二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

別れは突然やってくる(ポエムNO.93)

2012年11月04日 | 俳句・短歌・詩集
巣を破壊されたアリたちが右往左往している。
人がめったに訪れない古い沼のほとりでゴイサギが鳴いている。
あれはなんのために鳴いているのだろう。
ゴヤの絵から抜け出したぼくが エスキモーのようにヒゲを生やし
片足で立って こっちを見ている。

いのちもこの地球の循環系のひとつだとすれば
これからいく場所は決まっている。
生き物たちの。

ああ そこへいきつくまでのささやかな一日が去って
つぎの一日がまた去って
区切りがつくようでつかない
つかないようでちゃんとついている平凡な一日の空へ
ぼくは魂をさまよわせる。

もし そんなものがあるとしたら・・・だけれど。

さよなら。
いざというときにいえないと困るから
いまのうちにいっておこう。
父や母 妻や娘に。
可愛がってきた犬や猫に 友人に。
さよなら と。

別れはたぶん 予期せぬとき
突然やってくるのだから。

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