二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

「途中下車」「嗅覚の地図」「スフィンクス」

2011年06月24日 | 俳句・短歌・詩集
身体は数十万年もの太古にその淵源をもち 幾世代となく 一本 または数本の糸のようなもので その淵源につながっている。 ぼくのからだは 突然意味もなく現世に出現したのではない。 ある日 雷にうたれたようにそんな思念にうたれる。 かすかなうめき声をあげる。 それから買っておいたカレーを温めて食べ ウィスキーの水割りを飲んで一夜を過ごしてから いつもの場所へ いつものように出かけていく。 「ああ どうもお世話になります」 「おはようございます」 「おさきに失礼します」 「ありがとうございます」 そんなことばにまみれて過ごす一日。 . . . 本文を読む
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「サイレント・マイノリティ」と3編の詩

2011年06月24日 | Blog & Photo
わたしは自分のことを、サイレント・マイノリティだと考えている。 このことばは、塩野七生さんの発明であるが、わたしがここでいうのは、 彼女の文脈の中でしばしば言及される保守主義者のことではない。 その概念を敷衍し、もう少し広い意味性のなかで使用したいのだ。 ときおり「なんてミーハーなんだろう」と自己嫌悪にかられることもあるが、 やっぱり基本はマイノリティなのだ。 日本人は「他者志向性がたいへん強い」とよく指摘される。 買い物の動機は「よく売れているから」。 映画はまず「話題作」に飛びつくし、ベストセラーだよといわれると、店頭に平積みされた本が気になって仕方ない。 そういう傾向はいくらかはある。それを知らないと、周辺の「村社会」から疎外される。 人の話についていけない。 島国根性ともいえるし、他者追随を美徳とする伝統もある。 . . . 本文を読む
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