虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

量子力学について 息子とおしゃべり

2016-02-17 08:49:52 | 連絡事項

春休み中で読書とプログラミングに明け暮れている息子。

昨日の夕食後、こんな会話をしました。

(娘とはあいかわらず人間関係についての会話ばかりで、プライバシー上、

記事にできず残念……。)

 

息子 「量子力学って、シュレーディンガーの猫とか二重スリット実験の話を聞くと、

これまでの考えがくつがえされるような発見を扱っているように見えるけど、

いろいろ本を読んでみると、新しいものさし、解釈を手に入れたという感じなんだな。

発見したのはあくまでも道具だから、何でも測ろうとしたらいけないっていうかさ。」

 

わたし「お母さんも量子力学について書かれた本……数式の部分は抜かしながら

読んだことがあるけど、理解するには能力的にしんどいものがあるみたい。

摩訶不思議な印象だけが残ってよくわからなかったわ」

 

息子 「わからないって状態でいいんじゃないかな、これについては。

大学で勉強するまで、どうして高校以降の勉強はもっと比喩を用いて噛み砕いて

説明しないのか、わざと小難しい用語を使ってわかりにくくしているんじゃないかと

思っていたんだけど、いざ学んでみると、そうするのが妥当って理由が見えてくるんだ。

大学で扱うような最先端の学習内容になるほど、学んだあるひとつの物事が、

何にでも通用するわけじゃなくなるから。

大学数学は、『真』と確信できる正しさがあって、それを理解しようとするんじゃなくて、

これこれこういう仮説を当てはめてみたらうまくいくから、

このことについてはこの計算式を使って考えていけばいいんじゃないかっていう

逆説的な考え方で成り立っている部分がずいぶんあるんだ」

 

わたし 「それじゃ、比喩を使って異質なもの同士を結び付けるのはまずいわよね。

それにしても、二重スリットの実験の話を考えると、わからないながらに、どうして

そんな結果が生じるのかとキツネにつままれたような気持ちになるのわ」

 

息子 「光は粒子なのか波なのかって考えていくと、

確かに摩訶不思議な気分を味わうわけだけど、そもそも粒子や波の概念に勘違いが

あったとしたら、話は別だよね。

量子力学の世界に伴う不思議さは、もともと自然に潜在していたプリミティブなものの

側にある。

この何年かの量子力学の話題で、スゴイ、新しい、って話題を目にすると、

どれも学者にとってスゴイのであって、一般人が感動するような新しい事実の発見とは

別もので、新しいものさしを作ったという種類のものだよ」

 

わたし 「知った結果が、手品の種を明かされたようなものでも、

誰にも想像がつかないとされていた未知のものが明かされていくのは

わくわくするわ。ここのところ、今の仕事に関連する本しか読んでなかったけど、

量子力学の本、わからないながらに、わかるところまで本を読んでおきたいわ」

 

息子 「それもいいけど……。

前まで、学んでるものの先端に向かうほど価値があるように思っていたんだけど、

いろいろ学ぶほど、難しそうに思える量子力学にしても、

プリミティブなもともとのものの組み合わせであることがわかってきて、

単純なもの……すごくプリミティブなもののすごさを再確認することになるんだ。

そうした『もとのもの』を軽んじていると、よくわからない方向に

考えていっちゃうんだろうなと思うようになったよ」 

 


『子どもの科学』で大人になった

2016-02-17 07:51:54 | 日々思うこと 雑感
 少し前に本屋さんで一目ぼれして、
「『子どもの科学』で大人になった(INAXギャラリー)」という本を購入しました。

・自動模型ケーブルカーやエジプトの水時計
・模型電気洗濯機
・模型ミキサー
なんていう…とにかくすごいなぁ~と思う『子どもの科学』で取り上げられた工作を再現しながら、
当時の工作少年たちの声を集めた貴重な本です♪
 
本の中に、
 
『子どもの科学』は友だちみんな買って読んだり、回し読みをしたりしていました。発売日にはみんなで本屋に行くんです。
五、六人集まっては部品屋さんに行ったり、うちにある半田ごて1本でみんなで組み立てたりしてましたね。
何年何月号にどこに何の記事があるというのが分かるぐらい、子どもは必死に読んでいました。
でも子どもはみんな下手くそでした。
それに失敗することに対して、おおらかでした。自分で小遣いをためて部品を買って、自分で作ったものなら、失敗したり、壊してしまったりしてもいいじゃないかと思えるのです。

といった、『子どもの科学』で育った世代の方々の思い出話が載っていて、
今の教育に足りないものに気づかせてもくれました。

「みんなが参加している」というこの遊びを共有している感覚が、
子供達のやる気や熱心さにつながることを実感しています。

自分のがんばりが、どこかでだれかとつながっている…
興味や関心が仲間同士で響きあう…

そうした体験ができる場を、
便利さを追い求めて大事なものを捨ててしまった大人たちは、
子供たちに返してあげなければならないなぁ~と感じています。



年長と1年生用 算数クイズ

2016-02-17 07:49:32 | 算数

年長さんのAくんとBくんの算数タイムの様子です。

人形劇を演じるのが大好きなふたり。算数の学習を人形を使ってすると告げると

大喜びしていました。難しい問題も出しましたが、

AくんもBくんも全問正解でした。

 

<1問目>AくんとBくん当てクイズ。

警官のおじさんが、子どもたちを並ばせています。

Bくんは女の子と女の子にはさまれています。

AくんとBくんは、それぞれどの子とどの子でしょう?

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<2問目>Bくんの弟はどの子クイズ。

弟は、緑のヘルメットの子の斜め前ではありません。

弟は、緑のヘルメットの子の正面ではありません。

弟はどの子でしょう?

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<3問目> 緑のヘルメットの子は10歳です。

赤い帽子の子は緑のヘルメットの子より10歳年上です。

白い帽子のおじさんは赤い帽子の子より20歳年上です。

白い帽子のおじさんは何歳でしょう?


Aくんが正解してうれしそうでした。

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<4問目>どろぼうさんはどの子クイズ

(「どろぼうの人形がどろぼうとは限らないよ」と注意をうながしてから)

どろぼうさんのとなりは女の子ではありません。

どろぼうさんは頭に何もかぶっていません。

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下の写真のように、となりが女の子ではない人形を寝かせていきながら

考えました。

本人が女の子でとなりが女の子ではない子を除外するのが、少し難しかった様子。

でも、わかった時、とてもうれしそうでした。


円周や円の半径、三角すいの展開図についての理解が進むアッという間工作

2016-02-16 18:35:37 | 工作 ワークショップ

 

細く切った紙に穴を開けただけの簡単コンパスを使った工作を

子どもたちはとても喜びます。

写真は『クレープ製造機』。

 

プッシュピン等を中心部分に使うのもいいですが、

危ない場合、モールやストロー、楊枝などで代用できます。

写真の丸い部分は割りピンです。

 

えんぴつの先を穴に入れて回すと円ができます。

「バナナ味、いちご味、チョコ味、どれにしますか?」などと質問しながら

円を切りとって、折ったら、クレープのできあがり。

 

箱を使って作った折りたたみ式のクレープショップ。

 

 

クレープを作る台は、写真のように箱のふた等を。

 

簡易コンパスを使って何かできないか、子どもたちとアイデアを出しあうと面白いです。

アイスのコーンもできました。

 

簡易コンパスを長くして、

土台のサイズを小さく(発泡スチロールや段ボールを重ねたものでOK)

すると、『帽子製造機』も作れます。

 

円すいを作ってからだいたいの半径を調べて、帽子の頭を入れる部分をくり抜くための

円を描くための半径に穴を開けます。

 

こうした自分で道具を作る工作は、図形についての理解を深めてくれますよ。


経験の共有。美術館めぐり、かもめのエサやり、病院、お月さまがついてくる

2016-02-16 14:22:57 | 通常レッスン

★ちゃん、☆ちゃん、●ちゃん、3歳児さんたちのレッスンの様子です。

工作をする前に、親御さんたちに、「最近、体験して喜んでいたことはありますか?

興味を持っていたものはありますか?」といった質問をしました。

たいていいつも、それぞれの子が体験して楽しかったことや、

最近の好きになったものをテーマにして工作をしています。

 

☆ちゃんのお母さんが、

「お月さまが後ろからついてくるのを不思議がっていました」という話をしました。

コップのお人形の後ろをモールでひっつけたお月さまが

トコトコついてくるところを☆ちゃんといっしょに作りました。

他のお友だちも興味津津です。

 

でも、●ちゃんは「お月さまがついてきたらこわい」と言いました。

そこで、●ちゃんとは、窓を開けたら、お月さまがこんにちはをするところを

作りました。

★ちゃんは、トコトコついてくるお月さまも窓を開けると「こんにちは」をする

お月さまも作りたがりました。

 

 

歯医者さんと耳鼻科に行った子もいました。

 

こんなお人形を作って歯医者さんごっこ。

 

1歳3ヶ月の妹さんも、うさぎのぬいぐるみにはみがきをさせています。

 

●ちゃんは、河川敷でハトにエサをやろうとしていたら、

手に置いたエサをかもめが取って行ったという出来事を体験したそうです。

その話を聞いて、みんなで「かもめ」を作ることにしました。

 

ちゃんとバタバタはばたくかもめです。

 

おめめをのりで貼りつける子、シールを貼る子、テープをやまほど貼りつけて

身体を作る子、作り方はそれぞれちがいます。

できあがったかもめをはばたかせて、えさをあげるシーンを

楽しみました。

 

子どもたちがめいめい、節分の日にまめまきをしたり、

お寿司を食べたりした話をしていたら、

☆ちゃんは今すぐお寿司屋さんに行きたくなったようです。

みんなでティッシュのごはんを巻いたまきずしも作りました。

 

☆ちゃんは、少し前に美術館に行ったそうです。

それまでは絵をちらっと見るくらいだったのに、

美術館では1枚1枚の絵をじっくりみながら最後まで楽しんでいたそうです。

 

そこで、みんなで美術館ごっこくをして遊ぶことにしました。

きれいな建物を飾ったり、凹凸で立体物をかたどるおもちゃで

恐竜の形を作って飾ったりして、そのまわりをぐるぐる見て回ります。

チケットもちゃんと買いましたよ。

 

 ひとりひとりの子だけの体験は少なくても、それをみんなで共有すると

体験の幅が何倍にも広がりますね。

 


0~3歳の脳を形づくる環境がわかるスケール

2016-02-15 21:08:02 | 0~2歳児のレッスン ベビーの発達

男の子たちとブロックで遊ぶ時に作ると喜ぶ立体駐車場。

 

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『よみがえれ思考力』 (ジェーン・ハーリー 大修館書店)によると、

0~3歳の子の日常生活が、長期にわたって知能に影響を及ぼす要因を調べた

研究結果は一貫しているそうです。

 

次のスケールは、未熟児などで「危険な状態にある」子どもや

このスケールで高得点った家庭は、未熟児や出生前の悪い原因などで

「危険な状態にある」子どもを、知能テストにおいて

3歳までに健常児と同じレベルに引き上げることができていることが明らかに

なっています。

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<0~3歳の子どもの家庭環境の6つの要因を調べるスケール>

 

① 世話をする人の情熱的、言語的な反応の仕方

子どもが声を出したときに、反応しないとか、単に動作を真似するという

レベルではなく、親愛を込めて、心のこもった言葉で応えているか。

 

② 制限や罰を避けること

世話する人は、怒ったり、怒鳴ったり、体罰を加えたり、不必要に子どもに

制約を与えるようなことを慎んでいるか。

 

③ 物理的な環境を整えること

子どもの世界が安全な場所になっているか。

子どもは他の大人たちといつも接しているか。

テレビを見る時間は定められていて、最小限になっているか。

 

④ 適切な遊び道具があること

 積んだり、まとめたりする道具、組み立て式のおもちゃ。

つけ変えることができる部分のある

ブロックなどのおもちゃ、さまざまなやり方で使うことができる創造的な道具など、

手と目をよりうまく使わせるような操作ができるおもちゃがあるか。

表面的な細工だけが子どもたちの興味を惹きつけるような遊具ではないか。

子どもたちが受け身ではなく積極的に関わることができるようになっているか。

 

⑤ 大人と子どもへの関わり方

世話する人は子どもたちがどこにいるか知っているか。その人たちはよく子どもに目を向け、

子どもたちの活動に興味をもっているか。

 

⑥ 日常活動でさまざまなものに出会うチャンス

世話する人は子どもたちを外に連れ出し、観察したり、操作したりできるような何か

目新しいことをさせているか。

愛情をもった大人が週に少なくとも3回は物語を読んで聞かせているか。  

    『よみがえれ思考力』 ジェーン・ハーリー 大修館書店 より引用

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上のスケールについては、虹色教室のベビーレッスンでも、親御さんたちに

繰り返し気をつけていただいている点でもあります。

『よみがえれ思考力』にある研究結果同様、

①~⑥のチェック項目の全てを満たす関わりをしている親御さんの子どもは、

発達がとてもいいですし、未熟児で病院の定期検診を受けている子や発達に気がかりな

ところがあった子も、発達の遅れが取り戻されていくのを実感しています。

 

『よみがえれ思考力』には、先のスケールで、低い得点しか

得られなかった家庭の子どもたちは、発達の遅れを取り戻すことができなかった、とも

書かれています。


机の中に自分の隠し玉を持っておけるような自由闊達な雰囲気作り 

2016-02-15 20:58:43 | 日々思うこと 雑感

NHKスぺシャルの『メイドインジャパン 逆襲のシナリオ』を見ました。

(過去記事なので、最近放映されたものではありません)

リストラを進めるにつれ、

どんどん企業としての魅力を失っていくソニーの姿が放映されて、

当時の経営のトップに立っていた方々が「何が間違っていたのか」を語るシーンが

ありました。

 

ソニーがすばらしい製品を次々と世に送り出し、全世界から脚光を浴びていた頃は、

社員には自由な時間もたっぷりあったそうです。

 

社長に反対されても自分の作りたいものを作り続ける社員がいて、

それを見守る人々に囲まれていたのだとか。

 

のびのびとしたフロー状態が生まれやすい雰囲気があったのですね。

 

また、暇がありますから、自由に他の部署に出入りしてそこで議論をし、

そこから思わぬヒット商品が誕生したそうです。

 ところが、ある時期からリストラが進みだし、社内からはそうした自由闊達な

雰囲気は消えていきました。

 

リストラが続くと、社員同士、関係がぎすぎすして、

他所の部署で議論なんてしている人を見つけると、

「ここで議論する許可は取ったのか?」」と問い詰めるなど

それぞれの社員がきちんと働いているのかが細かいところまで管理して

チェックが入るようになっていき、それは職場から創造的で独創的なアイデアが

生れてくるようなチャンスを奪っていきました。

 

社内に時間や考えや行動の自由があった時期には、

それぞれの社員が任されている仕事以外に、自分の机の中に隠し玉を持っていて、

それぞれの社員の自分独自の隠し玉こそが、大ヒットのもととなっていたそうです。

 

それなのに自分の意志で動くと「許可は取ったのか?」と問い詰められるような

ぎすぎすした管理が強い職場の雰囲気の中で、

社員は注意されないように指示を待つことが増え、

社員同士の部署を超えた議論も減っていったため、

個性に彩られた魅力的なものが生れなくなったという話でした。

これって教育の場でも子育ての場でも言えるな、と感じました。

 

ちょうど数日前、目にした『内田樹の研究室』の

人々が「立ち去る」職場について 

のことが思い当たりました。

 

大阪府教委はが、来春採用の公立学校教員採用試験で、平均倍率が4倍で史上2番目

の低さだったことを受けての話題。

中学理科では倍率が2倍を切り、「水準に達する人材が確保できなかった」とか。

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雇用条件が全国平均よりはるか低いレベルにまで引き下げられ、

首長や議会や教委がきびしく教育活動を監視し、

保護者たちが教員にクレームをつけることそのものを制度化し、

産業界が要求する「グローバル人材」の効率的な育成をうるさく求められるような

職場環境に進んで就職したがる若者がいるだろうか。

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と内田樹氏が問いかけの通り、そんなところに就職したがる若者がほとんどいないから、

今後、「水準に達していない人材」が大阪府の先生になっていくのでしょうか……?

 

成績こそが先生の全てじゃないと思うけど、

大阪府民として、何だかしっくりこない結果……。

理科が好きなわたしとしては、大阪の中学生たちに科学の面白さをを伝授して

もらえるような先生と出会ってもらいたいです。(なぜ中学理科の倍率が2倍?)

 

先生にしたって、賃金はカットされるは、監視されるは、

クレームつけられるはして働いて、子どもたちに全身全霊で大切なことを

伝えていこう、子どもの中から魅力的なものを引き出そう、

いきいきとした自由闊達とした教室の雰囲気を作り出そうという気になれるのか、

疑問の残るところ。

 

もう、後は、かつてのソニーじゃないですが、家庭でひとりひとりの親が、

わが子の机の中に自分の隠し玉をもっておけるような

自由や隙間のある子育てをしていくしかないようですね。


1~3歳児の「巻く」「貼る」「縫う」「カギを開ける」の手仕事   

2016-02-15 08:54:59 | 工作 ワークショップ

 ストローに適当な長さの糸や毛糸をセロテープで貼ると、

くるくる巻いていく作業を楽しめます。

 

モールの先もテープでストローにとめておくと、くるくる巻いて指先の訓練になります。

 

5センチほどで切ったストローに糸を貼りつけたものを用意して、

写真のように穴を開けた紙コップに糸の先を貼りつけておくと、縫う練習が楽しくできます。

 

↑ 紙箱に糸をつけたストローを貼りつけて、

レストランのオーダーを聞くときに使う機械を作っています。

シールを貼って、「ピッピッピッ」とストローの先をあてて遊びます。

 

指を詰めないように注意して、カギを閉めたり、開けてみたりしています。

巧緻性を高めて知能をアップするアイデアは身近なところにたくさんありますよ。


巨大ビー玉コースター

2016-02-15 08:47:16 | 工作 ワークショップ

大きなビー玉コースター作りに

梱包用の「エッジ」が役立ちます。

1本170円ほどで大型のホームセンターで売っています。

 

難問算数研究部に来てくれた★くんが、巨大なビー玉コースターを

作っていました。

 

 

ビリヤード台をはね返るボールの問題を学びました。

最初に折り紙を継いでいきながら、はね返らずにまっすぐ進んだ場合

どうなるのか考えた後で、入試問題を作図して考えました。

今回参加してくれた5年生の★くんと☆ちゃんは、自力で正解できました。

他に、ミスしやすい電流と回路の学習もしました。

 

 

 


考える筋道をリードしてくれる言葉

2016-02-14 18:27:24 | 通常レッスン

年長のAくんがお友だちが持ってきてくれた『おばけキャッチ』という

ゲームで遊んでいた時のことです。

 

Aくんはブロックでの作品作りのように

視覚を使った作業では、どのようなものを作りたいかイメージしたり、

問題を解決したりすることが上手な子です。

でも、言葉で論理的に考えていくことは、ちょっと苦手です。

少し頭を使う課題を前にすると、首をかしげながら、

適当に思いついた答えを並べていきます。

 

Aくんの考えている姿を見ると、

考える筋道をリードしてくれる言葉が足りないように見えます。

たとえば、

りんご バナナ なしのくだもののうち、

バナナでもなしでも ない くだものは何でしょう?

という問題でしたら、「バナナでもなくて、なしでもないとしたら、

そのふたつじゃないのは りんごだから、りんごだな!」というように、

考えていく過程をサポートしてくれる心の声があると、答えにたどり着きやすいですよね。

 

Aくんが考える姿を観察していると、

「何かなぁ?」とか「こうじゃないかな?」とつぶやきだした時点で、

心ここにあらずといった感じで、何について考えていたのかすら

おぼつかなくなるようです。

『おばけキャッチ』というゲームをしている間も、「もっとやりたい」と何枚も

はりきってチャレンジするものの、答え方は毎回、端から順に、「これ?」「これ?」と

当たるまで指さしていくという方法でした。

 

『おばけキャッチ』は、  赤いイス、白いおばけ、緑のビン、青い本、灰色のネズミ   

を、早い者勝ちで取りあうゲーム です。

課題の描かれた絵カードをめくって、絵に描かれているものと一致するものを取ります。

カードに赤いイスと白いおばけのようにその場にある小物が描かれていたら、

それを取ります。

 

でも、カードに赤いおばけと青いねずみのように

その場にないものだけ描かれていた場合、まったく一致しないものを取ります。

つまり、「赤くもなく おばけでもなく 青くもなく ねずみでもないもの」でしたら

「緑のビン」を取ります。

 

Aくんは、ポーズこそ、いかにも考え込んでいるといった様子で、

「こうかなぁ?」「これかなぁ?」と首をかしげているのですが、

実際には何を判断の基準にしたらいいのか、

どんな筋道で考えたらいいのか見当もつかないようでした。

そこで、Aくんが考える道筋をサポートしてくれるような言葉を添えていくようにしました。

大きく分けて、すぐに見つかるものが「ある」場合と「ない」場合があることを意識

させます。ある時は手で丸を作り、ない時は手でバツを作るのもいいです。

すぐに見つかるものが「ある」時→Aくんは簡単に取ることができます。

「ない」時→ひとつひとつの小物を指さしながら、確認していくことを教えます。

 

赤いおばけと青いネズミのカードの時は、 赤いイスを指して、「赤いから、ちがうね」

白いおばけを指して、「おばけだから、ちがうね」

灰色のネズミ を指して、 「ネズミだからちがうね」

青い本を指して、「青いから、ちがうね」と確認していって、

緑のビンを指して、「緑のものも、ビンもないから、これが正解!」

当てていく過程を言葉とジェスチャーでフォローしていくのです。

そんな風に、心の中でどのような言葉をつぶやくと正誤の判断ができるのか

子どもといっしょに言うようにしていくと、

考える時のコツがわかってくるようになるはずです。

お友だちにこのゲームを借りて帰ったAくんは

ちゃんと正しい答えのアイテムを手にすることができるようになったそうです。