二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

写真集というパラダイス

2011年03月21日 | Blog & Photo
本日はガス欠でお休み。
困ったものだが、被災地の方々の悲嘆やご苦労を考えると、不平などいえないだろう。
外は小雨が降っていて、この時季としては気温が低い。
・・・というわけで、書庫から写真集を引っ張り出してきた(^^;)

写真展もおもしろいけれど、どちらかというと、わたしは写真集マニア。いや、だった・・・と過去形でいうのが正しいかも知れない。20世紀の最後の6、7年でたくさん集め、その後、しばらく関心がうせていたのだ。資金不足がつづいたせいもある。
集団「はぐれ雲」のメンバーで写真の達人だったHさんやAさんは、写真集よりは、写真展が好きだったようだ。印刷物としての写真のクオリティより、写真展のプリントのクオリティを重視していた。



これはアラーキー(荒木経惟)の写真集。
「東京物語」や「冬へ」のころの荒木さんの発散するエネルギーはほんとうにすさまじかった。陽子さんが亡くなってからの彼の写真は、じつはわたしはあまり好きにはなれない。自己模倣がはじまっているように思われるし、「エロトス」あたりで、やるべきことを、すべてやりつくした・・・といった印象をもっているのだ。



こちらは森山大道さんの写真集の一部。
ミーハーのわたしの書庫には、森山さん、荒木さんの写真集が、なんといってもいちばん多く、森山さんの本だけは、いまでも、気が向くと買っている。
ストリート・スナップの神様(カリスマ)といえるようなフォトグラファーだからだ。
何度もリメイクされ、伝説化された寺山修司との合作「にっぽん劇場写真帖」はフォト・ミュゼ(新潮社)版。アサヒソノラマから刊行された「続にっぽん劇場写真帖」も手許に置いてある。



そして、この4冊。
1.消滅した時間  奈良原一高(株式会社クレオ刊)
2.少年の港  藤原新也(扶桑社刊)
3.BERLIN  橋口譲二(株式会社太田出版刊)
4.FIRST LIGHT  小林のりお(ペヨトル工房刊)

いずれも、ページをめくるあのときの指のふるえを、いまでもはっきり覚えている写真集。
写真家は、森山さんや荒木さんばかりじゃないぞ・・・と。これらの本が、写真集のパラダイスをわたしに教えてくれたのだ。



ここにあるアジェ、カルティエ=ブレッソン、ドアノー、アーウィットのそれぞれの写真集は、「写真の歴史」を学習するために買ったのではない。あえていえば、一枚の上着を買うのと同じ。それがなかったら、生活に多少の支障をきたすから。そんな思いがこもった本なのである。



最後に、「日本カメラ」2009年2月号からいいかげんに複写した一枚。
RICHOのGR1(コバルトブルー・カラー)がコートの間からのぞいている。
なぜか、いまあらためて、DAIDO MORIYAMAなのである(笑)。
もうとっくに知っていると考えてきたこのエネルギッシュな天才フォトグラファーと、もう一回、キチンと向き合ってみたくなっている。

YouTubeに、森山さん、荒木さんの動画がたくさんアップされている。そこで、彼らの撮影ぶりや肉声にふれることができる。
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