虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

子どもが思い通りに育たないのは、育て方を失敗したため?3

2016-05-06 07:00:38 | 日々思うこと 雑感

わたしが教室で見かける親を困惑させる子のほとんどは、

発達障害による育てにくさがあるか、ハイリーセンシティブな子か、

ギフテッド(ハイリーセンシティブな子や発達障害の子と重なる部分を持っている

ことが多い)の子のいずれかの特徴を持っているように見えます。

ギフテッドは、先天的に平均値よりも顕著に高い能力を持つ子たちのことです。


ギフテッドの子どもたちは、神経の感受性が増すことによって通常の人間より

刺激を生理的に強く経験する特徴を持っているとされています。

こうした刺激に対する並みならない反応をすることは、OE(過度激動)と

呼ばれています。

ギフテッドの子らのように高い能力を持っているわけでなくても、

ハイリーセンシティブな子たちは、よくこのOEという精神状態にあります。

 

ポーランドの心理学者、精神科医、詩人であるドンブロフスキは、

OEという平均以上に敏感な精神状態を5つの分野に区分けしています。

 

1精神運動性OE

落ち着きがなく頭の回転が速い印象を与える。話が一気に飛躍する、

頭が働いて眠れないなど

 

2. 知覚性OE

神経質さ。光、音、匂い、触感など感覚器官に与えられた刺激に過剰に反応する。

美的感覚にもつながる。


3. 想像性OE

隠喩などの詩的表現に優れる。「注意力散漫」と見られる。白昼夢を楽しむ。


知性OE

広く知られているギフテッドの特徴。知識を渇望し、疑問は研究し、理論的な分析や

真実の探求を愛する。そのため高度な科学・ドキュメンタリー番組を好んで見たり、

頭脳パズル、知覚ゲームを好む。


5. 感情性OE感情の種類と幅が大きく「ドラマチック」な反応を示す。

より楽しみ、より悲しみ、より怒り、より驚き、より恐れる。深く感情移入し、

愛着心、責任感、自省意識も非常に強い。

 

子どものOE過度微動が強ければ、育てる親にすれば、

日々、へとへとに疲れ果ててしまうことは想像できます。

でも、こうしたOEの強い子たちの優れた面に光を当てて、

もがき苦しみながら成長していく姿に寄りそい、創造性や強い探究心を発揮する場を

保証してあげるなら、思い通りに育たない不全感は、思った以上の、

想像できなかったほどすばらしい個性の面白さに変わっていくのだと感じています。

また、実際に教室で、そうした姿を目の当たりにしています。


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2 コメント

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ユニークな個性と向き合う (tamaki)
2016-05-07 11:42:06
うちの子どもは知覚性、想像性、感情性OEがありそうです。
いまのところ発達障害的なところやギフテッド的なところは見当たらないです。

とりあえずその時々の興味に沿ったことをする、できるだけ創造性を活かした活動をする、といったことは気をつけています。あとは、刺激が強すぎてぐずってダウンする時に「仕方ないなー」と休ませるくらいですかね。そういう特徴があるのだから、根性でがんばってもどうしようもないことはよく理解しています。

洋服などの感触が嫌でぐずるとか、お出かけなどで刺激が強すぎて疲れて泣き出すとか、そういう苦労は徐々に少なくなってきています。

ただ上の子も小学校に上がると、これからまた知的活動をどうしていったらいいかとか、友達とのプリキュアごっこがつまらないからやりたくないとかの人間関係の悩みだとか、いろいろ考えることがたくさん出てきました。

本当に子育てって、ある局面をなんとかクリアしたと思うと、また次の成長段階でどうしたらいいかという悩みが出てきて、鍛えられますね。

それぞれのこどもが生き生きと取り組めることを見つけてやらせてあげたい。そして親が決めた幸せでなく、自分で見つけた幸せの形に自分で向かっていける人になってほしい。

夫と話していて、こどもがおとなになる頃にはAIやコンピュータが発達して、人間の能力を追い越しているかもしれない、ということは機械のできることをやらせても意味がなく、人間にしかできないことをできるように育てたいね、ということになりました。

目に見える価値、得な生き方、最短距離で成功に向かう、といった生き方とは真逆の、遊ぶ、回り道をする、たくさんの無駄なことをする、創造する、発想する、といったことが鍵になってくるのでしょうか。

親を困惑させてしまう子どもたちについての記事、楽しみにしています。
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感謝 (Deniz)
2016-05-11 17:55:50
この記事を読んで初めてHighly Sensitive Childについて知りました。23の項目を見てみると当てはまる当てはまる!もうすぐ6歳になる息子のことです。

周りに彼のような性格の人はいないし、完璧主義、感情の爆発、その他”大げさな!”とおもう言動に困惑することがよくあったのですが、HSCに対する対応等を読むにつけ、彼の言動の裏にあるメカニズムがわかり、私の対処法も改善の余地大、なことがわかりました。

なんだかとても感動しました。と同時に、私の理解・知識不足から彼の人格を否定してしまうかなり危機的状況にあったのだ、と冷や汗をかきました。記事にしてくださって本当にありがとうございました。心から感謝しております。
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