虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

自分の気持ちを簡単に捨てられてしまう 3

2017-07-18 18:12:37 | 日々思うこと 雑感

いったん戸を開けさせて、

おでこを打ったAちゃんにきちんと謝らなければならないこと、

この部屋は他の大勢の利用者のためにあるものだから、

カギをかけてはいけないこと、を注意すると、

当のBくんは靴下を脱いで、自分の足の指を調べながら

押し黙っていました。

どこかでケガをしたのか、足の指先から血が出ていました。

黙っているものの、Bくんの表情からすると、

Aちゃんのおでこにケガをさせてしまったかもしれない状況への

ショックが大き過ぎて、言葉を失っているようでした。

すっかり自分の殻に閉じこもってしまったBくんは、再び

部屋の内側からカギをかけてしまいました。

 

本来なら、他のお客さんへの迷惑ということを考えて、性急にBくんを部屋から

出させて注意しておしまい、となるところ、

その日のその時間は周囲に人はあまりおらず、

子どもたちのために、空間と時間の隙間を

ちょっと使わせてもらうのならいいかな……そんな風に

感じられる日でした。

 

カギのかかった部屋の周りに集まって、子どもたちが

Bくんを外に誘いだす相談を始めました。

「まずは、熱中症を避けなくちゃ。

部屋の周りに隙間はないかな?

そこから水筒かペットボトルを入れないと!」と

真顔でつぶやくDくん。

部屋のぐるりを調べてから、「Bくん、ぼくとCくんだけを部屋に

入れてくれない?他は誰も入れないから大丈夫だよ。

ぼくたちふたりだけが入れる狭い隙間を開けてくれたらいいんだ」と説得していました。

 

途中ですが、次回に続きます。

 


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