虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

お兄ちゃん先生

2014-03-15 15:55:32 | 算数

小学1年生のグループレッスンです。

ボードゲームをしたり、工作をしたり、楽しく遊んだあとで算数タイム。

 


文章題を紙の上で整理しながら解くにはどうすればいいのかをテーマに

学んでいます。

こんな問題です。

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7,2,9,5,8,4,6

のすう字をかいたカードを 大きい かずが 下になるように かさねます。


下から6ばんめのカードを ぬきました。

上から 4ばんめの カードの すう字を かきなさい。

                     (最レべ問題集1年生 より)

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こうした問題は、読むだけでパッと答えが出るものではありません。

また方法を暗記しているからといって正確に解けるわけではありません。


まず紙の上で整理してみて考える必要がありますよね。

子どもたちも、それに納得して、自分なりに書いて考えはじめました。


最初に数を書きうつす段で、書いてある順序でそのまま写していた子は、

ちょっと考えてから小さい順に数を書き始めました。

 

初めの時点で、小さい順に書いて考えはじめた子もいました。

慎重によく考えてから取った行動だったのですが、

その後、「下からかぞえて」の指示を小さい数から数えてしまいミスしました。

 

この問題を解いていたとき、グループの○ちゃんの4年生のお兄ちゃんが

お迎えに一緒についてきていて、この問題に興味を持ったので、

解いてもらうことにしました。

4年生のお兄ちゃんは虹色教室の科学クラブに入っている算数好きの子です。

 

小さい順に書きうつしてから、数の両端に「下」「上」という文字を書き込みました。

それから、下から6番目の数にバツをして、正しい答えを出しました。

 

1年生の子たちには、お兄ちゃんが、解く過程でミスがないように

「下」「上」と書きこんでいる部分を見せて、

「どのように書くとわかりやすくて間違えないのか」という話をしました。

 

 

お兄ちゃんは1年生たちの次の問題でも大活躍。

1辺1センチメートルのブロックのまわりの長さは、ブロックの数が増えていくと

どう変化していくのか問う問題。

最初はミスしていた1年生たちも、すぐに要領を呑み込んで

きちんと答えが言えるようになったものの、

「なぜ、ブロック3個の時に1個の周りの長さである4×3=12にならないのか」

という理由を言葉で説明するのは難しかったのです。

 

お兄ちゃんは、辺と辺がひっついている場所があって、その分を引かなくてはならないことと、

どういう式を立てて解けばいいかを説明していました。

 

次に、ブロックを使って規則性の問題を考えました。

 

1番目、2番目と中にある黄色いブロックの1辺が同じ数になります。

上の写真は3番目の図。

 

1年生たちは中の部分の黄色い数の求め方はよくわかっていました。

 

周囲の青いブロックの数を求める段になって、またまたお兄ちゃんの出番です。

 

「20番目のまわりの青いブロックの数はいくつでしょう?」の問いに、

次のようなイメージ画を描いて解いてくれました。

20×4+4 で解けるとのこと。

 

お兄ちゃんのこの図を見たとたん、「わかった、わかった!」とうれしそうな声を

あげている子がいました。

 

↑たまごっちのゲームにで遊ぶ1年生たち。


3歳児さんたちの算数遊び

2014-03-15 15:50:57 | 算数

3歳3~4ヶ月の子どもたちの算数タイム。

 

「見えない数をイメージする」遊びをいろいろしていると、

目の前の数を数えるだけでなく、

足したり引いたり分けたりしたあとでどうなるのか

推理する力がついてきます。

集中力も身に付きます。

 

ぞうの人形、三体に布をかぶせて、「ぞうは何匹いたかな?」と質問。

「4?」「1?」など間違えるのも大事。

布をめくってみて、正しい数を数えて、「そうか~」と思うことで

記憶力が増してきます。

 

きりんの人形をいくつか持って、

手を後ろにまわして、「きりんは何匹でしょう?」

といったクイズを子どもに出させます。

問題を出す先生役をするときも、自然に数をイメージして、

「ちがうちがうもっと多いよ」と言ったりします。

そうした数を当てる遊びをするうちに、数をイメージするのが上手になってきますよ。

 

電車を手にして「電車のドアはいくつでしょう?」と問うと、一方の面のドアを数えて、

「1、2、3、3だ」といい、もう一方も数えて、

「1、2、3、3だ」と言っていた☆くん。

「電車のドアだからね。1、2、3、4、5、6、6だね」と合わせて数えるところを

見せると、了解して、自分でも上手に数えることができました。

 

ただ数えるだけ、いくつあるのか当てるだけの遊びも、

数えるものによって「そうなのか!」という驚きや、「数えるのって面白い」という

ワクワクする気持ちが生まれてきます。

 


県の人口当てクイズ

2014-03-15 13:54:08 | その他

算数難問クラブの過去記事から、

問い合わせのあった「県の人口当てゲーム」を紹介します。

 

いただきものの地理カードでわたしが考えた適当なルールで遊んでいただけなのですが、

推理の好きな小学生たちのツボにピンポイントではまって

大盛り上がりでした。

 

このカードは、日本全国の県ごとに2枚ずつカードがあって、

1枚の表面は地図上に色を塗った形で描いてあり、

その裏面には特産品や県の特徴が4つイラストで描いてあります。

もうひとつの県のカードの裏面は、県の地図と、面積と人口が書かれています。

 

 ゲームのルールです。

適当な県のカードを一枚選んで表面(人口が見えないよう)にして

場におきます。


このカードの県の人口を、それぞれが言い当てていって、

一番近い数字を言った人が勝ちです。

 

人口を当てる際に、その県の特産品のカードとヒントとなるカードを3枚指定して、

見ていいことにしています。またその県に行ったり、住んだりしたことが

ある人は、自分が見聞きしたその県についての印象を話します。



最初に「神奈川県」の人口を当てることになりました。

神奈川県の特産品や県の特徴は、次の4つ。


◎だいこん、箱根寄木細工、相模湾、ペリー来航。

◎だいこん畑とか海とか、人口が少なそうなイメージ。


ヒントとなるカードは、子どもたちが相談して決めています。

「近いから。都会だから」ということで、千葉県を選びました。

千葉県の人口、612万人。

もう一枚を選ぶ時点で、神奈川県のサイズが小さめなことに着目した子が、

同じくらいのサイズの県ということで、ヒントに富山県を選びました。

人口は110万人。

 

「110万人……?」とどよめきが起き、「それなら、神奈川県は、

110万人と612万人の間だろうと予測する子ら。

 

残り一枚のヒントを選ぶのに、「東京がいい」だの、

「東京は、人口が多すぎるよ。何千万とかいってるんじゃない?」と言う子がいて、

静岡県が選ばれました。

人口380万人。

 

本当はこれでヒントは終わりなのですが、どうしても東京も見ておきたいということで、

東京もチェックしました。

1284万人。

 

それから神奈川県の人口当てタイム。

270万人とか、450万人といった数値が出た後で、答え合わせをすると、

「892万人」でした。えっ?と驚く子たち。「やっぱり都会だから?」

 

その後、愛知県の人口当て。

ひとり愛知県から来て参加している子がいて、「市の人口なら知っている」と

ニコニコしていたのですが、考えてみると、愛知県に市がいくつあるのか

わからないし、愛知県内でも市によって人口がかなり異なるはずですよね。

単純に、その子の市の人口に市の数をかけたらいいわけでもないとわかって、

悩んでいました。

そこで着目したのが、自動車産業。

 

ひとりの子がヒントに広島県を選びたがりました。

「なぜ?」とたずねると、「名古屋で有名な自動車の工場の支店があるから……

とのこと。兵庫県なんかも候補にあがっていました。

 

こんなふうに進んでいく人口当てゲーム。

「旅行に行ったら、田んぼばかりで田舎だった」とか「住宅がいっぱいあった」とか

「都会だった」とか、自分の印象を語ったり、

テレビで見聞きした情報から推理したり、県の面積で判断したり、それぞれが推理するために

オリジナルのアイデアで挑んでいけるところがとっても面白かったです。

 

年中さん、年長さんの子が算数が大好きになる ちょっとした物作り

2014-03-14 13:17:48 | 工作 ワークショップ

子どもは自分が作ったものが大好きです。算数の問題やゲームをするのは

渋るような子も、自分で作った作品だと何度も遊んで学びたがります。

 

上の写真は「足し算」や「かけ算」を楽しく学べる機械(?)もどきです。

 

<作り方>

ティッシュの空き箱を半分に切ってシールを貼って、それぞれに数字を書きます。

上部に穴を開け、

取り出し口を切り抜きます。

アルミ箔を丸めた小さなボールも作ります。

箱の中に小さなプリンカップなどを入れておきます。

 

<学習の仕方>

ボタンを押す真似をして、その数だけアルミ箔のボールを入れます。

1と3のボタンを押して、「4かな?」と答えを予測してから、

答え合わせにボールを数えます。

 

<問題の例>

2を5回押すとボールはいくつ? 

2と3と4のボタンを押すとボールはいくつ?

 

 

簡単な足し算や引き算が身に着く手作りゲーム

 

<作り方>

ゲーム盤の部分は絵本や図鑑をからコピーして使用しています。

丸を描いて、線を描いて……を繰り返して、すごろく風のゲームを作ります。

カードに絵を描いて、もらえるボールの数字を書いておきます。

ボールの上に×を描いたカードも作ります。(引き算用)

アルミ箔のボールを30個ほど作っておくか、おはじきなどを用意します。

交換用のアイテム(子どもが描いた絵や家にある小物など)も用意します。

↑お姉ちゃんといっしょについてきた2歳の妹ちゃんも

いっしょにゲーム作りをしています。

 

<遊び方>

スタート地点からすごろくを振って進み、カードを1枚めくります。

カードに書いてある数字の数だけボールをもらいます。

ボールが5つになる度、アイテム1個と交換します。

 

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年中さんと年長さんグループで

このゲームと機械作りをすると、大人気でした。

ゲームは何度もやりたがり、(終わりたくないため)遊んでいる最中に

すごろくのマスを延長していました。


それぞれの子の個性と発達段階によって異なる敏感期の姿 4

2014-03-14 08:58:56 | 幼児教育の基本

この春、年長さんになった★くん。

最近になって急に文字を書くことに熱中するようになったとか。

 

これまで絵ばかりだった★くんの絵本作りに、文字がたくさん登場するようになりました。

 

★くんが文字を書くことに熱中しだしたのは、

絵だけ、切り抜きを貼っただけという絵本作りを

満足しきるまでやり尽くしたからのようです。

絵本作りのスタートは、虹色教室通信でも紹介している

色画用紙を半分に折っただけでできる、ハードルが低い絵本製作です。

最初に作った1冊を1年間楽しむような、ゆったりした関わりでしたが、

★くんの中に描くことと作ることへの強い情熱が育まれていきました。

 

 

 

★くんの大好きなジオラマ作り。遺跡の図鑑を見て、

パリの風景を真似しています。

 

 

恐竜、船、建物などに興味がある★くん。

いっしょに『世界一周ゲーム』をした後で、

初めて、ボードゲーム作りにチャレンジすることにしました。

 

 

 

ボードは図鑑のお気に入りの絵を選んでカラーコピーして使うことにしました。

進むマス目を書いて、物差しで線を引きます。

カードを作って、「たまご」をいくつか描いて、「肉食」か「草食」かも

書きました。

たまごはアルミハクを丸めて作りました。

 

サイコロでマスを進み、止まったところで、カードを引きます。

カードの指示通り、「たまご」と「肉」か「草」をもらいます。

たまごを取られるカード(バツ付き)もあります。

 


それぞれの子の個性と発達段階によって異なる敏感期の姿 3

2014-03-13 15:07:11 | 幼児教育の基本

それぞれの子の個性と発達段階によって異なる敏感期の姿 2

の続きです。

 

前回までの記事で、敏感期の子の活動にていねいに付き合う大切さについて書きましたが、

具体的にどのような対応をしたらいいのか迷われる方も多いかもしれません。

 

この日のレッスンで、1歳7ヶ月の★ちゃんと同じように、

2歳1ヶ月の●ちゃんもお母さんの手に「はい」とおもちゃを乗せては、その名前を言ってもらうのを

喜んでいました。

が、★ちゃんと●ちゃんでは、

同じように物の名前を言ってもらいたがるにしても、お母さんに求めているフィードバックが

少し異なりました。

 

★ちゃんの場合、とにかく何でもいいから手にしたものの名前を言ってもらいたい様子。

 

しかし●ちゃんとなると、ごっこ遊びの流れの中で、ある同じカテゴリーの名前を続けて耳にしていくことに

強い関心を示していました。

また、目にしている物と名前が必ずしも一致していなくても、

「そういう名前にしておく」と見立てた状態で、お母さんが名前を挙げることを

心から楽しんでいました。

たとえば、

お弁当箱を手にしているお母さんにブロックを渡す度に、

「たまごやき」「ソーセージ」などの具材に見立ててもらう、といったことです。

 

 中途半端な終わり方ですが、レッスンの時間が近づいたので、続きは後から書きますね。

 

 


意外だった今日やりたいこと

2014-03-12 19:07:23 | 算数

家事がたまっているので、今日は過去記事をいくつかアップしています。

明日には新しい記事を書きますね。

 

ボードゲームとカードゲームが大好きな算数クラブの男の子たち。

いつもなら自由に何をやりたいか決めていい時間はゲーム三昧しているところ、

今日は全員が、「うーん、何をしようかな?」と考えこんでいました。

 

「いつもゲームばかりしているでしょ?今日は、工作してみたらどう?

昨日、来ていた小4の子は、電子工作をしていたわよ」と言いながら

電子工作のキットを見せて、

「こういうの作ってもいいし、段ボールや木にネジを取りつけて、

自由に工作するのもいいわよ。それか、実験をするのはどう?尿素の結晶作りとか?」と

たずねました。

 

男の子たちは顔を見合わせて、「うーん、それもいいけどさ……」と

歯切れの悪い返事をしていました。

それから、もじもじしながら壁に貼ってある女の子たちが描いたマンガの絵を指さして、

「こういうのできる?」と聞きました。

「マンガが描きたいの?」

「うん」「うん」「うん」と全員がこっくりします。

 

そこで、あとは表紙にタイトルと絵を入れるだけ……というところまで

仕上がっている教室のマンガ雑誌を見せました。付録付きです♪

ユースホステルで回し読みする予定。

 

 

それを見て、俄然やる気を出した男の子たち。

「紙とえ鉛筆と物差しちょうだい!」と言うと、さっさと作業に入りました。

「おれたちもさ、自分たちだけの雑誌つくろうよ」などと相談しています。

 

でんち゛ゃらすじーさん好きの男の子たちがマンガを描くにあたって、

下品なネタはここまでの路線はOKだけど、これはだめ……といった話をしていたら、

「ウ○○はだめ?じゃぁ、おっ○○は?」と上機嫌で騒いでいましたが、

最終的によだれを垂らしているカービィーを描いて、

「これは絶対、女子に見せたらいけないよな。女子はよだれとか出てきたら

絶対、絶対、絶対、ビリビリに破くから」と言って盛り上がっていました。

付録用にパズルも作っていました。

 

 

大急ぎでマンガを描いた男の子たちは、世界一周ゲームに興じていました。

 

 

このグループの子たちは、小1~4年生と学年が異なるので

算数タイムに異なる課題と、同じ課題の二種類をしました。

異なる課題は、それぞれの学年に添った最レベの問題(4年生は5年生用のワーク)、

同じ課題は、サピックスの小3、4年用の問題集の重さについて考える問題。

思考力を問う問題なので、何年生の子でもじっくり考えたら解いていけるものです。

マンガ作りの時間もとても楽しいものでしたが、

算数の学習時間もどの子にとってもワクワクする充実感のある時間になったようです。

 


3~5歳の子が楽しめる算数ゲーム

2014-03-12 19:01:57 | 算数

3歳~5歳の子どもたちの夏の算数クラブで、さまざまなゲームを楽しみました。

一番人気があったゲームを紹介します。

トーマスのカード(トーマスの仲間たちの写真の横にサイコロの目がついているカードです。

お家にある絵カードの横にサイコロの絵を描いたり、シールなどを貼って手作りして

遊ぶこともできます。

 

<遊び方>

サイコロの目を振って、5が出たら、5のカードか「2と3」や「1と1と3」など合わせると5に

なるカードを集めます。

 

 

カードが多い方が勝ちといった勝ち負けはないのですが、

子どもの好みで、たくさんカードを集めたい子は

足し算してその数になるように工夫し始めます。

 

今回も4歳2ヶ月の★くんが、少しすると、「6が出たから、3と3のカードで取る!」といった

工夫を始めました。

 

このゲーム、子どもたちはすごく気に入って、「ずっとやめたくない」「もっとやりたい」という声が

あがっていました。

そこで、お家に帰ってからも遊べるように

このゲームを手作りすることにしました。

名刺サイズのカードにサイコロの目を描いて(これはわたしが描きました)、シールを貼ったらできあがりです。


ブロックスで面積当てクイズ

2014-03-12 19:00:37 | 算数


小1の3人グループのレッスンで、ブロックスというゲームで遊びました。

正規の遊び方は知っている3人ですが、

この日は、自分たちが考えたルールで遊びたいということで、

「一番面積が大きい正方形を作った人が勝ち」というルールで勝負。

私が作った 8×8=64(平方センチメートル)を超えるということで、

「8×8なんてしょぼいよな~」「11×11で作るからさ~」と

生意気な口をききながら作っていました。


ブロックス勝負……同じ色で正方形を作るのはきついと判断した3人……

いきなり一致団結して、

「みんなで合体させて、大きいの作ろう!」と言い出すがはやいか、

写真の15×15の正方形を作って、「勝った!」「勝った!」と笑っていました。

「それにしても、15×15の面積は、九九では答えが出せないね。

答えを出すよい方法はあるかな?」と問うと、すべて数えきろうとするYくん。

「そうね。全部数えるのは良い方法だけど……。大きすぎる場合、切って分けてから

考えることもできるよね」と言うと、

10×10=100なら3人ともすぐわかるということで、

その(延長)線で4つの面に切り分ける案を出し、

10×10と、5×10、5×5、10×5の4つの面に分けると良いということで

意見が一致しました。

この3人、幼児期に工作や積み木、ブロック遊びをたっぷりしてきたので、

面や立体について、さまざまな角度から考えていくことがとても得意です。

幼児期のもの作り体験は、図を見ると、補助線が自然に浮かんでくる状態を作ります。

また、習っていなくても新しい問題解決の方法を思いつくことも上手です。

こうした能力も、工作などで養えます。

ブロックスなどを使って、直感的に面積を理解する遊びをしていると、

中学入試で『面積図』を使って、平均やつるかめ算などを考えていくことも

得意になっていきますよ。

 



ゲームで遊んだあとで、『面積当てクイズ』と『周りの長さ当てクイズ』をしました。

写真のものでしたら、

「5×6-2×2」というかけ算の形で答えを出します。

周りの長さは、「5+6+5+6+2×4」です。

面積は、「5×2+2×2+2+5×2」という答えも出ました。それも合格です。

この3人グループの子たちは、知識をインプットするのでなく、

遊びの体験を豊かにし、もの作りする楽しみをたくさん教えてきました。

それと同時に、幼児期は、たくさんおしゃべりして言葉の力を育て、

1年生になってからは、そうした語彙力の豊かさが読む力につながるように、

気をつけてきました。

といっても遊びの中で、少しだけそうしたことに気をつけてきただけですが、

1年生も後半になった今、2,3年生用の文章題の問題を見せると、

長い文もきちんと理解しながら解いていました。

たくさんだらだら学ばせるのでなく、本人が自分で「やりたい」という分量を、

集中して考えながらするように

してきたことは、きちんと力につながっていると感じています。


それぞれの子の個性と発達段階によって異なる敏感期の姿 2

2014-03-11 13:32:18 | 幼児教育の基本

1歳7ヶ月の★ちゃんは、一つひとつの物の名前を言ってもらいたい時期のようでした。

幼い子たちと接していると、★ちゃん同様、物の名前をひたすら耳で聞きたい時期、

声に出して言ってもらいたい時期があるな、と思っています。

 

★ちゃんは、ミニカー類が入っていたケースをひっくりかえすと、

乗り物をひとつずつ掴んではわたしに手渡しました。

それらを受け取る度に、

「白いスポーツカー。かっこいいね」「トラック。荷物が入るのね」

「これは、パトカー。警察の車よ」「飛行機。空を飛ぶよ」「青い自動車。このタイヤ、

前のタイヤの方が小さいね」「銀色の車。ピカピカした銀色ね」などと、

ゆっくり聞き取りやすい声で言ってあげました。

★ちゃんの熱心さは、敏感期の子特有の「いったい、どれだけそれがやりたいの?」と

唖然とするほどのエネルギーに満ちています。

何十体もある乗り物を、一つひとつこちらに手渡しては、

わたしが「緑の車」と言えば「みどい……ま」、「トラック」と言えば「アック」と、

必死に真似ようとしているのです。

途中で飽きて別のことを始めるなんてことはありません。

ひたすら、一つひとつ渡して、真剣な表情でこちらの言葉に耳をそばだてています。

また、「銀色の車。ピカピカした銀色ね」と言ったときには、

もう一体、銀色の車を差し出して、それにも、「銀色の車。ピカピカした銀色ね。

いっしょ、いっしょ。銀色がいっしょね」とふたつの車を交互に指さすと

うれしそうに笑っていました。

 

★ちゃんと同じような時期の子は、機関車トーマスなどの絵カードの名前をひたすら

言ってもらいたがったり、「あっ」と自分が適当に指さすものをひたすら言ってもら

いたがったりする子などがいます。

そうした時期に、ていねいにしっかり付き合うことで

語彙が爆発的に増えるのも実感しています。

 

敏感期の子と付き合う親御さんは、「ていねいにしっかり」とは

真反対の接し方をしていることがよくあります。

子どもが★ちゃんのように「はい」とおもちゃを手渡す行為にしても

あんまりしつこいもんですから、「はいはい」と適当に受け取る姿をよく見かけるのです。

 

次回に続きます。