二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

愉しい箱庭がある家

2012年07月14日 | Blog & Photo

前橋市の県庁付近――萩原朔太郎の生家跡の石碑が建てられている近くに、残念ながらもう廃業してしまったけれど、昭和の往時をしのばせる「アローム」という名の喫茶店がある。外壁をツタがはっていて、国道17号を通過しながら、信号待ちや渋滞でクルマが止まると、ウィンドゥ越しに、この「アローム」を撮影したことが、何回かあった。

本日午前中、近くまで仕事で出かけた帰り、ノウゼンカズラが歩道に散り敷いているありさまが、この季節の情感をあたりにただよわせているので、その横の路地を曲がり、停車余地をさがして徐行していたら、家のまわりに箱庭をめぐらせた家が眼にとまった。
まず、全景をアップしてみよう。



宮島や金閣寺、大阪城など、日本の名所がぐるりを囲繞しているさまは、圧巻の一語。
この形態は箱庭というより、ミニチュアといったほうがいいかもしれない。






しかも、プラモデルを組み立てたのではなく、ほとんど手作り。

ちょうどご主人がいたのでお声をかけたら、この方がこのミニチュアの制作者。
細部にこらされた工夫のあとが、見応えがある。
夜にはライトアップすることがあるというので、「ははあ・・・」と見ていると、どこにかくれているのか、複数のスピーカーから、音楽が聞こえてきた。

街歩きをしていると、こういうミニチュアを玄関や門のまわりにならべて、通行人の眼を愉しませてくれる家をときたま見かける。
しかし、ここまで完成度が高く、創意工夫のこらされた“箱庭”は、はじめて(^_^)/~
スイッチを入れると、SLや江ノ電みたいな電車が走り出す。
江戸時代の「カラクリ」を思い出した。

日曜日になると、近所の子供たちが遊びにきて、わいわいとにぎやかになるそうである。
「この状態で、大風が吹いたり、天候が荒れたりしたら、たいへんですね」
「ここは路地なので、風はだいじょうぶなんですよ。台風で被害をこうむったこともないですね」
「うん、なるほど。見れば見るほど愉しいですねぇ」
「夜くることがあったら、声をかけて下さい。ライトを点灯しますから」

お名前はHさんといい、六十代半ばくらいのおじさん。「心は少年」とは、こういう人をうのだろうなあ、あとでもう一回お訪ねしてみよう(^-^)

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