古墳:探訪

全国の前方後円墳を中心に訊ね歩いています。

奈良県天理市・渋谷向山古墳

2008-11-08 08:56:23 | Weblog
奈良県天理市渋谷町向井、龍王山麓の丘陵上・国道169号線沿いにあります。
前方部を西に向けています。
宮内庁が、第12代景行天皇・山辺道上陵として管理しています。
江戸時代末頃までは、第10代崇神天皇陵とされていましたが、慶応元年に景行天皇陵に治定変更されています。
全長300m、 後円部径168m・高さ23m、 前方部幅170m・高さ23m 三段構築の前方後円墳です。
全国で7番目、奈良県内では2番目の大きさです。
墳丘の周りには幅10~15mの今も水を湛えた周濠があります。
その長さは1Kmにもなるそうです。
所々に古墳へ渡るための土手が築いてあります。
墳丘には葺き石が施されています。
また円筒埴輪や朝顔形埴輪、盾形埴輪などが採取されていて、墳丘には埴輪の配列がなされていました。
1864年、蛇紋岩製の石枕が、この古墳から出土したと伝えられています。
長さ、幅ともに31cmあり、馬蹄形をしていて、頭を乗せる部分は窪んでいるそうです。
今、関西大学に保存されています。
景行天皇は皆さんご存知のとおり、日本武尊(やまとたけるのみこと)の父王であり、日本書紀によれば、自ら熊襲に出征したり、土蜘蛛を討伐したとあります。
その勢力は、九州から関東にまで及び、日本統一の礎を築いたとされる天皇です。
もちろん日本武尊を中心にした力があってのことです。
古墳時代前期・4世紀後半の築造と推定されています。
一部見難い所もありますが、ほぼ何所からでも観察できます。
柳本古墳群を構成しています。古墳群中最大の古墳です。


「柳本古墳群」
先に紹介した纏向古墳群の北側に続く古墳群です。
JR桜井線・柳本駅の東側の山すそ一帯に分布する古墳群です。
いずれも古墳時代前期の築造とされる、13基の前方後円墳と1つの双方中円墳からなります。