二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

夜への階段(ポエム)

2011年06月22日 | 俳句・短歌・詩集
1 降りていく。 慎重に 足をふみはずさぬように。 ぼくをとりまく人たちのいわばこころの底へと。 手すりはない。 視界はブレたり ボケたりする。 降りていく。 触れると火傷するような手をした麗人のかたわらへ。 一心不乱に無意味な仕事をする裁判所書記官の書類の上へ。 かつて同僚だった男のまばたきの内側へ。 大いなる悲しみをかかえてよたよた歩く掃除夫の背後へ。 降りていく ぼくは降りていく。 あるいはのぼっていく・・・といってもいいのだけれど。 . . . 本文を読む
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