古墳:探訪

全国の前方後円墳を中心に訊ね歩いています。

奈良県天理市・星塚1号・2号墳

2017-11-11 06:07:24 | Weblog
奈良県天理市二階堂上ノ庄町ホシヅカの平地にあります。


                 (手前の線路は近鉄・天理線です)

「1号墳・・・消滅」
全長38m、 後円部径27m・高さ?m、 前方部先端幅16.7m・高さ?m  帆立貝形の前方後円墳です。
前方部を北西に向けています。
墳丘は鎌倉時代に削平され消滅しています。


  (上記写真左手上の3棟並ぶ白壁の2階建ての家がある下あたりが1号墳のあった場所です。)

後円部東南には陸橋に造り出し部があります。
墳丘の周りには幅6.4m~8.4m、深さ0.8mの馬蹄形をした周濠があります。
葺石は施されていなかったようです。
円筒埴輪や朝顔形埴輪・蓋形埴輪・盾形埴輪・鳥形埴輪などが採取されていて、墳丘に埴輪の配列がなされていました。
周濠跡から須恵器や土師器、木製製品(槌状木製品・笛状木製品・板材の削りくず)、石斧・砥石などが出土しています。
なかでも北側の周濠くびれ部から出土した笛状木製品は、横笛としては日本最古の出土例だそうです。
古墳時代後期・6世紀初頭の築造と推定されています。

「2号墳」
全長39~41m、 後円部径32m・高さ2m、 前方部先端幅20m・高さ?m  の帆立貝形の前方後円墳です。
前方部は既に消滅(下記写真の手前田圃のあたり)していて、後円部も共同墓地になっていてわずかに墳丘が残るのみです。







1号墳の前方部を一部削って造られています。
1952年に発掘調査が行われていて、後円部中央で長さ7mの片袖型横穴式石室が見つかっています。
玄室の長さ4.7m・幅2.25mの単室構造で、羨道の長さは2.3m・幅1.27mあります。
凝灰岩製の組合式家形石棺が収められていたそうです。
盗掘を受けていましたが、棺内からは倭製鈴鏡・滑石製臼玉・瑪瑙製管玉・瑠璃製管玉・瑠璃製金張丸玉・象嵌ガラス製丸玉・ガラス製丸玉・ガラス製小玉・ガラス製管玉・水晶製三輪玉・純金製環・金銅製環・鉄刀(柄頭)・鉄鏃・石突・石鏃・刀子・金銅製辻金具・鉄製鋲留金具・鉄地金張金具・鉄地銀張金具・銅製カコ・座金付カコ・銅製鋲・鉄釘などが、周濠内からは木槽・剣形木製品などが出土しています。

1985年から宅地造成に伴う天理市教育委員会の発掘調査で、墳丘の周りに幅6~7mと幅8.7mの馬蹄形をした二重の周濠が見つかっています。
現在周濠跡は公園になっています。









円筒埴輪や朝顔形埴輪・蓋形埴輪・切妻造家形埴輪・鷹飼埴輪などが採取されていて、墳丘に埴輪の配列がなされていました。

古墳時代後期・6世紀前半頃の築造と推定されています。