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虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

奇人たちの晩餐会(1998/仏)

2004年07月04日 | 映画感想か行
LE DINER DE CONS
監督:フランシス・ベヴェール
出演:ジャック・ヴィルレ ティエリー・レルミット カトリーヌ・フロ

 出版社を経営するプロシャンは、仲間たちとの晩餐会に「バカ」を招いて密かに笑いものにして楽しんでいた。今度の犠牲者に選ばれたのは税務署員のピニヨン。ところが、プロシャンがぎっくり腰になったちょうどそのときに、ピニヨンが家へやって来た。

 笑い者にするつもりの人間に私生活をかき回されて、なぜか人生棚卸をしてしまう金持ちと、バカにされるはずのお馬鹿さんの一晩の顛末を描くコメディ。
 おかしいんですけどね、はじめはちょっと素直に笑えなかった。
 バカにされるのが、ブーメランだとか、マッチ棒工芸みたいな他人にはわからない自分だけの楽しみを持って生きてる、でもそれを無理やりお披露目して力説したがるのがはた迷惑かも、という人たち。
 金持ちがいたいけなオタクたちを笑い者にしようという晩餐会の設定からしてむかむかしますし、主人公ピニヨンの要領悪さにもイライラします。これは、体調のせいもあるのだろうな、と。このテの映画は穏やかな気分の時に「しょーがないなー」といいつつ見るコメディかも。
 とはいえ、ラストで人情噺にうま~くまとめて、その上もう一息の落ちまでつけて、お見事、ブラボーでした。
 導入部以外は全部プロシャンの家なので、室内劇みたいだった。

キューティー・ブロンド(2001/米)

2004年06月20日 | 映画感想か行
LEGALLY BLONDE
監督:ロバート・ルケティック
出演:リース・ウィザースプーン ルーク・ウィルソン マシュー・デイヴィス

 プロポーズを待っていた政治家志望の彼に「ブロンドの頭悪い娘と結婚できない」と振られてしまったエルは、彼の心を取り戻すべく、一途ながんばりで彼の後を追ってハーバード・ロースクールに合格。しかし彼には既にブルネットのフィアンセがいた。 

 やっとこ今ごろ、みました。
 能天気にうまく行き過ぎるって言えばそうですけど、爽快感もあって楽しい映画でした。ブロンドでグラマーで、そんな娘はオバカにしか見られない、というのは「へえ、そうなの?」(実感がない)なんですけどね。ま、この映画世間の思いこみ一覧とばかりに並べ立ててあります。「法学部のエリートは退屈で話しベタ・自分の頭脳を鼻にかけてる」「女性運動家はブスで身なりにかまわない」などなど。映画自体がそれを否定してないし、かえってステレオタイプをそのとおりに描いとります。とはいえ、頭悪いから、と自分を振った男に同じ言葉を投げつけてやれるなんて、なんて爽快なんでしょう!
 主人公が、自分の可能性をどかどか発掘していくところ、彼女があくまで前向きで性格がいいところが気分のいいところ。それにこの映画には基本的にいやな女が出てこない。イヤな男なら出てくるけど。
 それにブロンド美女といっても、リース・ウィザースプーンきれいには違いないけど、けっこうそこそこの美女で、決して手の届かない美女ではない。それもまた成功要因かな?

カレンダー・ガールズ(2003/米)

2004年06月11日 | 映画感想か行
CALENDAR GIRLS
監督:ナイジェル・コール
出演:ヘレン・ミレン ジュリー・ウォルターズ

午前中時間が出来たので見てきました。
トロイはさすがに空き時間では見られません。

中年婦人ヌードカレンダー誕生実話の映画化。だからといってまったく事実の通りではないのでしょうが、地方都市の中年婦人の人生模様のさまざまがコミカルに、あったかいタッチで描かれて、最後までだれずにぐいぐい引っぱっていってくれる後味爽やかな映画。

前半の健気なおばさんたちのパワーが盛り上がっていくところはテンポが良くておかしくて、場内がとても沸いていた。
後半は大成功が巻き起こす反響を、ちょっとシビアに、皮肉にも描いている。ラストは、その苦さも含めて気持ちが良かった。

Movie diary カレンダー・ガールズ

かくも長き不在(1960/仏)

2004年06月01日 | 映画感想か行
UNE AUSSI LONGUE ABSENCE
監督:アンリ・コルビ
出演:アリダ・ヴァリ ジョルジュ・ウィルソン

 パリの下町。カフェを切り回して戦後を女一人で生きてきたテレーズは戦後十数年たったある日、大戦中にゲシュタポに連れ去られたきりの夫にそっくりな男を見かける。その男は頭に傷があり、一切の記憶を失っていた。

 夏のパリ。バカンスに行くことがない下町の人々。
 どっしりした、しかし疲れを見せる盛りを過ぎた年齢の女が消息不明の夫にそっくりな浮浪者を見つけ、何とか彼の記憶を呼び覚まして、夫であるのかどうか確かめようとする。それはまた、長い年月封印してきたであろう自分の幸福の記憶を呼び覚ますという苦い行為でもある。
 ラスト、私は男が夫の名前で呼びかけられて手を上げたシーンで、彼は夫であると確信してしまった。記憶の底の恐怖の記憶が彼にあの行動をとらせた、と。だが、これは映画にとっては余計な事なのかも知れない。
 その瞬間に気を失い、目覚めた後また彼女はあてのない希望を抱いて、あてのないと知りつつ生きていくのだ。「冬」を待ちながら。

 オープニングの構成から秀逸。「第三の男」で理想的美女だったアリダ・ヴァリの生活感溢れた身体と、哀切さも見事。

 しかし、どうしてこの映画がビデオにもDVDにもなってないの?

クローサー(2002/香港・米)

2004年05月28日 | 映画感想か行
監督:コリー・ユン
出演:スー・チー ヴィッキー・チャオ カレン・モク 倉田保昭

 麻薬取引を元に大企業になった裏の顔も持つ大企業をめぐって、美しい殺し屋姉妹と女刑事の駆け引きと交流。

 おかし面白かった。
 3人のアジアンビューティーが、全編アクションしてます。ちょっとぎごちないけど、きれいだからいいやっ。
 スーチーさん演じる運命のいたずらで殺し屋になってしまった美女が、昔の恋人と再会、殺し屋であることがばれてしまうシーンなんか、「ど~してこれでわかっちゃうわけ?」とか絶叫しそうだし、凄腕殺し屋が純愛を捧げるにしてはその恋人、すっごい包容力なさそう。今時珍しい熱血眉毛だけど。
 これはフィフス・エレメントか?マトリックスのイタダキか?てなシーンもそこここで見たし、突っ込みどころいっぱいだけど、きれいだからいいやっ。(昔見た忠臣蔵映画で、膂力の強そうな男の人が苦労してやってたタタミ返し、ヴィッキーちゃん、こともなげにやってた)
 それになんで日本刀なのかな?ちゃんばらは日本刀に限ります?
 それで最大の見所はラストのヴィッキー、カレン対倉田保昭の対決!長くて豪華なバトルで、映画全体をがっちりと締めてくれました!倉田さん、かっこいい!
 それで最後は「おとこご~こ~ろ~におとこ~が惚れ~て~」の女性版になっておしまい。ほんとの娯楽アクション映画。楽しかったよ!

帰らざる夜明け(1971/仏)

2004年05月18日 | 映画感想か行
監督・脚本:ピエール・グラニエ・ドフェール
出演;アラン・ドロン、シモーヌ・シニョレ

原作がジョルジュ・シムノンで
ともかくラストが悲しいのと、体調のせいもあって、見たあとなんだか落ち込んでしまい、BS深夜の「春にして君を想う」の録画を失敗してしまった。
アラン・ドロンもこうしてみると、自分の役をきっちりと演じる俳優なんだなあ、と思った。
しかしどうしても視線はシモーヌ・シニョレに行く。これは農家の主婦だし、どっしり感のある役。ちょっと見できれいという役でもないし。
でも漂ってきます。彼女のもつ危険な香り。アラン・ドロンだって彼女がいなければ、危険を感じたときにとっととずらかれただろうな。

「嘆きのテレーズ」(1952)
「肉体の冠」(1952)
「悪魔のような女」(1955)
このあたりのほっそりしていかにも背徳的なものも身体のうちに潜めた美女である彼女が、年齢を重ねて、どっしりして生活感と強さとそれなのにどこかインモラルで危険な香りが失せないというのは奇跡的。
 イヴ・モンタン夫人なんですが、やはりこのご夫婦の場合、イヴ・モンタンがシモーヌ・シニョレの夫であるという言いかたをしたほうが、はまるでしょうね。

キル・ビル Vol.2 (2004/米)

2004年05月02日 | 映画感想か行
これも時間で選んでみてきた映画。
Vol.1の血の量に恐れをなしていたので、ちょっとこわごわだったけど、良かった。

監督:クエンティン・タランティーノ
出演:ユマ・サーマン デヴィッド・キャラダイン ダリル・ハンナ マイケル・マドセン

自分が属していた暗殺団のメンバーへのザ・ブライドの復讐の旅の後編。
Vol.1は詰め込んで詰め込んで溢れかえるような過剰感が面白さでもあり、跳んじゃってる印象だったのだが、2では映画全体の印象が変わっている。綿密に詰め込まれたようだ。アクションも量と長さではなく、瞬間の動き、みたいなものに変わったようだ。
オマージュを捧げられるのはイタリアン・ウェスタンであり、香港カンフーである。だからきたないのかな。
女性たちのスタイルがかっこいい。絵になってる。

細部に「くすり」が仕掛けてある。
もうこうなったら、続編が出来てそれが「子連れ狼VS座頭市」でも驚きませんわ、私。

movie diary

鯨とり(1984/韓国)

2004年04月27日 | 映画感想か行
ビデオ屋さんで見つけて、いそいそ再見。

記憶通り、気持ちのいい映画だった。
ちょっと泥臭くて、情けなくて
日本のふる~~~い青春ドラマのような味わいもあって
主人公がのびた君みたいで
でも最後の爽やかさは前に見たときと変わらない!

音楽が声に迫力のある
ご当地的ロックという感じで、それは今回再認識させられた。
売春宿主人、ここではアブラギッシュな悪役なんですが、
最後になかなかびしっと決めてくれて、こんな甘いわけはないっ、
と思っても、こういう映画はこれでなくてはね!