円部から粘土槨に覆われた割竹形木棺(ヒノキ材)が見つかっています。
木棺は長さが約7m、幅が約1mあり、内側には朱が塗られていたそうです。
その木棺内側からは、頭を北にした人骨と歯の骨粉状のものが見つかっています。
頭部の真上にあたる部分には「三角縁波紋帯三神四獣鏡(径23cm)」が置かれていたそうです。
体の東側には直刀が、西側には短剣と直刀が、足元に当たる部分には鉄槍が置かれていたそうです。
また頭の北側には鉄槍・竹製(漆塗り)の櫛・鉄鏃が詰った胡籙(ころく)・ヤリガンナ・ノミ・鉄斧 なども置かれていたそうです。
木棺の南側には棺に接するように、土師器の壺が納められていたそうです。
玉類はなかったようです。
これらの出土品は、昭和60年3月30日尼崎市の文化財に指定されています。
「三角縁波紋帯三神四獣鏡」は、奈良県天理市にある「黒塚古墳」や神戸市にある「西求塚古墳」出土のものと同型鏡として知られています。

古墳時代前期・4世紀末頃の築造と推定されています。

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