虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

ハンテッド(1995/アメリカ)

2006年09月23日 | 映画感想は行
THE HUNTED
監督: J・F・ロートン
出演: クリストファー・ランバート ポール
   ジョン・ローン   キンジョー
    ジョアン・チェン  キリナ
   原田芳雄     タケダ
   夏木マリ    ジュンコ
   島田陽子    ミエコ
   岡田真澄

 名古屋にやって来たビジネスマンポールは、ホテルでナンパした女が忍者に殺されるのを目撃。彼も重傷を負う。そして忍者集団に命を狙われ始める。ポールはタケダという武道家夫妻にたすけられ、匿われる。タケダ一族とキンジョーらの忍者は数百年の争いを続けていた。

 すごい映画だった。
 この前見た(なんとノリユキ・パット・モリタ氏の遺作であった)「スパイ・モンキー」もなかなか面白い日本を映した映画だったのだが、これは「外国映画にみる変な日本」「絶句映画」のもう極めつけ。笑うのも通り越して呻いてしまった。時々思わず失笑はもちろんありましたが。『猿も木から落ちる』は超弩級パワーでした。
 それにしても、監督・脚本のロートンはあの「プリティ・ウーマン」の脚本の人で、私はあの映画がさほど好きではないとは言え、これほどめちゃくちゃな筋立てをするのが信じられない。時代劇を作法そのままで、無理やり現代に持ち込んだみたいでそれをまたけっこう他の映画でおなじみの実力もある役者がやってるものですから、変な夢でも見てるみたい。ビデオのパッケ-ジを見て製作年を何度も確認。このおとぼけがほんとに10年ちょっと前???
 クリストファー・ランバートって「ハイランダー」の彼よね? 何なの、このおでこ!!!何が何でも忍者装束に着替えないと気がすまない忍者の皆さんとか(いつもながら地下足袋が素敵)、いくらなんでも弱すぎの警官、島田陽子の装束にもびっくり。岡田真澄さんも、夏木マリさんもとんでもない扱われ方で、引きつったまま「ひえ~~ひえ~~」と呻きつつ見てしまいました。
 ジョン・ローンは不死身でアザトイところがなかなかかっこよかったのですが、タケダと忍者たちが闘う理由とか、事件のきっかけになる女殺しの原因とかが余りにもへっぽこなので、彼にとって気の毒にも見ているほうは脱力したまんまです。
 原田芳雄とジョン・ローンの決闘は他のチャンバラシーンに比べて力入っていたのですが、その直後の弓で私的には一気にしょぼーんでした。

 全編流れる太鼓もそれだけとれば素敵ですが、やっぱりねえ、役者と音楽だけではダメなのね。
 トンデモなジャンルにおいては、突き抜けちゃってすごく面白いです。思ったのですが、これは一部カットしてセリフの総入れ替えをしたらすごく雰囲気の違ったアクションになる…かな?