古墳:探訪

全国の前方後円墳を中心に訊ね歩いています。

兵庫県神戸市・西求女塚古墳

2012-12-29 08:12:16 | Weblog
兵庫県神戸市灘区都通3丁目にあります。
大塚山古墳とも呼ばれています。
阪神電鉄本線・西灘駅から南東方向へ徒歩約5分ほどの所です。
阪神大震災の時、高速道が横倒しになった場面をテレビでご覧になった方も多いと思いますが、その近くになります。
現在は公園になっていて、一部墳丘が改変されています。

全長110m、 後方部一辺長70m・高さ?m、 前方部先端幅110m・高さ?m  三段構築の前方後方墳です。
前方部は、奈良県桜井市にあるあの「箸墓古墳」との共通点である「バチ形」をしています。

墳丘には葺き石が施されていたようです。
埴輪の出土がなく、墳丘に埴輪の配列はなされていなかったものと思われます。

平成5年(1993年)、発掘調査が行われています。
後方部中央にある埋葬施設は、竪穴式石室です。
三角縁神獣鏡が7面も出土し、その他の鏡を合わせる計12面も出土し大きな話題となりました。
三角縁吾作四神四獣鏡・三角縁吾作三神五獣鏡・半肉彫式獣帯鏡・画文帯環状乳神獣鏡・剣・槍・鏃・小札・冑・武具類・鉄斧・ヤリガンナなどが出土しています。
このときの調査で、慶長元年(1596年)に発生した伏見地震により、墳丘が約10mほど横滑りし、竪穴式石室が崩壊していたことも分かったそうです。

この古墳の築造時期は、古墳時代前期・4世紀初め頃と推定されています。

平成17年3月2日、国の史跡に指定されています。

これまでに紹介してきた、「東求女塚古墳」と「処女塚古墳」、それにこの「西求女塚古墳」は「処女塚古墳」を中心にして東西約3Km内にあります。
「東求女塚古墳」と「西求女塚古墳」は前方部を「処女塚古墳」の方向に向けています。
これらの古墳には、古くは万葉時代から悲恋物語が伝説として残っているそうです。
二人の男性に愛された女性が、思いあぐねて自殺したため、二人の男性も後を追ったというのです。
女性の墓が「処女塚古墳」、男性の墓が「東求女塚古墳」と「西求女塚古墳」とのこと。
後世に人が創りだしたロマン話ですが、もちろん事実ではないようです。
「大和物語ー平安時代」や「求塚ー謡曲」、「生田川ー森鴎外の戯曲」などで取り上げられているそうです。


    (前方部から後方部を見ています。)


    (後方部から前方部を見ています。)


      ( 後 方 部 墳 丘 )



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