二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

水いろ駅(ポエムNO.21)

2011年06月30日 | 俳句・短歌・詩集
天がうっすらとしたスカイブルーから深いるり色の輝きに変化し 一刻 一刻と移ろっていく。 金星がゆっくりと 太古と同じ角度から 地平線に突き出した岩山 妙義山の上方に姿をあらわす。 ねぐらへと急ぐ鳥たちの影 影。 ぼくは利根川のほとりの水いろ駅にたたずんでそれを見あげている。 十年前にも 二十年前にも 三十年前にもそんなことがあった。 記憶の後頭部にある 関東ローム層。 どんな解釈をもはじき返す硬質なイメージの薄片が 何千枚ものセピア色の写真のようにそこかしこにうもれている。 そして 小さな古い駅も。 . . . 本文を読む
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